第15話
お母さんが作ってくれた酢豚を食べながら、メッセージを送る。
『家に着きました。今日は、ごめんね』
たぶん、蓮くんは私の嘘を見抜いた。
私が蓮くんの家に行くのに気が進まないってバレてた。
そんな風に、私の気持ちを汲んで尊重してくれるなんて優しいと思う。
元カノのことだって、変に嘘とかつかないし、いい人だよね。
ハグとかキスとか私的には、ちょっと早かったけど……
好かれている証拠だ。
私だって未経験じゃないんだし。
何か食べていると、ポジティブ思考になる気がする。
「お母さん、お替わりしていい?」
明日のお弁当分を残して、自分で酢豚を追加した。
『お疲れ。来週の土曜なら家に来られる?』
蓮くんはどうしても家に呼びたいらしい。
今は混乱している私の思考回路も、その頃までには落ち着いているかもしれない。
『大丈夫!』
前向きに行こう。
蓮くんはかっこよくて、あんなすごいお店のトップスタイリストなんだよ?
他にも付き合いたいって思う子だって、いっぱいいるはず。
せっかく私を選んでくれたんだから、贅沢を言わない。
これ以上、時間かけたところで、結果はよくなるの?
のんびりしてたら20代が終わっちゃうかもしれないよ?
蓮くんと先に進む決心を。
来週の土曜日までに……




