第9話 「カリーティア」と洞窟の主
洞窟の道中の会話主体です。
海に浮かぶ洞窟へと足を踏み入れたドレムとエレーナは、中を探訪することにした。
集めなければいけない鉱石があるとのことだ。
「そういやあさ、ドレム。」
「おう、なんだよ。」
「ここで何を取る気なの?」
「……『カリーティア』っていう珍しい鉱石さ。コイツを加工した武器は……鋼よりも強力って話だ。しかもここでしか取れねえらしい。」
「聞いたことないわね……」
「魔界でも10年に一個入荷されるかされねえか、ってぐれえのモンだしな。」
「まー……なんでもいいけどさ、ここ、危ないんでしょ? それなのにモンスターが一向に出ないじゃない。」
エレーナの言う通り、この洞窟、「フルーステラ」は地元では危険極まりない洞窟と言われていたのだが、モンスターが出てくる気配すら無かった。
二人的には有難い話なのではあるのだが、ここまで出てこないと逆に恐怖心を覚えてしまうものだ。
「まあ、そういう時もあらあ。ただ……ここの主が強えらしいから気ぃ引き締めてかねえとな。」
ドレムはこう言いながら、岩壁によじ登り、薄青の鉱石を被っぺ剥がした。
ミスリル鉱石だった。
そのむしり取った鉱石を、ドレムは麻袋に蔵った。
「……カリーティアじゃなかったの? 目的って。」
「俺の作りたい武器の錬成にはミスリルは欠かせねえんだ。これを10個必要になる。……ってわけで、エレーナも手伝ってくれ。」
「なんで私まで……まあいいわ。手伝うわよ、それくらい。」
そうこうして鉱石を取っている内に、奥の部屋まで辿り着いたのだった。
最奥部まで来た二人は、妙に広い部屋へと来た。
「凄い場所ね……辺りが白い、っていうか……」
「……だな。どこにカリーティアがあるか見当もつかねえぜ。」
「……で、どんな色してんの?」
「燻んだ金色みてえな色をしているらしいぜ。ただ……俺も実物は見たことがねえからな。図鑑以外でそれを見たことはねえのさ。」
辺りを探す二人。
が、ドレムが言った色の鉱石は見当たらない。
と、ここでエレーナが何かを見つけた。
「ねえ、アレは? 洞穴みたいに空いてるけど。」
彼女が指差した先は、東の方角だ。
よく見ると、先に続いていそうな穴だった。
「ああ、ホントだな。行ってみるか。」
ドレムもこれに乗り、二人はその奥へと行ってみた。
すると。
燻んだ金色の鉱石が数多く壁一帯にビッシリと生えていた。
これこそ「カリーティア」だった。
「……すげーな……初めて見たけど、こんなやべえ色してたなんてな……」
「ホントね……しかも武器に使えるくらい良い硬さしてるし……訪れて正解だったわね……」
「主も今居ねえみてえだし……ちゃっちゃと取って戻るぞ、エレーナ。」
二人は鉱石の根本から切り崩し、大量に袋に収納して行ったのだった。
「よし……こんだけ有れば十分だろ。」
大量に入った、カリーティアを見て、ドレムはそう言った。
「じゃあ、もう撤退?」
「だな。急いで戻んねえとな。」
地味に重たいカリーティアの袋を抱えながら、二人は洞穴を後にしたが、まさかの事態に遭ってしまった。
海賊服を身に纏ったガイコツが、洞窟最奥部の出入り口に居たのだ。
「なっ………なんで主が!? さっきまで気配すら無かったじゃない!!」
エレーナはまさかの事態に動揺した。
ドレムも同様だった。
「クソッ……待ち伏せてた、って事じゃねえか……! 味な真似してくれやがるぜ、ガイコツ海賊……!!」
ドレムは右手を前に突き出し、エレーナも勇者の剣を鞘から引き抜いた。
海賊服を纏ったガイコツは、吠えると同時に剣を持ったガイコツ兵士を召喚した。
その数数千。
2-数千という、状況的には最悪の構図だった。
「どーすんのよ、これ!! 完全に予定外じゃないの!!」
「知らねえよ! 正面突破すんぞ、エレーナ!!」
二人は数千ものガイコツ相手に戦闘態勢を整えた。
フルーステラ脱出のための戦いが始まったのだった。
次回は今作初の戦闘シーンです。
お楽しみに。




