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4-神官戦

 俺は救出作戦の要であるカイリを、扉越しで聖女に会わせることに成功した。しかし、聖女は懐刀であるカイリの声を忘れていた。


「カイリ? ああ、カイリですね! もちろん、覚えています。忘れるはずないですよ。扉越しだから、声が籠っているのかもしれないですね」


 しっかりしてくれよ、聖女様……。


「時間がありません、手短に話します。五日後に教会が雇った傭兵がこの施設に襲撃をかけ、聖女様を救出します。その時には教会の僧兵も到着するはずです。ワタシは救出作戦をスムーズに遂行させるため、貴女が閉じ込められている部屋の位置を把握しに来ました。どうか聖女様、五日後まで耐えてください」


 五日後?


「カイリ、少し待ってくれ。五日後と言ったか? 俺が手に入れた情報では、三日後に聖女は儀式の生贄にされちまうんだ」

「何だと!? お前、それは本当か!?」

「え、三日後ですか!?」


 声を荒げる二人に対し、俺は努めて冷静な口調で続ける。取り乱されたら話が混乱するからな。


「ああ、三日後だ。三日後に聖女は生贄にされる。だが、これはチャンスだとも思う。儀式の時は、祭儀場に信者たちが集まって施設内が手薄になるはずだからだ」

「確かにそれなら、傭兵たちも襲撃しやすいが……。儀式が行われる時間は、具体的にはいつなんだ?」


 儀式が行われる時間だと? そこまでの情報は持っていない……。いや、待てよ。神官は儀式の時、「設備や時間が完璧なのに、どうして失敗したんだ」みたいなことを言っていた。決まった時間に儀式をするのが重要なんだ。そうなると、適当な時間に儀式をする訳はない。おそらく、前回と同じ時間に……。祭儀場には窓が無く、当時の時間はわからない。だが、俺が地上に出た時は日の傾き具合からして朝か、それを少し過ぎたくらいだった。そこから逆算すると、儀式の開始は明け方前、充分に暗い時間……!


「儀式の開始は、明け方前の充分に暗い時間だ。その時に突入してくれ。……って、それ以前に救出作戦を三日後に前倒しにはできないか?」

「戦力は集結しきっていないが、やるしかないだろう。本当なら僧兵たちが来るのを……。いや、仕方ないか。ユーレイが今言ったこと、しっかりと上に報告するよ。あ、そうそう」


 カイリは懐から紙切れを取り出し、俺に手渡そうとしてきた。


「それは?」

「聖女様救出後の合流地点を描いた地図だ。聖女様を外に逃がすことができたら、ここで落ちあうことになっている。お前も見ておいてくれ」

「……」


 どうしよう、俺は物に触れない。ここで俺が幽霊だと説明して、信じてくれるか? 最悪、信頼を失いかねない。って言うか、彼女らって幽霊ってものを知ってるのか? どうも知らない節がある。さて、どうしたものか……。


「さあユーレイ、地図を受け取ってくれ」

「人が触った物はちょっと……。俺、軽く潔癖症でさあ」

「今そんなことを言っている場合か!?」

「俺はこれからも邪教施設に潜伏して、情報を集めるつもりだ。そんな奴が怪しい地図を持っていたら、それ自体がリスクになる」

「確かに、その通りだな……」


 カイリは考え込む仕草をしつつ、納得してくれた。


「それじゃあワタシが地図を広げて見せるから、場所を覚えてくれ」


 カサ……。


 地図はインクで描かれていた。川や森、山の位置が、空を飛んだ時に見た周囲の地形と一致する。地図には地形に加え、二つの丸印と一つの三角印が描かれていた。


「こっちの丸印が傭兵が潜伏している地点。こっちの丸印が救出時の合流地点だ。覚えたか?」

「ぐむむ……」


 俺は地図を凝視し、記憶に焼き付ける。……よし、焼き付いた!


「カイリ、こっちの三角印は何を表してるんだ?」

「それは村だな。ここから一番近い村だ」


 なるほど。後で空を飛んで、各種地点の様子を確認しておこう。


「それじゃあ頼んだぞ、ユーレイ。そして、聖女様もどうかご無事で」


 最初はアホの子かと思っていたが、なかなか頼もしいじゃないか。カイリは聖女と一言二言言葉を交わし、来た通路を帰っていった。壁にへばりついて歩きながら。


「聖女、俺はカイリを外まで送ってくる」


 危なっかしくて目を離せん……。



 ◆



 それから三日間、聖女は邪神の器としての扱いを受けた。三食きっちり提供され、朝と夕方に信者が掃除とベッドメイキングに部屋を訪れる。しかし何故か服は提供されなかったので、聖女はいつも体にタオルかシーツを巻いていた。脱走の気配も見せず大人しくしている聖女に対し、信者たちの警戒心は緩んでいるように見えた。

 一方で、その三日間の俺は多忙だった。まず不可視の状態で空を飛び、外に出てカイリに見せてもらった地図の記憶と地形を照合した。


「空から見た感じ、傭兵の潜伏地点はあっちか……」


 原っぱの端の森に行くと、確かに傭兵たちが潜伏していた。筋骨隆々な男たちがテントを張り、武器の手入れをしたり炊事をしたり……。ざっと見た感じ、人数は百人かそれ以下か……。カイリの話を聞くに、これから増援が来るらしいが……。


「そう言えばカイリはいるのかな」


 周囲を見回ってみたが、彼女の姿は見付けられなかった。

 次に俺は聖女救出時の合流地点と村の位置を確認した。合流地点は木がまばらに生えた湖のほとりで、特に何があるという訳でもない。村の方は前述した合流地点よりもさらに遠くにあった。鍬を担いだ農民たちが農作業に勤しむ、小さな村だった。というかこの国の文明水準、電気が無い時代のものか……。その代わりに便利な魔術ってのがあるけども。

 各地点の確認後、俺は邪教施設に戻って情報集めに奔走した。少しでも救出作戦を有利に進めるためだ。各部屋を回ったり、信者たちの会話に聞き耳を立てたり。しかし、大した成果は上げられなかった!



 ◆



 儀式当日の深夜、俺は聖女にのみ姿と声を認識できる状態で監禁部屋にいた。聖女は緊張した面持ちでソファに座り、俺はその対面に座っている。


「なんだよ、その恰好」


 聖女は体に幾重にもシーツとタオルを巻き、まるで十二単でも着込んでいるかのような姿になっていた。衆目の前で服を脱がされたことがトラウマになっているんだろう。その反動というか、対策というか……。まあ、前回みたいなことになる前に救助が来ることを祈るか。


「ユーレイさん、今更ですが、貴方って何者なんですか?」


 おおう、本当に今更だな。


「姿を消したり見せたり、宙に浮いたり物を通り抜けられる存在。魔術の実験に失敗して、こんな体になっちまった。今はそう思っててくれ」

「はあ……」


 何とも気の抜けた返事をする聖女。この三日間で俺が調べたところによると、どうもこの世界の人々には幽霊という概念がないらしかった。まあ、それは最初に会った時の聖女の反応から薄々感付いてはいたことだが。ふむ、幽霊を知らないか……。


「これも今更なんですが、どうして初めて会った私のためにここまで……。もしかして、ユーレイさんはエレナ教の敬虔な信徒なんですか?」

「いいや、俺は無宗教だ。……とか言ったら、この国では首を跳ねられるのか?」


 国教がある国で無宗教だと主張したら、罰せられるってこともあるからなあ。


「いいえ、そんなことはないですよ。身体を欠損しない程度の、軽い拷問にかけられるだけです」


 え、こっわ!?


「ユーレイさんは恩人ですので、私は告発したりはしませんが」


 こ、告発!?


「はあ……。それはさておき……」


 改めて考えてみたら、不思議なものだ。生前の俺が今と同じ状況に立ったとしても、聖女を助け出そうとはしなかっただろう。じゃあ、なぜ今は身を粉にして彼女のために動いているのか……。


「死なないから……。いや、生きてないからだろうか」


 今の俺には命がない。もう死んでいるので、これ以上どうこうなることはない。つまり、一切の危険がない状態と言えるだろう。この世界に除霊術とかがない限りは。生前の俺は、自分の命が一番大事だった。当然のことだ。誰だってそうだろう。食事や睡眠、労働や健康維持はある意味、自分の命を守るための行動とも言えるだろう。聖女の救出なんて、命がある内だったら絶対にしなかった。だって、自分の命が危険に晒されることになるからだ。しかし、今の俺には守るべき自分の命がない。だからこそ、代わりに他人を守ってやれる……。


「……ユーレイさん?」

「ん? どうした?」

「あ、いえ。真剣な顔で考え込んでいたので……」


 十二単みたいな恰好の聖女を見据える。その碧色の瞳を真っすぐに見つめる。


「死んでも守る、命に代えても守るなんてこと、俺には言えない。だが、全霊をもってあんたを守る。必ず守る」

「ユーレイさ……」


 どかぁん!!


 突然の爆音と振動。傭兵たちが突入してきたのか!


「俺は外の様子を見てくる! あんたは身を潜めててくれ!」

「は、はい!」


 俺は聖女にしか見えない不可視モードのまま、部屋の外に出た。


「まずは現状把握か」


 邪教施設を飛び回り、状況を見て回る。突入してきた傭兵部隊は二手に分かれ、施設内を制圧しているようだ。一つは信者たちが集まる祭儀場に攻め込んでいるグループ。もう一つは警備の信者と応戦しつつ、聖女の部屋へ突き進んでいるグループだ。前者はいかにも傭兵的な荒くれ者の男たちだったが、後者は統一された鎧を纏う小綺麗な集団だった。傭兵には見えないから、あれが教会の僧兵か。僧兵たちはカイリの報告があってか最短ルートで聖女の部屋へ向かっていき、とうとう辿り着いた。


 バガン!


 集団で体当たりをし、部屋の扉を破壊する僧兵たち。そして一斉に室内に流れ込む。ついでに俺も聖女にのみ視認できる状態で部屋に入る。


「聖女様! 聖女様は居ますか!? ここにいると……!」

「貴方たち、教会の……?」


 聖女がベッドの陰から顔を出した。あの十二単のような重ね着は脱いでいて、一枚のシーツを古代ギリシア風に着こなしていた。流石に十二単スタイルじゃあ動きにくいからな。


 ぶっ!


 聖女の姿を見た僧兵たちが突如、大量の鼻血を噴き出し、膝をついた。どうしたどうした? 魔術か何かの攻撃でも受けたのか?


「せ、聖女様……。その恰好は我々の目には……。脚と胸元を、もう少し隠してください……」


 ああ、そういうことね。僧兵たちは教会に仕える者として禁欲生活でもしていたせいか、今の聖女の恰好は刺激が強すぎたらしい。改めて彼女の恰好を確認する。大胆に開いた背中、胸と胸の間にできた深い谷間、スリットから覗く脚。白いシーツは薄く、少しでも汗をかけば透けてしまいそうだ。とは言え、そこまで感性を刺激するほどだろうか? 性欲を失った今となっては、よくわからない。先日彼女は全身をあまねく人目に晒しているので、俺からしたら今更というか……。


「い、今はそんなことを言っている場合ではありません! 早く私を連れて脱出を……!」

「そこまでだ」


 打ち破られた部屋の入口に、例の恵体の神官が立ち塞がった。こうして見ると、奴は僧兵たちより一回りも二回りも体格がいい。しかし彼はいつもの神職の服装で、鎧はおろか剣さえ持っていない。一方で、今室内に居るのは完全武装した二十人ほどの僧兵と聖女、そして不可視の俺。いくら体格がいいからって、非武装でこれだけの相手と戦うのは不可能だろう。


「聖女様を守れ!」

「「おう!」」


 僧兵たちは剣を構え、神官目がけて一斉に駆けだした。迫る僧兵たちに対し、神官は右手をかざし──。


「死よ、馳せよ」


 僧兵たちは全員、目や耳からさっきの鼻血とは比にならないほどの血を噴き出し、その場に崩れ落ちた。「死よ、馳せよ」だって? おそらく、即死魔術か何かだろう。いや、反則過ぎないか? 死ねって言ったら相手を殺せるようなもんだろ。


 スタスタ……。


 神官は普段歩くのと変わらない歩調で聖女に近付いてくる。床に転がる僧兵たちを踏みしめながら。


「う、うそ……、でしょう……?」


 不味いな、聖女は怯えて動けなくなってる。今の俺の姿は聖女にだけ見えている。神官の背後で浮いている俺と聖女の目が合った。助けを求める、美しい碧色の瞳……。上手くやれるかどうかわからないが、一か八か……。


「おい、クソ神官。まだ終わってねえぞ」


 俺は一人の僧兵の姿を真似、神官の後方に立って姿を現した。すぐには直接的な戦闘にならない、充分に開いた距離を取って。ぎょっとした顔をして振り返る神官。


「何だと……。俺の即死の魔術を受けて立っているとは……。アナクスナクイル……。どういうことだ?」

「さあな。あんたの魔術じゃ、俺の命を削り切れなかったんじゃねえか?」


 不敵な態度、挑発的な発言。よし、もっとこっちに注目しろ! 俺を警戒しろ!


「聖女様、今の内です! お逃げください! 通路に残る戦闘の跡を辿れば、外に出れるはずです!」


 聖女は震える足で立ち上がり、部屋の壁を伝って──神官を大きく迂回して──通路へ出て行った。


「待て!」

「おっと、よそ見をしていいのかい? あんたの目の前に居るのは、あんたのとっておきの魔術でも死ななかった男だぞ?」

「ええい、うるさい! 俺の魔術が偶然当たらなかっただけだ! アゲアッハガンドだ!」


 神官は意味不明な宗教用語を叫びつつ、俺に向けて右手をかざした。


「死よ、馳せよ!」


 一瞬だけドキッとした。人を死なせる魔術──俺には何らかの作用があるのか無いのか。答えは後者だった。


「なぜだ!? 魔術は確実に当たったはず。なのにどうして、貴様は立っていられるんだ!?」

「あんたの魔術よりも、俺の命の方が強かったんだろう。さあ、大人しく……」

「死よ、我が難敵の命を剥奪したまえ!」


 上位の即死の魔術か? やはりそれも、最初から命がない俺には通用しなかった。よし、この調子だ。神官をこの部屋に留め、聖女が逃げる時間を稼ぐんだ!


「ええい、これも駄目か! だが、首をへし折れば流石に死ぬだろう!?」

「うお!?」


 神官が獣のような気迫で掴みかかってきた! 直接触れられるのはマズい! だからって、唐突に姿を消すのは不自然か……。それなら!


 ぼふんっ!


 何かを床に叩きつけるような動作の後、俺は黒い煙幕となり部屋を満たした。ちょうど三日前、女性用の浴場を満たしていた湯気を黒くしたイメージで……。


「くそ、煙幕か! 小癪な真似を!」


 神官は方向感覚だけを頼りに、煙幕を張っていない部屋の外へと出た。そして通路を出口の方へ走り……。くそ、聖女は今、どこまで逃げられた? 次はどんな手で、神官を足止めすればいい? 俺は煙幕から不可視モードの生前の姿となり、宙を飛んで神官を追った。


「次から次へと……! 貴様らはどれだけ、あの忌々しい聖女を……!」


 お、通路の先で神官が傭兵の一団と遭遇している。


「いたぞ、ここにも信者が!」

「立派そうな服を着てるじゃねえか。神官とかか?」

「油断するな。武器は持っていないが、あの体格は……」

「俺ならやれる、俺ならやれる……!」


 神官はここで意外な行動をとった。足元に倒れている武装した信者の亡骸から剣を奪い取り、構えたのだ。即死の魔術を使わない? 魔力が切れたのか、回数制限があるのか……。とにかく、目の前にいる三十人ほどの傭兵たちでも神官の足止めができそうだ。ここは彼らに任せ、俺は聖女を探しに飛んだ。傭兵たちに加勢しようとも思ったが、彼らは命の危険があることを承知でここに居るはずだ。危険に見合う金も受け取っているだろう。だから俺には聖女を優先させてくれ。

 戦闘の跡を辿り、聖女を追う。通路に転がる信者の死体と僧兵の死体……。


「……」


 平和ボケした俺の頭では、何となく救出作戦は無血の内に終わるものだと思っていた。特殊部隊がテロリストのアジトに突入し、一瞬の内に犯人を制圧して人質を救出するみたいに。しかし、これは……。


「……俺は聖女を助けるって決めたんだ。今はそれを第一に考えないと」


 魂にそう言い聞かせた。



 ◆



 曲がり角に身を隠し、通路の先をこっそりと窺っている聖女を見付けた。通路の先では、剣を持った信者が怪我をした仲間の応急処置を行っている。俺は聖女のみに認知できるモードで声をかける。


「聖女、ここにいたのか」

「あ、ユーレイさん。無事でしたか? あの神官は……?」

「どうにか足止めできた。この先の通路は通れそうにないな。少し戻って、別の通路から外に出るぞ」


 邪教施設を探索している内に、この辺の通路の構造はだいたい頭に入っていた。他者には見えない俺が先行して通路の安全を確認し、聖女を導く。途中で信者の集団と遭遇しそうになった時は信者の恰好で姿を現した俺が、「おい、あちらで神官様が戦っている! 加勢しに行くぞ!」と言って聖女を避けるように誘導した。そうしてどうにかこうにか、聖女を外に出すことに成功。外はまだ夜で、満月が原っぱを照らしていた。しかし月の傾き具合からして、夜明けは近いだろう。闇に紛れて事を進めれればいいが……。


「外ですね……。ああ、やっと……」

「安心するのはまだだ。これからカイリが示した地点に向かう。そこで落ち合う手はずになっているんだ」


 追手を警戒しつつ、合流地点へ馳せる。そう言えば、カイリは今どこにいるんだろう。



 ◆



 月明りが照らす原っぱを、聖女は一心不乱に走り続けていた。


「こっちだ、早く!」

「はい……。はあ、はあ……」


 宙を飛んで周囲を警戒しつつ、聖女を合流地点まで導く。聖女は暗い足元のせいで何回も転びそうになりながら、俺についてきた。合流地点までは距離があり、聖女はもうかなりの時間走り続けている。全身は汗びっしょりで、彼女が纏っている白くて薄いシーツは汗を吸って肌に張り付き、その下の色を透けさせていた。


「はあ、はあ……!」


 更に走っていると、本来は服ではないただの布ははだけ、躰を隠す役割をほとんど放棄した。具体的には……。なんて、描写する必要もないか。ただ、聖女の身体的特徴ゆえ、縦横無尽に弾んで非常に走りづらそうにしてる。それを固定するか支える何かがあればいいのだが……。


「はあ、はあ……、はあ、はあ……」


 できれば日が昇って明るくなる前に、合流地点に到着したい。だから今は休んでいる暇も、衣服を着直している時間もない。頑張ってくれ、聖女。合流地点まで辿り着ければ、俺たちの勝ちだ。

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