第14話
「じゃ、帰ったらメッセージちょうだいね」
蓮くんは手を振りながら行ってしまった。
いろいろ……
頭が追い付かない。
手すりに捕まりながら地下鉄の階段を下りた。
降りきったところで、ベンチに座る。
どうしてあのタイミングでキス?
元カノの家に忘れ物ってなに?
隠し事をしないのはいいこと?
私、もしかして遊ばれてる?
佳純に相談したいけど、昨日、あんま寝てないから疲れてた。
早く帰ろう。
改札にカードをタッチしてエスカレーターを下る。
反対側から上がってくる男性と目が合う。
背広を腕にかけ、パシッとしたシャツにネクタイをしている。
サラサラストレートの短髪に、細い黒縁のメガネ。
どこかで会ったことあったっけ?
思い出せないまますれ違った。
振り返るわけにもいかず、そのまま進む。
蓮くんとは真逆のタイプだったな。
華があって、フレンドリーで、飾らない蓮くん。
イケメンだし、オシャレだし、好きなんだけど……
私のこと、本当に好きなのかな。
いや、好きかも知れないけど、私の好きと同じかな。
いや、私の好きも、これで合ってるのかな?
『話が合って楽しいとか、もっと一緒にいたいとか思うから好きなんだろ?』
横峯くんの言葉が蘇ってきた。
私、蓮くんともっと一緒にいたいって思ってないよね?




