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タイトル未定2026/09/24 18:26

「どうだった杉」


「あぁ読み通り沼津に兵が集まってたよ、千は越えてると思う」


 孝江は杉を東海道を西に進ませ増援の有無を探らせていた吉原宿迄ゆき出くわさなければ東海道への増援はなく孝江の見立て違いとなるのだが東海道軍は沼津に集結しつつあるとの報せをうけ孝江は夜鷹のできる策を練った、孝江は大久保に箱根関所にて新政府軍が現れた時点で火蓋を切らせ夜鷹は甲府同様別動隊として好きにさせて貰うと告げ早速行動を開始した。


「孝江殿、武具と玉薬が参着致しましたぞ」


 御殿場村にて咲を待ち受けていた重信が咲達を引き連れ芦の海南西の関所を見下ろせる崎に現れた、重信は御殿場村にて村入口に立ち一行を待ち受けていたが待てど暮らせど現れたのは大八車を曳く盗賊風の佇まいの者達だけ、これは道中にて何ぞ変事でもあったに違いあるまいと思案に暮れていると村の反対から咲が血相を変えて駆けてくるではないか重信は拙者の所違い誠に申し訳ないと詫びたが咲は昼夜兼行が祟り荷台にて寝過ごしてしまいましたとひたすら詫びを入れていたと重信は宗盛に笑って告げた、しかし宗盛は咲に寄って行くと労いの言葉どころか厳しく叱りつけていた咲は童の如く小さくなると意気消沈、だがこの陣にて宗盛よりも怪訝な面持ちをしていたのは孝江であった積荷を吟味するに文と違(たが)える事なく積まれてはいたが面倒はその荷を運んできた者であった聞くと道中で襲撃してきた山賊紛いの者達と言われた、孝江はしばらく思案すると宗盛を呼び面を引き締め言った。


「あの者達をもてなしては如何ですか」


 宗盛は全てを悟り無言で頷くと重信と佐治を呼び耳打ちをするとそれを実行させた。


「各々方、道中さぞお疲れでござろう。粗末な物しか御座らんが、ささっどうぞこちらへ」


 佐治が大八車の周りにいた者達へ告げると主領は忝ないと仲間を連れ先導する重信に着いて林の中へ入って行った、それを見た咲は遺恨はあれど礼を述べるべきであろうと林の中に入ろうとするではないか孝江は慌ててそれを止めようとしたが宗盛は孝江の腕を掴み首を振った。



「箱根は冷えるなぁ近藤さん」


「あぁ、春というのにな、それより夜鷹はいいのか」


「泰夫は忙しそうだし俺は足手纏いだよ」


「そうかぁ、でっどう心得る斎藤」


「内実は百姓そのものだ、が、しかし間合に入っても五分」


「⋯お主をもってしてもか」


「あぁでも心配は要らんと思うよ欲も得もない、善しも悪しも百姓だよ連中は」


「そうかぁ、だが、だがなぁ、あの女子(おなご)だけは危ういな」


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