タイトル未定2026/09/23 03:41
「凄いなこれは、昼間の様だ」
「斎藤様、くれぐれも篝火など見ないで下さい目が暫く見えなくなります」
「わかった」
泰夫と斎藤は叢の中を泳ぐ様に関所を目指した、当然、関所へに近付くにつれ番は増えその足並みは自ずと遅れていった。
「もどかしいな泰夫、一気に攻め込めば不意を突かれ怯むのではないか」
「何名いると思ってるのですか、こちらは二人ですよ」
「それはそうだが、まぁしかし切羽詰まれば俺はゆくぞ性に合わん」
「お好きになさって下さい助けには行きませんからそのおつもりで」
斎藤は泰夫の頭を軽く叩いた、しかし虫の声もなく静まり返った湖畔に兜を叩くその音が予想以上に響くと番をしていた兵がそれに気付き泰夫達に近付いてきた、誰かを呼ぶ気配はなかったがその足は確実に泰夫達に向き龕灯の灯りが周りの叢を照らしていた、泰夫は静かに姿勢を低くとると腰袋の短筒を取り出した、すると突然、叢が揺れたかと思うと斎藤が飛び出し兵の喉元をひと突き、兵は声をあげる暇もなく絶命、斎藤は崩れる兵を支え怪しまれぬ様龕灯をそれとなく振った。
「おい泰夫、こいつを頼む」
「どうするんですか」
「とりあえずこれを持って番をしてる風に動いてろ」
「斎藤様は」
「こいつの軍服借りて俺が爆薬の敷設をやってくるお前は何かあったら鉄砲で援護してくれ」
「斎藤様が行かれるのですか⋯」
心許なさはあるものの泰夫は斎藤に爆薬敷設のやり方を指南して豆腐一丁程の爆薬を五つ渡し敷設場所は先ず人が集いし処、次に火薬のある場所が分かればと告げ斎藤を送り出すと泰夫は辺りで関所を望む死角がない場所を探した。




