底辺のおっさんは、守護者を作るようです
残りのフィギュア改造開始します
下井が合流して4日程過ぎたが、この下井凛花と言うメスゴブリンの肉体を持つ女はアホだ、アホだがスキルは確かにあった。
どれだけ下井がアホかと言うと。
この世界の住人は所有スキルによって職業が決まる。
スキルを発動する事で最適化された活動が出来る。
スキル未使用時で15分程の時間がかかる作業がスキルを発動する事で10分程で作業を完了させられる程の差がある。
習得していないスキルも作業習熟する事で覚えるらしいので、スキルとは前世で言う所の免許や資格に近いのかもしれない。
で、下井がアホな訳と言うとスキルを発動しないのだ、あのアホは。
スキルそのものに不慣れと言う事を差し引いてもアホだ。
何か作業をしようとする度に左手に殴られて中断するのだから、端から見るとアホかヤバい人だ。
因みにトイ曰く「『ホワイトゴブリンマイスター』フルオプション、ランク7ユニークです。
生産系スキルを高レベルで習得しております。
単体のランクは3ですが各種のオプション装備により、ランクが上昇しております」との事で、下井がスキルの所有は判明している。
「下井さんさ、スキルを使うのゲームとかみたいにしてみたら? 身近な所で例えると覚え易かったわよ、あたしの場合はダンスだったけど」
二ノ宮さんは自爆して倒れた下井に手を貸しながら呆れ顔でアドバイスをしていた。
「ほーん、にーじゃ無くてうーちゃんはそうやって覚えたんだ、ウチもやってみよ、ありがとね。
うーちゃん達も見回り気を付けてねー」
二ノ宮さんを『にーちゃん』と呼びそうになるが『うーちゃん』と訂正してから下井は、見回りに出る二ノ宮さんに礼を言い手を振り見送った。
下井は以前、二ノ宮さんを略称で『にーちゃん』と呼んで異能を発動した二ノ宮さんに、アイアンクローで吊られた事があり『みっちゃん』や『のっちゃん』『やっちゃん』と呼んだりしたが、今は二ノ宮卯実の卯実からの『うーちゃん』で落ち着いたのだが『にーちゃん』と呼びそうに成る事が多々あった。
まぁトイを『とーちゃん』と呼び、カドゥを筆頭にゴブリン達から詰められてた事に比べればアイアンクローは優しい方だ。
ひたすら自分の左手に殴られるよりはマシだな、二ノ宮さんにアイアンクローで吊られるのは。
俺、トイ、シゴ、シン、シロリ、ヨウ、朝丘、下井の居残り組は外回り組を見送った後、下井の道具を借りて作業を再開する。
トイは使用済みの食器の洗浄をしているはず。
シゴとシロリの2人は洞窟警備の為に入口付近にいるはず。
シンは洞窟の外で便所の穴掘りを開始しているはず。
4人は俺から離れているので実際に作業中かは分からない。
俺は木箱作りを担当しているが、釘が無い為に木と木を噛み合わせる溝堀りに悪戦苦闘している。
ヨウは魔女らしく、妖しいげな薬を作っている。
朝丘はホルダーから作成方法を聞き出した燻製肉や干し肉等をを作り、完成品を木箱に納めている。
下井はブーツを作っている、靴底が木製で黒い革のブーツだ。
人間の俺達と『古代ゴブリン』達は自前の服と靴があるが、シブ達『ホワイトゴブリン』には無く、服はワゴン品から着て貰っているが靴は無い。
この『へのへのもへじ洞窟』に来たての頃に俺が木製のサンダルモドキを作ってみたが、滑り易くて壊れ易いので『へのへのもへじ洞窟』の内でしか今は使っていない。
俺達人間が履く靴もそろそろ限界だ、蹴りを主体に戦う竹井君のスニーカーが最も酷く、今は俺のスニーカーが履けたのでそれを使ってもらっている。
二ノ宮さんの通学用のローファーも縫い目が解れて穴が空いている部分を接着剤で無理矢理補修しているのが現状だった。
下井の内のシリンがジェスチャーで伝えてくれた事によると、スキル発動する事で1足3日から4日程で作れるらしいが、材料が足りるかは微妙の様だ。
因みにシリンが主張して左手が動く度に下井は「静まれウチの左腕!」と中二臭い事を言って必死に右手で抑えるその姿は、本人には悪いが中々に笑える。
収納用の木箱作りに飽きた俺はこの場にいる女性陣に一声かけてから残りのフィギュアを加工する為に自分用の作業場に行く。
残りのフィギュアは白山羊、黒山羊、デカイ鶏、インプの4つだがインプ以外は家畜系のフィギュア。
雌雄が分からん、特に鶏は元のサイズが分からんから鶏冠での判別が出来ないのでパーツ化だ。
インプはまず塗装を落として、プラスチック粘土で武装パーツを付けようか?
2頭の山羊だが、恐らく雌雄で怪物だ。
ランク1なのでシブ達が遅れを取る事は無いだろうが、万が一を考えると加工は必須だな。
今回のコンセプトは不在時の洞窟守護だが、ただのインプだと弱そうだな、羽根を鶏のに付け変えるか。
ん、悪魔と山羊······頭が山羊の悪魔っていたよな。
山羊と悪魔ってバレバレですね




