第6話
「えー、なにそれー!」
結局、家の近くのバーで佳純と飲み直している。
「一応、連絡先は交換したんだけどさぁ。私、なんて送ったらいいと思う?」
「で?バイバイしてから、蓮くんから連絡は?」
「まだない」
「『無事に帰れた?』とかも?」
「ない」
「それってさぁ、ただの、やりも……」
「おいっ!」
佳純が言いそうになったNGワードを全力でかき消す。
「ちょろいって、思われたのかもねぇ。蓮くんを見る目がハートになっちゃってるのがバレバレだったんだよ。気を付けな?」
「はーい」
佳純とは実家が近い幼馴染だ。
私は中学受験で私立に通い始めたから、近所の友達が少ない。
だから佳純は特別だ。
通った塾も、学校も違うのに、ずっとこうして仲良くしてくれた。
この関係は、大学を出て、就職して、大人になっても変わっていない。
「でもさ、付き合おうって言われて、オッケーできたんなら、少しは前に進んでるね」
「うん」
私は元彼、博之のことを引きずっているらしい。
『らしい』というのは、自分ではそう思っていないからだ。
だけど、佳純は間違いなくそうだと言ってくる。
「蓮くんに連絡するの?」
「うーん……寝る前にメッセージ送ってみる」
「それがいいね。一応、付き合ってるんだもんね」
「一応ね」




