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野良猫再び

「クロト、強い」


「はっはっは、そうそう負ける訳にはいかないよ。でもシルエッタは上手かったから、ちょっとだけ本気でやったよ」

 はい、嘘です。かなり本気でやりました。だってシルエッタ普通に走りが良いのに、妨害が上手いんだもん。的確にカーブ終わりの加速タイミングをアイテム使って潰してこようとするんだもん。俺も設置型の妨害アイテム使って、防御しないと負けてただろう。


「二人とも……凄いな」

 ヴァイスは落ち込んでいる様だ。きっと俺達のレースを見て、自分が下手だと思っているのだろう。


「ヴァイス、そう落ち込むなって……あー、シルエッタ?ちょっとゲーム変えても良いかな?」

 ヴァイスを少し励ましてあげるか。


「ん、良いよー」

 シルエッタから許可も出たので、あるゲームを起動する。


「このゲームならヴァイスも得意だろ?」


 そういって起動したゲームは……


【装甲ド・コア】


 ヴァイスお気に入り俺もお気に入りのゲーム装コアだ。


「ふ、ふふ、このゲームを出されたらやるしかあるまい!」

 テンションが元に戻った様で何より


「ちょっとシルエッタは見てる事になるけど良いかな?」


「どんなゲームか、気になる、見てる、」


「ありがとうな」

 シルエッタは見ててくれるとの事なので、ヴァイスと対戦する。


「今日は近接縛りでやろう!」

 コイツ、勝ちに来たな?良いだろう乗ってやろうじゃないか。


「良いぜ、やってやるよ」

 普通に分が悪いけど男には引けない時があるって奴だ。


 俺は基本遠距離兵装で戦うタイプ。ヴァイスは近接で一撃必殺を狙ってくるタイプ。近接戦闘が出来ない訳では無いが、出来るだけとそれに特化してるじゃ全然違う。


「「勝負だ!」」


 お互い一気に距離を詰め、近接兵装の間合いで睨みあう。


 このゲームにおける近接兵装は一撃で敵を倒せる威力を持っているが、射程が極端に短い、誘導しない、攻撃した後に少しだけ隙が出来る、等々まさにロマンが詰まった攻撃方法だ。


 そんな近接兵装のみで戦うならそれは男の真剣勝負と言っても過言では無い。


「そこぉ!」

 ヴァイスの機体に対して攻撃を仕掛けるが……


「この瞬間を待っていたぞ!」

 ブーストを使い、後ろに下がったヴァイスの機体は俺の攻撃を躱した。そして……


「最後の一撃、くれてやるぞ!オラァ!」

 俺の攻撃の後隙にヴァイスが攻撃を入れる。爆発する俺の機体。


 負けた


「やったぞぉ!やはり我にはロボゲーだ!」

 いきいきしてるなぁヴァイス


「くっそぉ!やっぱ近接勝負なんて受けるんじゃなかったかー」

 俺は遠距離戦の方がどちらかと言うと得意なので普通に戦えば俺が勝っていたかもしれない。だが、シルエッタという仲間が加わってレースゲーでボコボコにされたヴァイスをそのままにするのも可哀想だと思ったので、闘うってなら要望を聞いても良いだろうと考えていた。


 その結果俺が負けた。


「うむむ、難しそう」

 シルエッタは俺達の横に座り、画面とコントローラーを見比べたりしていたが、やはり複雑だったか好感触な反応では無いと見て取れる。


「まぁそう見えるよな」

「我も最初はこんな複雑な物遊べるのか?と訝しんでおったが今となってはこの通り」


 ドヤ顔でヴァイスがこっちを見てくる。ちょっとムカッと来た。


「やってみたい?やってみたいなら操作教えるけど?」

 とりあえずシルエッタにコントローラーを差し出す。


「操作、教えて?」

 教えて欲しいとの事なのでヴァイスとゆっくり説明した。




「これで、闘える?」

 教えた事により、シルエッタも少し操作出来る様になった。


「では、我と勝負しようではないか」

 シルエッタに対戦を挑むヴァイス


「お手柔らかに?」

 残念だがこのゲームに柔らかい物なぞ無い。




「すまんな、シルエッタよ」


「むぅ、負けた」


 当然の様にヴァイスが勝利した。シルエッタも後ろに下がりながらライフルを撃つ、引き撃ちなどを行っていたが、ヴァイスは近接特化の高機動型ビルドで、攻撃を躱して一撃で敵を沈めるスタイルだった為、シルエッタのバランス良く組み上げた機体では照準が追いつかない、逃げられないと言った具合で負けてしまった。


「まぁお互い得意なゲームがあるんだ。負けたくらいで思い詰めんなよ?」

 俺はヴァイスに負けて超悔しいが、顔には出さない様に気を付けている。だって顔に出したらヴァイスは絶対ドヤ顔する。


「おっと、もうこんな時間か。よし、出かけるぞー」

 3人でゲームで遊んでいたら結構早く時間が流れていた様だ。壁の時計は既に10時20分になっていた。


「うむ!」「はーい」

 一人は俺の中に、一人は俺の影の中に入って行く。


「では出発!」

 炊飯器を求めて家電量販店へと向かう



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