第9話
「そいつのこと好きだったの?」
「うん。かっこいいからね。超イケメン」
「答えになってなくね?」
「そう?」
「横峯くんは彼女いるの?」
「いるよ」
「どうして好きになったの?」
「おっぱいでかいから」
「引く……」
「ほらな。嘘。本当は性格がいいから好きになったんだよ。おっぱいがでかいから好きだって言うのと、イケメンだから好きだって言うのは同じじゃね?」
「そう……なのか?」
「話が合って楽しいとか、もっと一緒にいたいとか思うから好きなんだろ?穂乃果の言い方じゃ、かっこよければ誰でもいいみたいに聞こえる」
「そう?違うと思うけど」
「じゃ、男がおっぱいでっかい女が好きだって言うのは引くくせに、女がイケメンが好きだって言うのは引かないってことか?」
「うん。そうだね」
「へえ。そんなもんか」
「そんなもんじゃない?」
噛み合わない会話をしているうちに会社に到着した。
ここは、法人営業しかしない旅行代理店だ。
得意先の出張の手配をする。
私は内勤の事務職、横峯くんは営業職。
「じゃな」
「じゃね」
フロアが違うから、エレベーターで別れた。
なんか、横峯くんに、ゲスイ女と思われた気がする。
私、蓮くんのこと好きだもん。
顔だけじゃなくて……
ほら……
他にも……
……?
あれ?




