第25話 素直
色欲だから語れる、恋愛の格言。
翌日。
2人は再びコリーダの元へと訪れた。
「……ミッションは完了したぜ? コリーダ、例のやつを寄越せ。」
「あら〜〜、ドレムちゃん、クリア出来たんだ〜〜。いい子、いい子〜〜」
「……バカにしてんのか、オイ……」
「そーよ、コリーダ!! 私なんてホント偉い目に遭ったんだからね!?」
……エレーナは、ドレムに対して気まずくなってしまっている。
その意味も込めて、クレームを入れたのであった。
だが、コリーダはフフ、と笑っている。
「まあまあ、いいじゃないの〜〜。エレーナちゃん、強情なところあるからさ〜あ〜?? 私がドレムちゃんにどう思っているのかをさ〜〜?? 発情させたことで素直にさせたのよ〜〜」
「だからってなんも覚えてなかったら意味ないわよ!!」
「ん〜〜、大丈夫じゃない? 恋愛なんて日々の積み重ねよ? 難しく考えなくても、一歩一歩歩み寄りなさいな。それとドレムちゃん……」
「な、なんだよ……」
コリーダはニヤニヤしている。
我が子を見るような目で。
「はい、これ。私の魂よ。それと、ね? エレーナちゃんを堕とすコツだけど〜〜?」
と言って、耳を貸してと言わんばかりのジェスチャーをする。
「なんだよ……さっさとしろ……」
ドレムはコリーダの口元に耳を当てた。
コリーダは何やらゴニョゴニョと耳打ちをする。
「……それをやれってのか?」
「そ。それが出来れば〜〜、堕とせるわよ? 絶対好きだもの、エレーナちゃんは貴方のこと。」
「……まあ、やってみるわ……それじゃあな。」
ドレムは終始ペースをコリーダに握られっぱなしだったが、報酬を受け取ることに成功し、コリーダの元を去っていった。
さて、次の行き先は、というと。
「さて、次は……『ダースラット』のところだな……」
「……なんでよりによって面倒くさいヤツしか残ってないわけ……??」
ドレムがマップを広げる横で、エレーナはため息を吐いた。
「……まあ、アイツも変人だしな……しかも頑固だから絶対難航するだろうな……エレーナも分かるだろ? アイツの面倒くささ。」
「それは……言われなくても分かるわよ……」
ダースラットは「無休」を司る魔王なので、妥協や怠けを許さない苛烈な性格だ。
休む時が殆どないので、街を支配していた時はとんだ厄介者だったわけであって、だ。
ドレムも、ダースラットだけはあまり関わりたくないようであった。
「……エレーナ……なんか、買っていかねえか? 買ってやるぜ? 気に入った物。」
「な……何よ、急に……」
「いや……気持ちに余裕がなかったなー……って思ってよ、オーレリアに来てから、な……だから息抜きにどっか買い物して行かねえか?」
ドレムは明らかに照れ臭そうだった。
デートの誘いのようなものだったが、羽を伸ばすには丁度いい、と判断したのだろうか。
エレーナの返答は。
「……そう、ね……じゃ、行きましょ? ここのアクセサリー、見てみたいし。」
「……悪りぃな。それじゃ、行くか。」
2人は気恥ずかしそうにしながらも、ブティック屋を2人で訪れたのであった。
次回は閑話休題的な感じでお送りします。




