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第13話
2歩進んで、蓮くんの胸に巻きつく。
なんだか良い匂い。
「ごめんな。俺、せっかちだから、戸惑うよな?」
私の頭に顎を乗せたまま蓮くんがしゃべった。
黙って首を横に振る。
私こそ、いい歳して、ビビリでごめんなさい。
恥ずかしくてこんなこと言えない。
「俺、明日はシフト入ってないんだけど、会える?」
火曜日。
仕事が忙しいわけじゃないけど、毎晩、出掛けるのは生活のリズムが狂う。
それに……
また家に誘われたら、もう断り切れない気がして……
Q:蓮くんと関係はどう進めたい?
A:時間をかけたい。
さっきの問いに答えが出た。
「ごめんね、明日は会社の飲み会があって」
「そっか。じゃ、また。おやすみ、穂乃果ちゃん」
「あ、えっと……」
「どうした?」
優しく微笑んで、待っててくれる。
「さっきの……」
「さっき?」
「お店の前にいた女性」
「女性?」
まさか、蓮くんは覚えてないのだろうか。
「ああ、カレンのこと?」
「たぶん」
「何しに来たか気になる?」
「うん」
「はは。疑われてんのか、俺。でも、なんだろ、ちょっと嬉しいかも。別に大したことじゃないよ、あいつんちに忘れた物を持って来てもらっただけ」
「あ……妹さん?」
ほっとした。
「いや、元カノ」
と、同時に、キスされた。




