第72話 若の名を消せ
助けた手は、時に縄になる。
相手を引き上げるための縄が、見せ方を誤れば、相手の首に掛かったように見える。
御幣紙三十枚と注連縄二本を津島へ送った翌朝、噂は予想通りの形で戻ってきた。
津島の祭礼支度は、那古野の紙と縄で整えられた。
天王様の御前へ、信長の選んだ御幣が立つ。
津島は那古野へ借りを作った。
若様は、とうとう祭礼の中へ手を入れた。
噂は、感謝の顔をしていなかった。
むしろ、借りを作らされた怒りを煽る形で広がっていた。
橘屋の店先でその声を聞いた宗右衛門は、すぐ那古野へ知らせを走らせた。寺の馬留めでも同じ噂が出た。渡し場では、舟待ちの男が「今年の御幣は那古野紙だそうだ」と笑ったという。
藤吉郎がその報告を持って庭へ来た時、信長はすでに平手と返し文の控えを見ていた。
顔に驚きはない。
「来たな」
その一言だけだった。
平手が控えを閉じる。
「助けたことを、介入に変えてまいりました」
新五も苦い顔をした。
「御幣紙と注連縄は、祭礼方の帳面に合わせて出したものです。それを若様の選んだ紙と縄と言われれば、津島の古い者は面白くありませぬ」
信長は庭の土を見た。
昨日のうちに荷は出た。
与十郎は帳面を持って帰った。
届いたものと足りないものを分ける道は作った。
だが、足りないものを補えば、次は「補われた」という事実が刃になる。
「与十郎は戻ったか」
勝三郎が答える。
「津島へは着いております。小平の戻りでは、荷も無事。ただし、津島の内で古役衆がざわついているとのこと」
「誰が来る」
「祭礼方の古役、九郎左衛門という者が、こちらへ向かっているそうです。与十郎と榎本屋佐平も同道しているとか」
信長は頷いた。
「通せ。怒っていても、水を出せ」
又左が腕を組む。
「若。今度は津島そのものが相手ですか」
「津島そのものではない。津島の中の、面子だ」
信長は短く答えた。
「面子は斬れぬ。斬れば、相手の中へ残る」
龍之介は、その言葉を聞きながら、津島から来る古役の顔を想像した。
祭礼は、荷だけではない。
紙と縄だけでもない。
その土地の者が、自分たちのものだと思って守ってきた時間そのものだ。
そこへ、那古野の若が手を入れたと見えれば、たとえ助けであっても反発が出る。
清洲は、そこを突いた。
正しい場所だった。
昼前、九郎左衛門が来た。
年は六十近い。
背は高くないが、腰が曲がっていない。白髪混じりの髷をきっちり結い、着物も質素だが乱れがない。祭礼方の古役らしく、動きの一つ一つに長年の場数が滲んでいた。
与十郎はその後ろに控えている。
榎本屋佐平も、重い顔で同道していた。
信長は庭先の座敷で迎えた。
広間ではない。
商人と職人もすぐ呼べる、いつもの場だった。
九郎左衛門は座るなり、深く頭を下げた。
「まず、御幣紙と注連縄を急ぎ整えてくだされたこと、祭礼方として礼を申し上げます」
言葉は礼だった。
だが、声は硬い。
信長は礼を急いで受けなかった。
「礼だけではなさそうだな」
九郎左衛門は顔を上げた。
「はい。若様。津島の祭礼は、津島の者が支度いたします。足りぬところを助けていただいたことはありがたい。されど、御幣紙と注連縄が那古野より出たとなれば、津島の内で言う者が出ます。今年の祭礼は、那古野の手で整えられたのか、と」
与十郎が苦しげに顔を伏せた。
佐平も黙っている。
信長は問うた。
「御幣紙は使えぬか」
九郎左衛門は首を振る。
「紙は良いものです。文次殿の見立てに誤りはありませぬ」
「注連縄は」
「仮の場に使うなら、十分です。仁助殿の縄も悪くない」
「では、物ではないな」
「はい」
九郎左衛門は、はっきり言った。
「物ではなく、名です。若様の名が、紙と縄に乗っております」
庭にいた者たちは黙った。
ここまで言われれば、話は分かりやすい。
九郎左衛門は、品の質を責めに来たのではない。
那古野から来たという名を外しに来たのだ。
信長は少し笑った。
「なら、消せ」
九郎左衛門が目を見開く。
「若様」
「わしの名を消せ。紙は文次の紙。縄は仁助の縄。橘屋が仲立ちし、津島祭礼方が買う。それでよい」
九郎左衛門は、しばらく言葉を失った。
佐平が思わず顔を上げる。
与十郎も同じだった。
平手だけは、静かに筆を取っていた。信長がそう言うことを、半ば読んでいた顔である。
信長は続けた。
「わしが選んだのではない。与十郎の帳面で足りぬ物が分かった。文次と仁助が、それぞれ使える物を出した。橘屋が商いとして仲立ちした。津島祭礼方が、代価を払って受けた。それだけだ」
九郎左衛門は、ゆっくり息を吐いた。
「若様は、礼を受けぬと」
「礼など、祭りが終わってからでよい。今は日限の方が重い」
信長は佐平を見た。
「佐平。榎本屋は受け手になれるか」
「なれます。祭礼方の控えと、橘屋の控えを合わせ、代価を榎本屋より立て替えることもできます」
「立て替えでは借りになる。祭礼方の銭として扱え」
九郎左衛門が頷いた。
「それなら、祭礼方で払います。榎本屋は扱いの場に過ぎませぬ」
「よい」
信長は平手へ向いた。
「控えを書き換える。わしの名を抜け。那古野の若様より、という文言があれば消せ。残す名は、紙師文次、縄屋仁助、仲立ち橘屋、受け手津島祭礼方、帳面与十郎。代価を払う者も残せ」
平手が筆を走らせる。
九郎左衛門は、深く頭を下げた。
「そこまでしていただけるとは」
「勘違いするな」
信長の声は少し硬くなった。
「わしの名を消すのは、津島へ遠慮したからだけではない。清洲に、わしの名を使わせぬためだ」
九郎左衛門の目が鋭くなった。
「清洲」
「聞こえているだろう。那古野の紙、那古野の縄、若様の御幣。そういう声が出ている」
九郎左衛門は、否定しなかった。
「出ております」
「なら、その声から餌を奪う。わしの名がなければ、若様の御幣とは言いにくい」
九郎左衛門は、ゆっくり頷いた。
「津島の面子を守ることが、那古野の名を守ることにもなる」
「そうだ」
信長は言った。
「祭礼を守るとは、そういうことだろう」
すぐに、橘屋宗右衛門、紙師文次、縄屋仁助が呼ばれた。
慶順も同席する。
九郎左衛門は、三人に対しても頭を下げた。
「文次殿、仁助殿。紙と縄、助かりました。ただし、津島の内では、那古野より賜ったものではなく、祭礼方が買い受けた品として扱いたい」
文次は、静かに答えた。
「紙は、使うべきところで使われればそれでよろしい。誰の手柄かで紙の腰は変わりませぬ」
仁助も頷いた。
「縄も同じです。張る場に合えばよい。ただし、どこへ張ったかは控えを戻してください。次に同じことがあれば、こちらも見立てを違えずに済みます」
九郎左衛門は、さらに頭を下げた。
「承知しました」
宗右衛門は、代価の話を淡々と進めた。
「御幣紙三十枚、注連縄二本。急ぎ荷のため、通常より手間が掛かっております。ただ、祭礼方の急ぎであり、清洲筋の混乱を避けるための扱いでもございます。高くは取りませぬ」
信長は口を挟まなかった。
ここで若が値に触れれば、また介入になる。
宗右衛門はそれを分かっている。
九郎左衛門もまた、値を値として聞いていた。
借りではない。
施しではない。
買う。
それが、津島の面子を守る。
与十郎が帳面を開き、代価を記した。
紙師文次。
縄屋仁助。
仲立ち橘屋。
受け手津島祭礼方。
支払い、祭礼方。
若の名はない。
信長は、それを見て言った。
「与十郎」
「はい」
「帳面に、わしの名がないな」
「ございません」
「よい。だが、昨日文を受けたことと、足りぬ物を分けたことは残せ」
「それは残します」
「わしの名を消すことと、道を消すことは違う」
与十郎は、少し背筋を伸ばした。
「覚えます」
慶順が静かに言った。
「名を消して、筋を残す。良い扱いにございます」
九郎左衛門は、その言葉を聞いて、深く頷いた。
「確かに。名を残せば角が立つ。筋を消せば、次に迷う」
藤吉郎は、そのやり取りを食い入るように見ていた。
名を消す。
筋を残す。
それは、今までの「名を残す」と反対のようで、同じだった。
残すべき名と、消すべき名がある。
消すことで守れる道もある。
藤吉郎は、少し混乱した顔をしていた。
龍之介は、その顔を見て小さく言った。
「全部残せばいいわけではない」
藤吉郎が振り向く。
「はい」
「手柄の名は消した方がいい時がある。責任の名と、品の道は残す」
藤吉郎は、ゆっくり頷いた。
「手柄の名は消す。道は残す」
龍之介は頷いた。
「そうだ」
信長は、その二人の小声を聞いていたのかもしれない。口元だけ、少し笑った。
控えが整ったところで、九郎左衛門は持ってきた古い控えを出した。
津島の祭礼方で使う、受け取りと支払いの控えである。
そこには、昔からの形で、品名、数量、作り手、受け手、支払い、使い場が書かれる欄があった。
信長は、それを見て目を細めた。
「良い控えだ」
九郎左衛門は、少し誇らしげにした。
「古いだけでございます」
「古いものが、悪いわけではない」
信長の言葉に、九郎左衛門の顔が少し和らいだ。
「その言葉、津島の古い者には効きます」
「なら、持って帰れ」
信長は言った。
「那古野が津島の古いものを壊しに来たのではない。足りぬところを、古い控えに乗せて戻した。それを、津島の者へ見せろ」
九郎左衛門は、深く頭を下げた。
「承知しました」
龍之介は、この一手を重く見た。
清洲は「那古野が祭礼に手を入れた」と言わせようとしている。
信長は逆に、津島の古い控えに品を戻した。
那古野の名を消し、津島の仕組みの中へ入れたのだ。
押し込むのではない。
戻す。
それが、介入ではないことを示す一番強い形だった。
九郎左衛門は、最後に言った。
「若様。ひとつ、正直に申し上げます」
「言え」
「津島の内には、那古野に助けられるくらいなら遅れてもよい、と言う者もおります」
与十郎が顔を伏せる。
佐平も苦い顔になった。
九郎左衛門は続けた。
「ですが、祭礼は面子のためだけにあるのではございません。祈る者、働く者、商う者、見に来る者がいる。遅れてよいとは、私は思いませぬ」
信長は、真っすぐ九郎左衛門を見た。
「なら、間に合わせろ」
「はい」
「そのために必要なら、那古野を使え。ただし、借りにするな。商いにしろ。控えに残せ」
九郎左衛門は、深く頭を下げた。
「肝に銘じます」
この瞬間、津島の古役は、ただ文句を言いに来た者ではなくなった。
祭礼を間に合わせるための相手になった。
それは、清洲にとって面白くない変化だった。
九郎左衛門たちが帰る時、信長は与十郎を呼び止めた。
「与十郎」
「はい」
「今日の控えを、津島へ着いたら誰に見せる」
「祭礼方の喜左殿、九郎左衛門様、榎本屋佐平殿へ」
「伊助は」
佐平の顔が強張った。
古い判形で一文を足した伊助の名である。
与十郎は慎重に答えた。
「榎本屋の内の者ですが、古い控えには強い者です」
「見せろ。ただし、一人で見せるな」
佐平が頭を下げる。
「私が同席します」
九郎左衛門も頷く。
「私も同席いたします」
「よい」
信長は言った。
「古いものを守りたい者ほど、那古野の名に怒る。だが、古い控えに戻したことを見れば、怒りの向きが変わるかもしれぬ」
九郎左衛門は感心したように目を細めた。
「若様は、伊助まで見ておられるのですな」
「一度、判形で揺れた者だ。次も使われる」
信長は短く答えた。
佐平が苦い顔をする。
「確かに、伊助は古い筋に弱い」
「弱いのではない。大事にしている」
信長は言った。
「大事にしているものを、清洲に使わせるな」
佐平は、深く頭を下げた。
「承知しました」
龍之介は、その言葉を聞いていた。
弱いのではない。
大事にしている。
この見方ができるかどうかで、人の扱いは変わる。
清洲は、人の大事にしているものを揺さぶる。
信長は、その大事なものを壊さず、向きを変える。
それは戦場で敵兵の逃げ道を見るのとは違う。
だが、根は同じだった。
人は、何かを守ろうとして動く。
その守るものを見れば、次の動きが読める。
九郎左衛門たちが津島へ戻った後、信長は大殿へ文を送らせた。
平手が口述を待つ。
信長は庭に立ったまま言った。
「津島祭礼方古役九郎左衛門、与十郎、榎本屋佐平来る。御幣紙、注連縄は物としては使えるが、那古野より賜った形になれば、津島の面子を損なうと申し立てあり」
平手の筆が走る。
「那古野の名、若の名を控えより外し、紙師文次、縄屋仁助、仲立ち橘屋、受け手津島祭礼方、支払い祭礼方として扱う。礼ではなく商い、借りではなく代価ありの荷とする」
信長は続けた。
「津島の古い控えに合わせ、品名、数量、作り手、受け手、支払い、使い場を残す。清洲筋が、那古野の助力を祭礼への介入として言い換える恐れあり。これを防ぐため、若の名は消し、筋を残す」
平手が顔を上げた。
「清洲筋、と」
「書け」
信長は言った。
「ここはもう、清洲筋でよい。坂井の名はまだ置かぬが、筋は濃い」
平手は頷いた。
「承知しました」
又左が言った。
「若。手柄も名も消してしまえば、那古野は損ではありませぬか」
信長は又左を見た。
「手柄が欲しければ、祭礼の後でよい」
「祭礼の後に、津島が忘れたら」
「忘れてもよい」
信長は、あっさり言った。
「今は、清洲に使わせぬ方が重い」
又左は、少しだけ目を丸くした。
「若がそう言うとは」
「わしを何だと思っている」
「手柄を見つけたら、真っ先に旗を立てる方かと」
信長は笑った。
「旗を立てる場所くらい選ぶ」
庭に、少し笑いが落ちた。
だが、龍之介はその言葉の奥を見ていた。
信長は、手柄を捨てたのではない。
今、旗を立てれば損をすると読んだ。
だから消した。
名を消して、筋を残す。
それが、今日の勝ちだった。
清洲では、坂井大膳が報告を受けた。
九郎左衛門は那古野へ怒りを持って向かった。
だが、戻ってきた時には、那古野の名を外した商いの控えを持っていた。
御幣紙と注連縄は、津島祭礼方が代価を払って受けた品になった。
若様の紙でも、那古野の縄でもない。
文次の紙。
仁助の縄。
橘屋の仲立ち。
津島祭礼方の支払い。
古い控えに沿った扱い。
大膳は、報告を最後まで聞くと、静かに扇を閉じた。
「名を消したか」
控えの男は頭を下げる。
「はい」
「若いのに、嫌なことをする」
その声には、初めて少しだけ苛立ちが滲んだ。
名を残せば介入にできた。
礼を受ければ借りにできた。
ところが信長は、自分の名を消した。
そのうえで、筋だけ残した。
これでは、那古野が押し込んだとは言いにくい。
大膳は、扇の骨を指で撫でた。
「九郎左衛門は使えぬな」
「津島の古役でございます。影響はあります」
「だからこそ、今は使えぬ。那古野の名を外され、古い控えに戻された。あの手の者は、筋を通されると動きが鈍る」
控えの男は黙っている。
大膳は続けた。
「次は、那古野の内だ」
「内」
「橘屋、文次、仁助。働いた者たちだ。若の名を消され、代価は受けた。だが、清洲との火中に手を入れた手間は残る。商人と職人は、手柄よりも割に合うかを考える」
「そこを」
「揺らせ」
大膳は低く言った。
「若様のために働いても、名は消される。清洲から睨まれる。津島からも感謝は薄い。そう思わせろ」
「那古野の中に不満を」
「そうだ」
大膳は、ゆっくり扇を開いた。
「外の面子で駄目なら、内の損得だ」
清洲の影は、津島の怒りから、那古野の疲れと損得へ手を移そうとしていた。
夜、那古野の庭は、昼の騒ぎが嘘のように静かだった。
藤吉郎は、小さな控えを見つめていた。
そこには、今日の言葉が書かれている。
若の名を消す。
筋を残す。
借りにしない。
商いにする。
藤吉郎は、唇を引き結んだまま考えていた。
「難しい顔をしているな」
龍之介が声をかけると、藤吉郎は顔を上げた。
「分からなくなりました」
「何が」
「今までは、名を残すことが大事だと思っていました。でも今日は、若様の名を消しました」
「そうだな」
「消していい名と、残さないといけない名があるんですね」
「ある」
龍之介は庭石に腰を下ろした。
「誰が作ったか。誰が受けたか。誰が払ったか。これは残す。後で困るからだ」
「はい」
「だが、誰の手柄か。誰が助けたか。これは、今は邪魔になることがある」
藤吉郎は控えを見た。
「手柄の名は、人を怒らせることがある」
「そうだ。特に、相手の面子に触れる時はな」
「飯屋でも、似ています」
藤吉郎は少し考えながら言った。
「誰かの分を助けて炊いても、皆の前で『俺が助けてやった』と言えば、助けられた人は嫌な顔をします」
龍之介は笑った。
「分かりやすい」
「でも、誰が米を出したか、誰が釜を使ったかは残さないと、後で揉めます」
「その通りだ」
藤吉郎は、ようやく少し納得した顔になった。
「手柄は消して、米の出所は残す」
「それだ」
夜風が吹いた。
遠くで寺の鐘が鳴る。
祭礼の日限はもう近い。
龍之介は、清洲の次の手を考えていた。
助けを介入にはできなかった。
津島の古役も、那古野の名を外したことで怒りの向きを変えた。
なら、次は那古野の内だ。
橘屋は手間をかけた。
文次は紙を選んだ。
仁助は縄を用意した。
宗右衛門も、文次も、仁助も、表立った手柄は得ていない。
清洲から睨まれる危険だけは増えた。
そこを突かれれば、不満は出る。
龍之介は拳を開いた。
呂布の武なら、不満を言う者を黙らせるのは簡単だ。
郭嘉の知なら、不満がどこから出るかを読むこともできる。
だが、働いた者が損をしたと感じることまでは、力で消せない。
働いた者に、どう筋を返すか。
次はそこだ。
信長は縁側で、庭を見ていた。
今日、自分の名を消した若は、次に働いた者の名をどう扱うのか。
龍之介は、その横顔を見ながら思った。
戦は、外から内へ移る。
清洲は、那古野の中を割りに来る。




