野良猫再び
皆で朝ごはんを済ませ、今日はどうするか話す。
「今日はちょっと炊飯器を買おうと思うけど二人はどうする?」
「炊飯器とはあのコメを自動で炊く便利な物か、見たいな」
「クロト、出かけるなら、ついてく」
二人はついてきてくれるそうなので今日はモールでは無く、家電量販店に行く。
家電はモールより家電量販店で買いたい性分なのだ。
流石に今回は支部の魔法少女達とは会わないだろう。いくら彼女達が夏休みだろうが家電量販店に行く事は無いだろうし。
「じゃあ朝ごはんも食べたし、10時位になったら出かけよう」
今回はモールに向かうバスでは無く、徒歩で家電量販店に向かう。
「店に行くまで2,3時間あるから遊んでても良いよ?」
朝ごはんを食べた後、二人は昨日と同じレースゲームをする様だ。あ、あのコースは……
「ふっふっふ、実は昨日部屋に戻ってから少し特訓したのだ!シルエッタには負けられないからな!」
「このコース、ヴァイス様、私に、絶対、勝てない」
昨日ヴァイスが風呂に入ってる間に超ショートカットを教えたコース。ヴァイスはそれを知らないままあのコースを選んでいた。
〈3、2、1、GO!!〉
スタートダッシュをするヴァイス。逆にゆっくりスタートしたシルエッタ。
これは……舐めプじゃな?
「どうしたシルエッタよ?スタートダッシュは昨日から出来ていたでは無いか」
早速他のNPCより前に出て、1位の順位を取っているヴァイス。
「これで、良い」
現在最下位のシルエッタ。NPCはあの超ショートカットは使わないので確かにこれで良い。
途中で拾えるアイテムボックスには加速系のアイテムか妨害系のアイテムが入っている。順位が低いほど加速系が出やすい仕様となっているので、最下位のシルエッタはほぼ加速系のアイテムが取れるだろう。
「来た」
シルエッタがアイテムボックスに着いた時ボックスからは加速アイテム(しかも複数回使用可能)が出て来た。
通常は輪になったコースを3周するのが一般的なコースだが、このコースは周回では無く、1本のコースをスタートからゴールまで走るスタイルのコースとなっている。
その為、白熱するレースも昨日教えたショートカットを使うと完全独走状態となり、ほぼ負けない。
ヴァイスはコースの通り走り、昨日教えたインをドリフトしながら突くをちゃんと行っていた。
シルエッタはと言うと……
「飛ぶ!」
カーブの部分に真っ直ぐ向かい、加速アイテムを使い、飛ぶ。
「んなぁ!?なんだそのショートカットは!?」
ヴァイスの遥か前に飛び出たシルエッタ。
「クロト直伝、ショートカット」
オンラインでは使えない様に柵が置いてあるが、オフラインだと何故か柵が撤去されているので使えるショートカット。まぁ俺もネットの記事を読んだだけなんだけどね。
「ズルいぞ!さては昨日我が風呂に入っている時に教えてもらったのか?」
正解だぞ
「ゴール」
シルエッタが余裕でゴールする。
「納得いかない!もう一度同じコースでそのショートカット無しでやろう!」
ヴァイスの泣きの一回を頼んできた。
「いいよ、でも負けない」
シルエッタさん余裕綽綽っすね……
そしてもう一度レースしたが……
「いえーい」「何故だ!負けた!」
いやぁあれは可哀想だったなぁ。シルエッタが使う妨害アイテムの使い方がすごい上手かった。ヴァイスがドリフトして貯めた速度を解放しようとした時、後ろから真っ直ぐ進んで当たると転ぶアイテムをシルエッタが投げ、的確に加速を潰していた。
「クロトも、やろう?」
一緒にやりたいが今このゲームに繋がれているコントローラーは2つ。どちらかに交代してもらわないと出来ない。
「良いけど……んーこれは炊飯器だけじゃなく、コントローラーも買った方が良いな」
家にあるゲームは基本一人で遊ぶゲームだけど何人かで遊べるゲームもあるので今後、今の様に3人で遊ぶ事もあるだろうし、コントローラーは買っても良いだろう。
コントローラーが2個あったのはじいちゃんと遊ぶ用に買ってあった物だ。
「よっしゃ、じゃあやろうか」
店が開くまで時間もあるし、二人と遊ぼう。




