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人狼 Zwei (ツバイ)  作者: 冬忍 金銀花


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43/91

第43部 高田ドブロク事件

 1948年3月(昭和23年) 東京都・港区


 東京警視庁が、1948年(昭和23年)3月7日に組織変更となった。8日からは現在の警視庁の組織になる。


 翌日の9日にサイコパス所長の訪問を受けた。ほんの少しの情報が有るとかで知らせに来たのだ。


「おや、所長! お出で下さるとは、どうされましたか?」

「木之本さん、なにか人狼兵の収穫は無いのかね」

「ええ、音沙汰無しです。暇でいいじゃありませんか」

「そうだね、暇こそが平和だ!」

「ご用件は? 収穫は無いと、今申しましたよ」


「いや、違うよ。この前の研究所襲撃で多大な損失を被ったらしい。それで朝鮮人の人狼兵を使って、時期と場所が不明だが密造酒を始めたらしいのだ」

「そうですか、場所の見当は?」

「無いのだよ。日本全国で密造は出来るから、少しも分らないのだ」

「了解だ! ありがとう」

「組織が変わって仕事がやりにくくなってさ、また来てくれよ!」

「おう、そうするよ。ご苦労さん」

「ご苦労さん? といとは。茶も出さずに追い返すのか!」

「そうです・・・この前のお礼ですよ、はっはっは~」



 それだけを言って所長は帰っていった。ロシアの研究所は再起不能なまでに破壊したから、他の研究所の資材調達費用を稼ぎたいのだろう。


「イカレ所長も厳しいのだろう。ロシアだものな、調査には行けね~よ」

「古田くん。密造酒だそうだが、何か情報が上ってないか」

「そうですね、何もありません。4月1日から新制高等学校発足するくらいです」

(今の高校制度のこと)

「ちょっと、刑事課に行って来る。ニキータさんを呼んできてくれないか」

「はい」


 この後二人で警視庁に行くも情報は何も無かった。このまま時が過ぎていく。



 1949年4月(昭和24年) 東京都・港区


************************************************************

高田ドブロク事件とは


 今も昔も変わらない朝鮮人の性格だが、理不尽な要求がなされていたのだった。昨年の1948年暮れに、新潟県中頸城郡中郷村と中頸城郡新井町の朝鮮人集落で、大規模の密造酒の醸造が行われているらしいとの情報が入った。この朝鮮人の村は日本人から見ても一種の異様さを感じるのだ。だから地元の日本人は誰も近寄りたがらない。その所為もあって長い間酒の密造を許していた。


 これを何処の誰とも分らない朝鮮人から、地元警察に漏れてしまったのだろう。嗅ぎ分けた警察が優秀だったのかもしれない。規模が大きいので裏執りに時間をかけて、関係機関で計画を用意し準備を行った。一網打尽にしたかったので、このように長い時間がかけられた。4か月の期間が過ぎた。


 1949年4月7日午前6時頃、一斉取締を開始した。早朝だったため午前8時過ぎにはこの捕り物はあっけなく終わった。高田市警察署に検挙者を収監したが検挙者数は不明だ。この検挙者を釈放せよ!と、昼前から多くの朝鮮人が警察署に集結し、暴徒化してしまう。警察は当然だが釈放はしない。だから朝鮮人の行動が昂じて投石を行った。翌日の8日も同じくらいの約200名の朝鮮人が警察署前に集結し、釈放を要求する。


 翌日の9日に、一人の女性が高田税務署に現れ、署内で暴れて他の朝鮮人女性約15人が集まり署長の面会を要求する。署長は当然許可しない。今でも集団面会はお断りだが、ルーツがここに有ったのかも? と思う。税務署の警備担当の警察官と朝鮮人が押し問答となり、午後から多くの男の朝鮮人も集まり暴徒化した。小競り合いになり負傷者も多数発生した。


 4月10日には検挙者が自供して、高田市(今の上越市)でも密造を行っていると判明した。さらに在日朝鮮人連盟信越支部が家宅捜査を受けた。その翌日の4月11日に約500人の朝鮮人が高田市に各地から集結して高田市内をデモ行進を行う。ここでも有りもしない事・警察が朝鮮人に不当な弾圧を放火してを灰にしてやる、と捲し立てていた。警察は朝鮮人の首謀者を12名逮捕して収束する。


************************************************************


 要約しても長くなったが、このような事件だ。何でもかんでも不当要求は昔から続いている。在日朝鮮人連盟は解散命令が下されたが、今に至っている。これらを基にして、生活安全課と刑事課の物語が始まる。前座だけでも長くて申し訳ない。


 刑事課から安全課に一報が入った。


「重大な案件が発生したから至急警視庁に来庁されたし」


「おい、何だい古田くん。この案件とは、あの案件か!」

「そのようですね、お供いたします。ニキータさんは1階の駐車場でお待ちです」

「早いな。待たせて怒らせると怖いから直ぐに行くか」


 玄関から出たら、確かにニキータが居た。


「待たせたな!」

「うん? 何がだい?」

「ニキータさん、警視庁から呼び出しです。行きましょうか」


 古田課長が説明した。ニキータはまだ事件の事は知らなかったのだ。じつは古田課長の芝居であるのだが、なぜ? だろうか。



 こうして三人は警視庁へ向かった。警視庁では、高田市の警察官が5名と税務署署員が二人。それと刑事課の課長と、機動隊の部長と補佐の二人が待っていた。全員で13人が会議室に集まる。


「安全課が呼ばれるとは、穏やかではありませんな」


 刑事課の課長が一言。


「俺は好んで来てはいないよ。課長が呼んだんだろう?」

「いや、俺も呼ばれた口だぜ。総監の命令だろう」

「はい、警視総監の命令です。ではみなさん、お揃いですので会議を始めます」


 高田市の警察官が状況報告を行った。内容はざっと上記の事項だが、朝鮮人には人狼兵が多数混じっているのが判明した。

 


「この中郷村と新井町には、ざっとですが、人狼兵らしき人物が50~70人も居るようです。これとは別に高田市には、100人という調査数字が上って来ました。もう警察署では対応が出来ませんので、ご協力をお願いします」


「機動隊の山下というが、安全課の説明によると、機関銃が効かんらしい。安全課の署長さん、対応の方法を教えてくれないか。戦車を出すのはまずいだろう」

「はい、山下部長殿。機関銃は無意味ではありませんが、港区の安全課襲撃事件の時は、役に立たなかったのは事実です」


 刑事課の課長も聞きたいらしい。


「木之本署長。あの壮大な襲撃事件の報告書が来なかったぜ。だから分かる様に説明してくれないか」


「あれはですね、港区の機動隊と力を合わせて撃退しただけですので、それ以上は何もありません。敵さんが瓦解したからでしょう」


 木之本署長は、巫女の協力で解決した!とはとても言えないのだ。今回の事件でも朝鮮人の人狼兵が200人もとなると、警察と警視庁の機動隊だけでは絶対に抑える事は出来ない。本当に戦車を出す必要があろうか? と考えた。


 考え込む木之本署長を見て、刑事課の課長が、


「木之本くん。すまん、すまん。あの事件はそうだったな。だが、ロシアのようにはいかないだろう」

「そうです、そうなんですよ。警視庁の機動隊では絶対に無理ですね」


 機動隊の山下部長が、


「鬼の税務署が一緒じゃないか、それでも制圧は無理かね。やーさんも黙る鬼の署員だぜ!」


「いや、税務署の方には先陣で頑張ってもらうのは当然です。ですが、朝鮮人が相手となると、理不尽な言いがかりで食ってかかるからですね、逮捕者がもう100人では済みません」


 木之本署長は続けて、


「装甲車や大型トラックで、おおよそ500人態勢で臨まないとですね」


 高田市の警察部長は何も分らないからか、


「そんなに人員は要らんでしょう。なんで500人ですか。村の人口よりも多いですよ。朝鮮人の恐ろしさは知っているつもりです!」


 部長はやや不機嫌になってしまう。こころの声が聞こえた。


「何が、500人だ。人をおちょくるなよ!」


 ニキータが提案した。


「すみませんが、ここで30分の休憩をお願いします。安全課と刑事課で先に協議したいのです。よろしくお願いします」


 会議は不毛な会議になっていた。役人で会議を行っても自己保身で進まないのだ。誰か強い権力者が居ないと結果は出ない。



 安全課と刑事課が別室へ移動した。


「なあ、課長さん。ロシアみたいにさ、また北海道の協力者を呼べ! とは言わんでくれないか。あいつらは只の市民なんだぜ」

「でも俺らでは何も出来ないのだからさ、どうする」

「どうも出来ないさ。今日は議題の持ち帰りでお開きに出来ないかな」


 課長は、


「では、どのようにして会議を終わらせようか。俺には出来んからよ!」


 署長は、


「それはそうだが、サイコパス所長に相談するか」

「どのような相談を?」

「人狼兵のサンプルを貸してくれと!」

「借りて人体実験をする? のか」


 課長には意味が通じないようだ。


「人狼兵を借りて模擬戦闘を行うのさ。そうすると、人狼兵の実力が分るし怖い

 思いも出来よう」

「んだな。それがいいかもな」


 署長は大きなミスを犯してしまっていた。アメリカから50人もの人狼兵が来る事になる。


 翌日に署長はサイコパス所長に、捕獲した人狼兵のレンタルを要請した。


「もしもし、俺だが、あんたか!」

「はいはい、俺だが、あんたか! で、なんの用だ」

「ちょっとお願いがあるのだが、聞いてはくれないか」

「聞くだけは出来るが、内容によっては出来んよ」

「そうだろうて。実は、警視庁の機動隊に人狼兵の恐ろしさを教えたくてさ、人狼兵との模擬戦をやりたいのだ」

「ほほう、それはいい。直ぐに用意してやるよ」


 サイコパス所長は自分が造った人狼兵のデータが取れるので、二つ返事で了承したのだ。翌日に警視庁・機動隊に一人の人狼兵が送られた。


 機動隊の道場で模擬戦が行われた。会議に参加した13人とサイコパス所長も見学に来た。助手が数名居たのだが、今まで見た事も無い人間ばかりだ。


 機動隊と警察署の面々が組手で稽古? というか、力比べが行われた。結果は人狼兵の圧勝で終わる。機動隊と警察署の面々はお手上げ状態で投げられていた。


 機関銃のテストはさすがに出来ぬので野球の鋼球で実験された。


「俺に鉄の玉を投げるとは、いい根性してるぜ! 夜道には注意しな!」


 と言いながら、100発で気絶したのだった。


 これらの検証で、機動隊と警察署の面々は、事の重大性が理解出来た。また、サイコパス所長は、全員に講義・解説も行った。全員は大人しくなってしまう。サイコパス所長は、続けて、


「アメリカの兵隊を50人ばかり借りたらどうだろう。機関銃もアメさんが優秀だし、第一にあんたら隊員と署員が怪我をしないからいいだろう」

「おう、それはいい、賛成だ!」


 と、二つ返事で決定してしまった。


 サイコパス所長の要請を受けて約50人が日本へ輸出された。サイコパス所長の念願の実験が開始された。


 結果はアメリカの人狼兵の圧勝で終わった。その後の朝鮮人の解放要求も、アメリカの人狼兵の50人で首謀者は逮捕されて鎮圧された。


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