パーティへ!
ロトさんとの出会いから3日が過ぎた。つまり今日は待ちに待ったパーティの日だ。
ひさしぶりだなぁ、ケーキ作るの。オーブンからスポンジを取り出す。ホワッとした湯気と香ばしい香りが食欲をかき立てる。食べたい。いや、これはロトさん達のためだからダメダメ。
いちごのジャムと生クリームをスポンジではさみ、クリームを塗ってブルーベリーをのせる。うん、美味しそう! 完成したケーキを箱に入れて、急いで家を出発した。招待状に書かれている道のりをもう一度確認する。
~道のり~
☆家を出て4つめの角を曲がらずにその近くにある柱を突き抜ける
☆突き抜けた後、フクロウの嘘に惑わされずに正しい道を見つけてください
☆道が正しければ動物の国にたどり着けます。
これどうやって行けば良いの? 柱を突き抜けるって僕仮にも人間なんだけどなぁ。
問題の柱の前にたどり着く。コンクリートで出来ているレンガ調のそれは、どう見ても突き抜けられそうにない。しばし考えて、ある方法を思いついた。道をゆく小鳥さんに話しかける。
あの、動物の国にいきたいんですが、柱の通り抜け方を知りませんか?
小鳥さんは声がどこから聞こえるのかがわからなかったみたい。ちょっときょろきょろしている。だけど僕の視線に気づき返事を返す。
わぁ、人間さんだ。柱……? ああ、知ってるよー。
教えてもらうことはできますか? 実は少し急いでいるんです。
その瞬間、小鳥さんは少しためらうようにうつむいた どうしたのかな。
教えるのはいいんだけど、僕から聞いたってことはナイショにしてね。
分かりました。約束します。
じゃあ、説明するね。ブローチ持ってる?
これですか?
胸につけているそれを指差しながら尋ねる。
そうだよ。それをね、柱にひっかけて3回くるっと回るんだ。それだけ。
へえ、やってみます!
小鳥さんの言うとおりにやってみた。柱がぐにゃりとゆがむ。すり抜けるというより、吸い込まれそうな感じだ
上手く行ったみたいだね。じゃあ、いってらっしゃい
ありがとう。行ってきまーす。
柱をすり抜けると、そこは森だった。真っ直ぐ進むと三本の木をはさんで道が分かれている。あ、立て看板だえーっと、なになに。
三本の道は「動物の国」、「永久迷路」、「終末の国」のいずれかに通ずる。
注意!
動物の国以外は、人間の入国を認めていない。入国した場合、命を落とすことになる。
つまり、道を間違えたら死んじゃうの? それだけは嫌だよ。慎重に道を選ぼうと考えていると、僕の耳に穏やかな声が聞こえてきた。
やぁ、人間さんどうしたんだい?
フクロウさんみたいだ。道を聞こうとして、招待状に書かれていたことを思い出す。嘘つきって書いてあったっけ?聞いてみようかな。
あなたは誰ですか?
私はフクロウですよ。
やっぱり! 尋ねたいことがあるんですが。
はい、何でしょう?
僕の予想が合ってるなら、きっと正しい道を行けるはずだ。
永久迷路の国に行きたいんですが。
それなら、左の道を通るとたどり着きますよ。
ちなみに、終末の国に行く時はどこを通れば?
そこには、真ん中の道を使うと良いです。
じゃあ、動物の国には右の道ということですね。
フクロウさんが嘘つきだとすれば、動物の国は左か真ん中の道をゆけばたどり着ける。覚悟を決めて一つの道を選ぶ。
僕は、確信を持った道の方へと足を進め始めた。




