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第一章(8)

「は?」

聖が呆気にとられている。でも、こちらは冗談なんかじゃない。本気だ。

「一緒に、住みたいの。」

「なんでまた。」

「えっと……聖は強いの?」

「えーと……まあかなり強い部類には入ると思うが。」

「それじゃあきっと大丈夫だよね……びっくり、しないでね。」

そう言って、私は意識を集中させる。ソレを体内から呼び起こす。体から何かが放たれる感覚。ソレは今まで抑え込まれていた反動か、いつもよりも多く解き放たれる。突風が(標的)を襲う。

「っ!」

聖は必死でガードし、何事かつぶやく。すると風は収まった。予想通り、聖は強い。

「大丈夫?」

「ああ……なんだ、あれ。」

「何かはよく分からないの。生まれつきこの力が備わってたことは分かるんだけど……」

「どういう時にああなる。」

「私が理性を無くした時。感情が理性を超えた時。私が呼び起こした時。」

「魔術暴走か……」

何やらよく分からないことを聖はつぶやいた。

「この力のせいで、お父さんは私を嫌うの。恐れるの。お兄さんやお母さんは可愛がってくれるけど、やっぱり家にいないの。妹の看病に必死なの。妹は病気と闘ってるの。だから私、一人なの。」

誰もが恐れるこの力。でも決してこの力を憎みはしない。これは神様が私にくれた、大切なものだから。

「だから、友達も少なくするの。だって力が暴走したら、みんな傷つくから。」

そのための敬語。誰とも距離を置く。家族にさえも。

「私はいいの。傷ついたって大丈夫。自分のことだもん。でも、他の人はだめ。」

私は聖に抱きしめられた。

「……聖?同情はいらないよ?」

「同情じゃない……同情じゃないよ、亜璃笥。」

「ねえ、もう一度言うわ。私と一緒に住んで、聖。」

私の孤独を癒せるのはきっとあなただけだから。私のせいで傷つかないあなただけだから……



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