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第11話
「穂乃果ちゃん、ちょっと待ってて」
待たされた私は負け?
泣きたくなるような気持ちで、2人を見ていた。
キスとかしたらどうしよう……
遠目で見ても、お似合いのカップルだから嫉妬してしまう。
よかった。
グラマーな女は、蓮くんに一度も触れることなく去って行った。
「会いに来てくれたの?」
「うん。連絡もなしに来てごめんね」
「それなんだけどさ、俺……」
頭をポリポリ掻いている。
「スマホ失くしちゃって……」
「え?」
「昨日、帰ったらなくてさ。んで、これから警察に取りに行くところ。誰かが届けてくれたんだって。世の中、優しい人ばっかだよなぁ」
無視されてたんじゃなかった。
「あ、もしかして連絡くれてた?ってか、もしかしなくても、くれてたよな。マジでごめん」
「ううん。事情が分かってよかった」
「心配した?交際初日で破局って思った?」
「えへ……ほんのちょっと……」
「だよな。本当、ごめんな。埋め合わせするよ。とりあえず、警察署行ってからだけどいい?」
「うん。一緒に行く」
蓮くんは、ごく自然な流れで私の手を握った。
少し固くてカサカサした手。
今日もお仕事頑張ったんだろうな。
「ねえ、今日はうちに連れて行っていい?」
「えっと……」
「門限までに返すから」




