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ヘルドッグフレンズ

「はぁ、なんで風呂に入って疲れてるんだろう俺」

 ベルの願いを叶えるので一緒に風呂に入ったが、もうこんな経験は二度と無いだろう。俺の精神衛生上、大変よろしくない。


「お願い、聞いてくれてありがとうです!」

 ベルから感謝の言葉をもらって悪い気はしないな


「おう、約束だからな!」

 約束は守らないと信頼なんてされないしね。


 俺は体をバスタオルで拭いてから着替えるが、ベルはバスタオルで体を拭いた後に謎光線が体全体に広がり、光が消えるとメイド服を着ていた。


「やっぱそういう感じなのね」

 シルエッタの時も思ったけど単に服を着るんじゃなくて自分で服を作り出せる感じなのかね?


「?……何か気になるです?」


「いや、着替えするのがそんなに早く出来るの便利だねぇって思って」


「僕はこの服しか知らないのでこの服しか出来ないです」

 メイド服だけ……まぁ体が汚れないなら1着だけでも良いのかな?そういえばシルエッタは俺のパーカーを真似した服を作っていた気がしたな


「ベル?この服とか真似出来そう?」

 俺のパジャマの予備をベルに渡す


「これは……真似出来そうです!」

 ベルはメイド服を光らせ、パジャマに着替える。


「おぉ!言えば出来るもんだねぇ」

 これでベルも女装では無くなるし、少しは楽になるだろう


「もしかして僕の為です?」


「あぁ、今はこんなのしか無いけどメイド服よりはマシかなって」

 パジャマだったらケルに変わっても大丈夫だろうし?


「クロトさんは優しいです」


「そうかな?」


「そうです!」

 褒められると気分が良いな。ベルは打算的と言うより心から言っている感じだし。いや、家の居る皆は心から感謝してるか


「明日は服買いに行くからな~?明後日は皆で遊園地に行くのに妙な奴らって言われちゃかなわないから」

 コスプレ集団です!って言うより普通にオシャレした方が怪しまれないし、なにより楽しめるだろう


「良いんです?」


「良いんだよ。皆で楽しみたいだろ?」

 楽しむ事をケチるなとじいちゃんにも言われたなぁと思い出す


「それは……わかったです。従うです」


「よし!じゃあ居間に戻るか」

 二人が待ってるだろうから早く戻ってあげないとな


「はーいです!」

 ベルの返事を聞いて脱衣所の扉を開ける


「ズルい、ズルい、ズルい、ズルい」

 シルエッタが目の前に立っていた。


「すまんクロト、我では止められなかった……」

 ヴァイスも頑張ったらしいがシルエッタのこの気迫はなんだ……


「ど、どうした?シルエッタ?風呂なら今空いたぞ?」

 とりあえず機嫌を損ねない様に……


「クロト、私とは、入らなかった」

 嘘やん……これってもしかして詰んでる?


「えーと、シルエッタさん?ひょっとして、ひょっとしてだけど怒ってる?」


「じーー」

 あぁ、この目は怒ってますね、間違いない


「わかった!交渉しよう!今風呂に入ってのぼせそうだったんだ。風呂は勘弁してください」

 一緒に風呂に入らなかった事を怒ってるのは正直理解出来ないが、怒ってるのであれば怒りを沈めなければ……


「じゃあ、今日は、一緒に、寝よ?」

 え?ベッド散らかしまくりのシルエ……


「じーーーー!」

 ヤバい、絶対今心読まれてる。だって眼力がさっきより強くなってるもん


「分かった!それで手を打つから!その眼力抑えて下さい」


「それで、良い」

 どうして女の子って時たま恐ろしいんだろうね?ヴァイスが止められなかったのも少し分かる気がしてきた


「大変そうなのー!でも楽しそーなの」

 いつの間にかケルに変わってる。もう俺に味方してくれそうなのはヴァイスだけだ……


「クロト、我に出来る事は見守る事だけだ」

 コイツ!見捨てやがった


「じゃあ、そういう、事で」

 どうやら俺に決定権は無いみたいだ。


「はい」

 もうどうにでもなれ。歯を磨いたり、食器を洗ったりして寝る時まで待つしか俺に出来る事は無い。




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