第一章(3)
「で、手伝いって何をすればいいんですか?」
「とりあえずさ、ここんとこ“食糧”なかったからな……うん、多分お前なら……」
“食糧”……お米や小麦のことではないだろう……じゃあなんだ?
「暴れるなよ?」
「はあ……ていうか本当に何するつも……っ!」
彼は私の首筋を噛んだ。それは、痛くなく、むしろ気持ちいい……どういうこと?いま私、何されてるの?ああ……考えなくちゃ……でも……この快楽に負けてしまう。こんな野郎なんかに負けるのは絶対に嫌なのに……嫌なのに……
「ん……んあぅ……」
嫌なのに声を出してしまう。こんな声おかしい。私じゃない。こんな甘ったるい声、夕霧亜璃笥の声じゃない。
「はぁ……美味いな。もうちょっと我慢してろよ……声ならいくら出してもかまわないから。」
出しませんよと言う前にまた噛まれる。すると先ほどの快楽が襲ってくる。もう立ってられない。この男に抱かれてなかったら床にへたり込んでしまうところだ。などと考えている余裕はもはやなく、ただただ流されるだけ。途中からは自分が何をしてるのかも、どんな声を出しているのかも、どうやって呼吸しているのかさえも忘れてしまった。
「おい。終わったぞ。大丈夫か?」
「んん……はぁぅ。」
「立てるか?」
私はふるふると首を横に振る。
「じゃあ座れ。ほら、椅子。」
私の後ろにはいつの間にか置いてあった椅子があった。とりあえず座る。少し時間がたつとゆっくり今までのことを思い出し……体も頭も正常に戻って……
「顔真っ赤だけど。」
「言わないで……恥ずかしい……」
「そーかい。でも、さっきのお前のほうがよっぽどだから。」
「あぅう……それも言っちゃや。」
「可愛かったよ。夕霧さん。」
「だめぇえええぇえ!!!」
なんでそこで外面だすの!恥ずかしさがこみ上げてくる。駄目だ。もう私、生きていけない。
「まあ、仕方のないことなんだけどな。吸血鬼に血吸われて正常でいられる一般人なんていない。」
「吸血鬼?」
「ああ。俺は吸血鬼だよ。可愛い子兎、夕霧亜璃笥さん。」
更新が遅くなって申し訳ございません……<(_ _)>




