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人狼 Zwei (ツバイ)  作者: 冬忍 金銀花


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45/91

第45部 妹二人! 大学合格する

 いつも、沢山のアクセスありがとうございます。人狼と少女 のアフターストーリーです。今後も支離滅裂なストーリー、全開で進んで行きます。


どの回も行き当たりバッタリです。サブタイトルらしき? 文言を考えてストーリーを書いております。3分先にはなにを? 書くのかが不明です。


 1950年2月(昭和25年)北海道・札幌市



 姉の二人は、卒業するまでは楽しい時間が過ぎてゆくのだった。最後のところから、少し時間が遡る。


 毎日の楽しい日々が少しずつだが陰りを見せ始めた。3月6日が妹の合格発表なのだから、落ち着かないのは当然だ。


 3月1日になり姉の沙霧が妹二人に尋ねた。


「あんた達、もう白状していいじゃん?」

「そうよ、私たちだって気になって落ち着かないよ。大概で教えなさい」

「う~ん、まだだね。6日の12時が発表だから、まだダメ!」


 彩香は教えてもいいと言う。


「綾香! 合格発表の当日はさ、お姉ちゃん二人の協力がないと簡単には行けないよ? 当日になって天邪鬼になったらどうする? 今のうちに確約を貰っておこうよ」

「そうね、じらし過ぎたらお返しが二倍になって、どのような仕打ちを受けるか心配でもあるわね」

「なによ、それ!」


「でもまだダメ~」


「フ~ン、だ!」


 澪は沙霧に向かって、


「もう先に東京に行っちゃおうか。夕食の時にお母さんに報告してさ、明日の一番で帰ろう」

「そうだね、ここに居たら気が滅入ってしまうわ」


「澪! 退屈だからさ、ちょっと中島公園まで遊びに行かない?」

「うん、雪は降ってないから行こうか」


 姉の二人は転んでもいいような服装に着替えて出て行った。


 残った妹の二人は作戦会議を始めた。


「今日が1日(ついたち)で発表が6日よね。後5日間をどうしようか」

「あ、そうだ! 明日にさ、姉の上京に合わせて私たちも東京へ行くとか? どうかしら」

「うんうん、それがいいわ! 姉と過ごすのだから、母もダメとは言わないよね」

「そうしよう、今晩の夕食の時に母と父に頼もう」


「それに一番大事な事があるじゃない」

「うん? あ? そうアパートね。早く探さないと近くの物件が無くなるし」

「姉と同居とか出来ないよ。そこまではアパートも大きくないから」

「じゃああ、大きい物件を探して姉と同居がいいかも?」

「両親が喜ぶね。そう、いっぱい喜ぶわ。仕送りが半分になるかしら」


「4人を言い包めよう! 今晩は頑張ろう」

「おー!」

 と気負いこむ二人だった。


 ここで水を差す訳ではないのですが、妹の学力の実力もさることながら巫女としての評価がなされていた。


「学長! あの双子の妹の双子です。いい生徒になりますよ?」

「ほほう! 刑事課の課長さん。それはどいいう意味でしょうか?」

「姉妹の4人が主席で卒業すると考えて下さい。大学のいい宣伝になりますよ~」

「おうおう! それは凄いことでしょうとも。是非とも合格にいたします」

「受験の点数が、最下位でも?」

「まかせんしゃい! 姉の二人の授業料の見返りじゃが。どうにででもしますがな」

「?見返りですと?」

 課長はラクーンを睨みつけた。


 学長は庶務課の女史を呼んだ。


「今年の試験の採点で、最優秀は決まったかい?」

「はい、採点が終わって結果が出ております」

「では、杉田の名前で二人が受験しているが、点数はどうだったかな?」

「はい、新入学生の代表に選定済です」

「ほほう~、それはいい。ぜひとも代表に推してくれたまえ」

「はい、学長。そのようにいたします」



「ね! お母さん。もう私たちは東京に戻ろうかと、考えているんだ。明日の朝には発ちたいけど、いいかな」

「あらあら! 妹が何か言ったんだね? 困った妹だよ」


「お父さん。私たちは姉と一緒に東京に行きたいんだけれども、いいかな」

「おうそうかい、姉の二人が何か言ったんだね? いい姉じゃないかい」

「????」



 両親は二つ返事で姉妹の意見・要望を聞きいれた。



「明日は4人で跳んで行きな! 汽車賃は無いから助かるよ!」

「そうなんだ、お母さんは私たちの汽車賃も出したく無いのね!」

「当たり前だろう? 親がついていくんだもの。汽車賃は私が使うからね」


「ええ? お母さんも来るの?」

「だってそうだろう、アパートの契約は親が行かないと、でけへんだろう」

「そうですわね、ホロお祖母さまは仕事を退職してるからね」

「桜さん! 婆ちゃんが行ってもいいよ」

「いいえ、お祖母さまには、大事な息子の世話をお願いします」



「息子? そういえば、息子が居たね~」

「お母さん! もう忘れないでください」


 息子の智治が声を大きくして言った。ホロお祖母さまは存在感を薄くさせる為に、ボケた振りをしている。これが家庭での均衡を保つのだ。


 嫁と姑が二人で家庭を維持管理は出来ない。衝突して家庭不和になってしまう。ましてや、旦那と息子は二つで一つだ! 共有するしかないのだから。現代では、親が独占するらしいのだ。嫁は孫を製造させる為? なのか、疑問に思う。


 という事で5人して東京に発つ事になった。


「4人がいれば直ぐに東京に行けるわ」


 翌朝、父とお祖母さまに別れを告げて東京に行く。


「お姉ちゃん、国家公安委員会には、独身寮は無いの?」

「そういえば、尋ねていないな。在ればあなた達があのアパートに住む積りね」

「そうよ、イケないかしら。母さんが喜ぶよ?」


 澪が急所を突いた!


「あんた達、どこの大学を受験したのよ。東京の大学に行く、とはまだ一言も言って無かったわよ」

「きゃー、バレたわ、もう仕方ないわね。教えようか」

「そうね、彩香! 東京に着いてからにしよう」

「なんで? さ」

「きっと、いい事があるからさ」

「??????何が?」


 5人が姉のアパートに着いた。玄関ドアを開けたら安全課の課長から、


「東京に戻られたら、連絡を乞う!」


 との紙切れが入れられていたのだった。


「明日に連絡しよう。お母さん、用件はなんだろうね」

「いいよ、無視しなさい。お母さんがカチコミに行ってくるから」

「もう、お母さまったら」

「なに! お前ら二人の協力を得たいのさ!」

「はは、そうなんだ。でもどうして?」

「ぶきっちょな連中だからね。自分たちで解決が出来ないからよ」


 さて、用件はなんだろうか。


 親子の5人が揃って外食に行く。こんな事は一度も無かった。


  

                1950年3月(昭和25年) 東京都・港区


 翌日の3日、妹が姉の学校を見学したいというので、娘たちは大学に行った。今年から新制大学になる。名前がいい! お茶の水女子大学、という。誰が名付けたのだろう。藤本さんか?


 妹の二人は合格の手応えがあるので、感慨深く? 見学していった。姉の二人は鼻だかで妹を案内して回った。



 その頃、桜子は生活安全課を訪ねていた。


「昨日の署長さんはいらっしゃいますでしょうか」

「はい、昨日では無く今日は、木之本は居りますよ」


「バシッ!」


 ニキータが出て来て桜子の尻を叩いた。


「おうおう、うちの旦那を変な呼び方をするんじゃないよ!」

「もうニキータさんは、スケベ! だわ」

「はは! 懐かしいね。で、今日は何だい」

「うん、あんたの旦那が用があるからと、出向いたんだよ」

「そうかい、案内するよ」

「新ちゃんは元気かい? 懐かしいね!」

「シンも会いたがっていたぜ。何でかな?」


 二人は署長室に入った。署長は相好を崩して、


「やあ、桜子さん、いらっしゃい!」

「こんにちは、お久ぶりです」

「3年前は大変お世話になりました。なんでしたら、地下で新型をぶっ放してみますか?」

「そうね、娘たちのストレス発散で、一丁! お願いしますか」


 木之本は冗談まのだが、桜子の目は正直に署長の目を見ていたから、本気だったようだ。


「署長さん、今日は何の用事でしょうか」

「はい、今度妹さんが進学されますので、今までお姉さんにはお世話になったお礼にですね、妹さんの学費を援助したいのですが」


「まあ、ありがとうございます」

「学長には刑事課の課長が伝えております。なんでも、優秀な成績らしいです」


「そうでしょうとも。私も娘らを信じております、親バカでしょうね」

「いえいえ、親バカは私たちですよ。デルフィナにはすっかり嫌われてしまいました。恥ずかしい限りです」

「ふふ! そのような事はございませんよ。きっとご両親に会いに来て呉れますって」

「そうでしょうか」


 ニキータは希望的な感情で桜子を見ていた。


「そうよ、ニキータ! 自信を持ちなさい」

「はい」


 その他、バカ話で三人は和んでいた。小一時間で桜子は帰っていった。


 桜子は今日の事を娘には秘密にした。


 綾香と彩香は、文教育学部で学んで教員になる予定だ。志望動機が、


「学校で色んな問題で先生たちを困らせたから、いったいどれくらい困ったか実際に教員になって検証したい」ですって!



 ま、ハチャメチャな先生が学校に居た方が、生徒も素直に成長するだろう。


 小学校では先生を崇拝し、中学では友達扱い、高校では軽蔑するか、恋心を抱くか、はたまた人生の師範とするか、である。娘達には最後の師範と崇められてもらいたいものだ。桜子はそう願っている。



 とうとう姉には内緒で押し通した。妹の根性は立派なものだろう。合格発表の6日の朝になった。


「今日は発表ね、何処まで跳んでいくのかしら?」


 澪は妹に尋ねた。綾香は、


「そうね、12時が発表の時間なの」

「歩いてでも行けるから、歩いて行くわ」


 この一言で澪が気がついた。


「そう、それがいいわ。沙霧! もう妹には構わないでいいわ」

「え? どうしてさ」

「私たちは妹とは別行動をとるの。11時から学校まで散歩に行きましょう」


 綾香がはっとした。そして彩香の顔を見た。彩香はにっこりと微笑んで、


「私たちは二人で発表を見に行きましょう」

「ちょっと、あなたたち! 母親はどっちと一緒に行けばいいのよ」

「それは決まったいますでしょう? 妹とです!」


 澪が返事をした。桜子は、


「そうね、お姉ちゃんと一緒に行くわ」


 姉の二人は、母の言葉の意味が理解できない。


「どうして私たちとなの?」

「さあ、どうしてでしょう。考えなさい」


 やっぱり分らないのだった。11時になったから5人は大学へ行った。同じ道だから何処まででも5人は一緒だ。親子は気を紛らわす為に会話を始めるというふうでもなかった。


 桜子一人が合格を知っている。妹は合格を確信し、姉の二人は半信半疑の面持ちだろうか。


「あんたたち、いつまで付いて来るのよ」

「お姉ちゃんこそ、いつまで私たちの前を歩いているのさ」


「こらこら、姉妹で何言ってるの。お姉ちゃんにははっきりと言ったら? いつまで内緒にするのかな」

「恥ずかしいから合格するまでよ。ね~ぇ、綾姉ちゃん」


 妹の彩香が、綾姉ちゃん、と言った。初耳だ。


「そうかい、綾香は緊張してんだね」

「そうよ、悪い?」


 澪はうっすら笑みを見せながら、


「全然! あなた達が人間だとのが解ったわ」

「もう澪姉ちゃんはひどい。人間じゃなかったら何なのよ、クマ? かしら」


 大学の正門が見えてきた。澪は、


「あそこの掲示板が発表会場になるわ」

「毎年だから、今年はどれくらい混雑するかな」


 12時のチャイムが鳴った。男性職員の6人が合格者の名前を書いた用紙を順次貼りだしていく。文教育学部の定員は25名。おや? 今年は様子が違うようだ。


「新制、お茶の水大学の学部の合格発表は、奥の臨時掲示板になります」


と、拡声器で案内があった。5人は少し奥に進んだ。


 文教育学部の25人の名前が貼りだされている。受験番号順ではなかった。一番目に、彩香、二番目に綾香の名前が載っていたのだ。


「お母さん、合格よ! やったよ!」


 桜子は泣きもせずに、


「そうよ、当然よ」


 姉の二人は、


「あなた達、凄いわ! 主席の入学なのだわ。悔しいわね」

「そうね、悔しいわ!」

「私たちは下の方だったかな」


 妹は姉に優越感を持つ感じで、


「へへ~ん、どうお? 凄いでしょう!」

「褒めて、褒めて!」


「うん、うん、あんた達は偉い!」


 妹の二人は主席で入学した。これは日本で一番を意味するだろう。共学の学部は男がトップで入学したから。(女性の受験があまりにも少ない)


 女子大では全国でここが最優秀だからだ。


 母は半分冗談で、


「彩香さん、全校代表で挨拶するのよ。身代りで綾香でもばれないかしら」

「ええ? 代表で挨拶するの。お姉ちゃん頼むね」


 母は続けて、

「澪も卒業式でするらしいわ、仲良く地獄を見なさい」

「お母さま、それはあんまりだわ。・・・・」

「そうね。彩香、卒業式でも送辞をしなさい。学長に頼んでみるわ」

「ぶ~~」

「姉妹でいいじゃないかしら?」




 文教育学部は初めての学部だったが、漢字の他に仮名文字で二人の名前が在ったのには誰も気が付かなかった。


 これで晴れて大学生となった。女性の新入学生は全国で1000人は居なかったと思う。


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