ヘルドッグフレンズ
(迫害って……)
マジか。シルエッタの何処に迫害される要素があるんだ?
(シルエッタの種族はアラクネート。蜘蛛と人が融合した様な種族なのだ)
姿は見た事あるから分かるけど、何処が他と違うのだろうか?
(本来、アラクネートとは8つ目の種族でな……ここまで言えば何処が違うか分かるだろう?)
シルエッタの目は2つ、正体を見せてもらった時も目は2つだった。
(目の数だけで迫害されるのか……結構嫌な話だな)
(我も止めたかったのだが、如何せん我らの世界で他の者と違うというのはそれだけで迫害されてしまうものなのだ)
日本も似たような所も有るけど流石に今の時代に他者と違うだけで迫害されるまでは無いかな……
(そっちの世界も結構嫌な事があるんだね……)
(我はそれを変えたくてシルエッタを仲間にしたのだ)
魔王として、悪しき風習を断ち切る為にあえてって事なのか
(そんな事があったのか、じゃあ今シルエッタはその頃の記憶に魘されているのか)
(きっとな、クロトよシルエッタを頼めるか?今から我もそちらに向かう。あぁでももう少し待ってくれ、今良い所なのだ。クロトならシルエッタも安心して任せられるし、頼むぞ?)
うーん今結構いい話だと思ったんだけど……これはヴァイスは俺を信頼してるからゲーム終わらせてから来るって事か?それはどうなんだ?
とりあえず、ヴァイスが来るまではシルエッタが少しでも安心出来る様に頭を撫でておこう
(任された)
「大丈夫、大丈夫だから。シルエッタは悪くないよ」
頭を撫でながら優しく語り掛ける。聞こえてなくても良い、少しでも気持ちが伝われば良い
「んん……んぅ……」
少し、魘され具合が減ったか?シルエッタがベッドをぐちゃぐちゃにしていたのは魘されていたせいだったのか
「ここにはシルエッタを虐める人は居ないよ」
「私……虐められない?」
寝てるのかどうなのか反応に困るが返事はしないとな
「大丈夫、シルエッタは虐められない。虐めさせない」
聞こえてなくてもその気持ちは本当だ。
「ありがとう……すぅ……すぅ……」
落ち着いたのかシルエッタはゆっくり寝息をたてている。
「大丈夫……大丈夫」
頭を撫でていると、俺も眠くなってきた……
「すぅ、すぅ」
「すぅ……すぅ……」
「クロト、来たぞ……おや?」
ヴァイスは声を小さくしながら玄斗の部屋に入って行ったが、そこには穏やかな表情のシルエッタとその頭に手を当てて寝ている玄斗。仲のいい兄妹の様な二人が眠っていた姿を見た
「これは……我が何かしなくても良さそうだな」
穏やかな二人の表情を見て、ヴァイスは自分の部屋に戻っていく
「クロトに任せて正解だったな。さて、もう少しで武装コンプリートだ!コンプリートしたら我も寝るとしよう」
いつも魔法を使って落ち着かせていたヴァイスは素直に玄斗が魔法無しでシルエッタを落ち着かせた事に驚いていた。
「流石、我の見込んだ男だ。シルエッタをこうも簡単に落ち着かせるとは」
自分の部屋でヴァイスは武装をコンプリートする為、ゲームに戻る
「ここを2分で越えなければ隠しアイテムの部屋の扉が閉じるとは中々に厄介だ。だが、これさえ取ればコンプリート……我は負けんぞー!」
シルエッタについての心配事はクロトによって無くなったのでゲームに真剣に没頭できる。クロトありがとう
ヴァイスが武装コンプリート出来たのは深夜3時を超えた辺り。眠気との戦いがとても大変だった
「これで……これで、寝れる!よく頑張った!我よく頑張った!おやすみ我!」
気合と意地、あと一つ取れば終わるという達成感が目前に迫っていてそこで投げ出せるヴァイスでは無かったので途中で止める事が出来なかった。
『武装コンプリートおめでとうございます。一部武装のバリエーションが解除されました』
「ぬ?武装のバリエーション解除?」
ヴァイスが画面に出た文字を読み、ボタンを押して進めるとそこには解除された武装バリエーション30種と謎のハテナマーク。そこにカーソルを合わせてボタンを押すと……
『解放されたバリエーション武装をすべて使用すると解除されます』
ここに来て更なる隠しアイテムの存在。限界の眠気と達成感による興奮。睡眠を取るか継続するか、ヴァイスの選択は……
「ここまで来たならやってやろうじゃないか!」
ヴァイス徹夜決定の瞬間であった。




