ヘルドッグフレンズ
「ふふ、クロト、遂に、観念、した?」
観念したとはちょっと物騒な
「観念したって訳じゃ無いけど、今回はベッドがぐちゃぐちゃにならない様にしてやるよ」
俺が寝ている時にシルエッタがベッドをぐちゃぐちゃにするなら俺が先に寝なければベッドをぐちゃぐちゃにされずに済むのでは?と浅い考えを巡らせる。
「それは、言わないで……」
恥ずかしいのならなんで一緒に寝ようとか言いだすんだろうか?
「クロト、いじわる」
「悪い悪い、ところで俺はどうしたら良い?腕枕でもしたら良いの?」
一緒に寝るって言っても色々な形式があると思うからとりあえず腕枕を提案してみたけど……
「腕枕!?そんな、良い事、良いの!?」
あれ?腕枕ってそんなレベル高かったの?
「えっ?シルエッタの一緒に寝るってどんな感じだったの?」
「一緒の、ベッドで、枕を並べて、一緒に、寝る」
普通に寝るだけだった。俺のバカ!何変な事考えてたんだ。
「ごめん、シルエッタの事、誤解してたわ……」
ただ本当に一緒に寝たかっただけだったのにあの時の気迫で俺は変な事する気なのかと勘違いしていた
「むぅ、ちょっと、心外」
シルエッタはふくれっ面で俺を責める。それに俺は反論など出来ない
「悪かったよ、腕枕はするから許して?」
ベッドに寝転がり、シルエッタを隣に呼ぶ
「許す」
言葉はさっぱりしているが、まるでダイブでもするようにベッドに飛び込んできた
「シルエッタが寝るまでこうしてあげるよ」
邪な気持ちは今は無い。今あるのはシルエッタに悪い事をしたという罪悪感や日頃の感謝の気持ちだ
「ありがと」
シルエッタも少しぎこちないが俺の腕に頭を乗せる。
「ほい、ゆっくり寝ろよー」
腕枕、多分こんな感じで良いんだよな?基本的に人に何かするってじいちゃんと蒼音ちゃん関連以外だとほぼ経験が無いから……あぁ、野良猫同盟の二人もそうか。まぁそのくらいしか交友関係が無いのでそもそも腕枕のやり方が合っているか分からない。
「これ、逆に、寝れない」
どうやら腕枕はお気に召さなかったみたいだ
「嫌だった?」
「嫌じゃ、ない、良すぎて、寝れない」
ん?お気に召さなかった訳じゃ無かったのか
「んー、止めた方が良いのか続けた方が良いのか」
「続けて?」
続けて欲しいそうなので腕枕は続行です
「じゃあこれも追加だ」
左手は腕枕、右手は頭を撫でる。これが俺の出来る最大限だ
「すごい、安心、する」
シルエッタも腕枕だけの時より落ち着いている感じだ。これなら寝れそうかな?
頭を撫でる事十数分、目を閉じ、呼吸も規則的になったシルエッタ。もう眠ったかな?
「シルエッタ?起きてる?」
小声で呼びかけるが返事は無い。どうやら眠ったみたいだ
「起こさない様に……」
シルエッタの頭の下敷きになっている腕をそっと抜き取ろうとする
「んん……んん……」
俺の腕をシルエッタが捕まえて来た。
「やっぱ起きてる?」
確認してみたが起きてはいない。無意識で腕を捕まえられたみたいだ
「しょうがない、このままで俺も寝るかぁ」
シルエッタの腕を振り払って……というのも可哀想なのでこのままにしよう
「んん……私、悪くない……」
ん?何か気になる言葉がシルエッタから聞こえた
「なんで……虐めるの?」
虐められる?シルエッタが?
かなり気になる言葉が聞こえたのでシルエッタを起こすか迷うが、ここはヴァイスに事情を聞いてみよう
(ヴァイス、ヴァイス起きてる?)
(ん?急にどうしたクロト?)
おっ繋がった
(今シルエッタを寝かしつけてるんだけど虐められるとか寝言で言ってるんだ。ヴァイス何か知ってる?)
(その事か……)
どうやらヴァイスは何か知っているな
(シルエッタが魘されてるから落ち着かせる為にも何でもいい、教えてくれ)
そしてヴァイスがシルエッタの事について語り始める
(シルエッタは産まれた時から他の者と外見が少し異なっていたせいで迫害されていたのだ)




