第75話 本戦出場者
第4グループの結果が表示された。
1位 アルベルト 13ポイント
2位 リシア・フェルド 10ポイント
3位 ヴィクトル・レインズ 10ポイント
4位 クレア・ローデン 7ポイント
「13」
ミアが言った。
「何です?」
「私22」
「まだ比べるんですか」
「9違う」
「分かりましたって」
隣でルークが笑っている。
「でも結構倒したね、アル」
「途中で5人に囲まれたので」
「普通はそこで減るんだけどね」
「俺もそう思います」
本当に疲れた。
ヴィクトルたちとの連戦まであったし、最後はリシア。
座ったらしばらく立ちたくない。
セレナが結果を見る。
「リシアとヴィクトル、同じ10ポイントなのね」
「生存順位の差ですね」
リシアは俺に倒されて2位。
ヴィクトルはその前に俺が倒しているから3位。
撃破数だけなら、ヴィクトルの方が多い。
その理由も。
観覧席ではかなり話題になっていた。
「でもあれ、いいの?」
近くから声が聞こえた。
「仲間だっただろ」
「最後、自分で2人落としたよな」
やっぱり。
ヴィクトルの裏切りを見ていた人は多いらしい。
一緒に戦って。
ポイントまで稼いで。
最後には自分で落とした。
気分のいいやり方ではない。
でも。
壇上にいた教師が口を開いた。
「改めて言っておく」
周囲が静かになる。
「予選での共闘は禁止していない。そして、途中で共闘を解消することも禁止していない」
少しざわつく。
「当然、共闘していた相手を攻撃することもルール違反ではない」
教師はヴィクトルを見る。
「ただし」
一度言葉を切る。
「その行動によって何を失うかまで、学院は保証しない」
ヴィクトルの近く。
さっき一緒に戦っていた2人は。
もういなかった。
先に席へ戻ったんだろう。
「信用を失うのも本人の選択だ」
教師はそれだけ言った。
確かに。
ルール違反ではない。
でも。
次に同じ予選があったとして。
ヴィクトルと一緒に戦いたいと思う人は。
かなり減る気がする。
「アルは逆だったね」
ルークが言った。
「何がです?」
「ヴィクトルは人を使ってたけど」
少し笑う。
「アルは森全部使ってた」
「森全部は使ってないですよ」
「使ってた」
セレナが言う。
ミアも頷いた。
「地面ずっと動かしてた」
「土属性なので」
俺が答えると。
3人とも微妙な顔をした。
「何ですか?」
「いや」
ルークが笑う。
「便利な言葉だなと思って」
そんなことを言われても。
本当に土属性だから土を使っただけなんだけど。
少しして。
残りの本戦進出者も一覧で表示された。
第1グループ
1位 ミア・ハーヴェル
2位 ディーン・クロフォード
3位 ノア・ベルク
4位 エリオット・グレイン
第2グループ
1位 セレナ・エルフォード
2位 レオナード・ハルヴェイン
3位 アデル・ローレン
4位 マルク・フェスター
第3グループ
1位 ルーク・ヴァレンベルク
2位 カイル・ベルナー
3位 オスカー・リード
4位 フィアナ・アーヴェル
第4グループ
1位 アルベルト
2位 リシア・フェルド
3位 ヴィクトル・レインズ
4位 クレア・ローデン
合計16人。
この16人が。
本戦へ進む。
「ディーンも残ったね」
ミアが言う。
「最後までミアと戦ってましたからね」
ディーンを見る。
向こうも一覧を見ていた。
E級。
俺と同じ。
でも。
剣を持てばかなり強い。
その近く。
レオもいる。
第2グループ2位。
セレナには負けたけど。
ちゃんと本戦まで残った。
以前なら。
E級の俺が本戦に残ったことを気にしそうだけど。
今はこっちを見ても何も言わない。
少しだけ目が合って。
すぐに逸れた。
「本戦って今日?」
ミアが聞いた。
「そこからですか?」
「食堂」
「まだもらえませんよ」
「分かってる」
絶対そこしか考えてない。
教師が前へ出る。
「以上で予選は終了だ。本戦進出者はこのあと十分に休息を取ること」
休めるらしい。
助かった。
「本戦は16人による一対一のトーナメント形式で行う」
空中に大きな枠が現れる。
16人分。
まだ名前は入っていない。
「対戦の組み合わせは抽選で決定する」
一気に周囲が騒がしくなった。
誰と当たるのか。
当然。
気になる。
俺も一覧を見る。
ミア。
ルーク。
セレナ。
リシア。
ディーン。
レオ。
できれば。
最初から知っている相手とは当たりたくない。
「アル」
ルークが隣から顔を出した。
「僕と当たったらよろしくね」
「嫌ですよ」
「即答?」
「できれば後の方がいいです」
「僕も」
「じゃあ言わないでください」
ルークが笑う。
セレナもこちらを見る。
「私もアルとは後がいいわ」
「ですよね」
「ミアも」
セレナが言う。
ミアが少し考える。
「誰でもいい」
「強い」
ルークが笑った。
でも。
すぐにミアが付け足した。
「ルークは最後」
「何で?」
「半年」
「食堂?」
「うん」
優勝が1年間。
準優勝が半年。
ミアの中では。
ルークは食堂半年分の相手らしい。
「では、本戦進出者は前へ」
教師の声が響く。
16人が立ち上がった。
俺も前へ出る。
中央には。
抽選用らしい箱が置かれていた。
ここから。
本戦が始まる。




