7 伯爵邸の過去
ヤンの海中時計とゲン爺から野菜とか花の種を少しいただき箱庭へボチ。もちろんスコップとかも持っている。でもきっと私はすこししか植えられないから少しの種にした。で、やって来ました六回目の箱庭だ。広くなってない。がっかりだ。
気を取り直して種を植える。何か、ここよここに植えて、と訴えかけているような気がしてエッチラ草をむしったり土をほじくりかえしたりしてやっと植えた。大きな木が嬉しそうに揺れている。
「あなた何の木なの。一本枝をいただいていいかしら。あっちの庭に挿し木をしてみたいの。」
返事はない。まあそうよね。
土いじりをしたのでお風呂に入ってボーっとしましょう。時計は朝の7時を指している。夕べは10時にポチっとしたから、かなり気がつくのが早くなった。ボーとしていてもお腹が空いたので帰る。今気がついたんだけど、帰りは意識を失ったことがない。どうしてだろう?
部屋に戻ったらシシーがすぐに顔を見せた。ヤンもそうだが、私が戻ったことがすぐわかるのはなぜだろう。音は出してないはずだが、聞いてみたら、
「そのくらい当然です。」
そうなの?
今日はゲン爺が探検のお買い物。私とヤンとシェリーは書斎の確認。シシーは台所応接間私の部屋の掃除とお洗濯です。ゲン爺が帰って来たらヤンは爺と地下へ降りて行った。。私は書類だ。私も迷路の探検に行ってみたいけど、今はわがままを言う時ではないので、書類を頑張る。
暖炉の隠し金庫から見つかった書類は、かなり古いものもあった。古いものは黒ずんでいて読みづらくなっている。新しいのは紙もしっかりしているからすぐわかった。古い書類も気になるが、今はバランの不正の証拠となるものを探すのが目的だ。なので新しそうなのから目を通している。
その中からお父様やヤンの筆跡ではない書類を見つけた。でもその書類を見てもさっぱりわからない。だって試算表やら試算表やらだ。とにかく年代順にしてお父様とヤンの筆跡でないものに印をつけておく。ヤンとゲン爺はまだ戻ってこない。
なので、ちょっと古い書類を調べたら、この家を建てた人のことや、当時のことなどが書いてあるみたいだ。
この屋敷はバートン伯爵家が建てたものではなく、元々は王家ゆかりの屋敷だったようだ。初代は当時の王女だ。何をしでかしたのか幽閉のために屋敷は立てられ、王女が亡くなると我が家に下賜されたようだ。それが約150年前だ。
読んで行くほどに引き込まれてしまった。その王女の日記もあった。ゆっくり読みたい。ただ古すぎて注意しないとぼろぼろにる。ものすごく読みづらく崩れてしまうので大変だ。
シシーがお茶を用意してくれたので三人で女子会となった。王女の話をシェリーに聞いてみたが知らなかったようだ。お茶をしていたらヤンたちが帰ってきた。何やら思案顔だ。お茶を勧めながら報告を促す。
「屋敷の地下だけでなく敷地いっぱいに通路が広がっていました。通路だけでなく広い部屋もあり、そこには生活感があるものが置かれていてベビーベッドまでありました。まるで、地下すべてが生活の場であったような感じです。何があったのか分かりませんが、ちゃんとシーツがかけられきちんと管理されていた形跡があります。まあ現在はほこりが積もっておりますが、道具部屋の他にも外への通路がありましたが、陥没したのか土砂で行き止まりになっていました。ゲン爺によれば南側の林に続いているようです。」
「この屋敷は、ある王女の幽閉のために作られたようよ。王女の日記らしいものを見つけたわ。全部はまだ見てないけど、ヤンは屋敷が立てられた理由は知っていて。」
「知りません。知っているのは子爵家だった当家が伯爵に昇爵するときに、ここも合わせて下賜ていただいたということだけです。」
「何か複雑な事情がありそうね。でも今はこっちね。」
面白そうですが優先順位はお父様たちの冤罪を晴らすこと。ヤンに書類を見せる。ぱらぱらと見たヤンは、
「これは私でないとわからなそうですね。念入りに調べてみましょう。」
午後は明日の準備だ。ヤンは書類の確認。ゲン爺はロープの買い出しだ。シェリーとシシーはリボン作りだ。リボンはもし地下で迷子になったら困るのでロープにリボンをつけて目印にするのだ。屋敷と同じような間取りだというので大丈夫だとは思っているが、念のためだ。
私は箱庭だ。六回目が変化なしだったので期待する8回目を早くクリアしたい。でも、箱庭がお父様の事件に役にたつかわからない。だから、私も役に立つことがしたいと訴えたのですが、ヤンが、
「お嬢様が力をつけることは大事なことです。箱庭の成長でお嬢様だけでも生きながらえることができるかもしれないのです。」
力説されてしまった。でもそれって、お父様の冤罪が証明されなかったら私だけでも生き延びろってことよね。絶対嫌よ。
それでも、ヤンに懇願されたので、私はせっせと箱庭を行ったり来たりしている。そして待望の8回目にレベル4箱庭8になり、箱庭はちょっと広くなった。さらに意識を失うことがなくなった。さらに、さらに、なんか四角い箱が絵画のように壁に現れた。なんだろうと悩んでいたら、突然屋敷の様子が写り出された。箱庭をポチっとした私の部屋なんだけどね。これでやばい人がいる時には便利になった。実際に帰ってはだめな時は机の上に本を置いておくことになった。
地下通路は私が入れるようにお掃除してくれている。シシーなどは「もう印がなくても迷いません。」
と言っている。私も早く入ってみたい
ヤンの方はなかなか難しいようだ。
「何かおかしいのですが、わかりません。没収された書類があれば分かるのですが。」
でも、おかしいと思うものはバランが婚約者として伯爵家に出入りしてからなのは分かった。やっぱりあいつが一枚噛んでいる。
お姉様はどうなんだろう。
読んでいただいて、ありがとうございます。




