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タイトル未定2026/09/22 16:01

「何だと、娘っもう一度申してみろ」


 大久保は孝江の上申に声を荒げた、新政府軍大将を捕らえながら無抵抗に逃すとは許し難い行為であると大久保は孝江でなく宗盛を睨んだ宗盛は当然であろうと頭を垂れていたがしかし孝江はあっけらかんと言って退けた。


「大久保様、雑魚の上申と大将の上申、貴方様なら何方がまことありげに聞ゆるでしょうか」


「⋯しかし質にでもしておけば何なりと使い様があったであろう」


「大久保様の御言葉とも思えませんが」


 孝江は三郎太を見ながらにやけて言うと続けて


「この地が攻められる事はないと存じます、ここ甲府は幕府領として元に戻ったそれだけの事でございます殿」


 孝江は俯き加減に宗盛を見ると舌をぺろっと出した。


「しかし事の経緯を鑑みるに何らかの処遇は免れぬぞ」


「でしたら幕府領のこの地で戦いもせず新政府軍に恭順の態度をとった城代でも処分なさればよろしいでしょう」


「成程な、確かに今頃慌てふためいておるのは城代であろう、確か⋯沼津藩⋯だったか、よし城代に腹でも召させりゃ幕府も納得してくれるだろう」


「それと大久保様、とりあえず城主におなりになるのは構いませんが兵は一度江戸に戻した方が良いかと存じます」


「何故じゃ、ここの守備にあたらせておいたが良かろう」


「いえ、先程も申し上げた通りこの地が攻められる事は御座いません、それにこれは私めの感で御座いますが敵方が一軍で甲府を抜け江戸を目指していたとは到底思えません、そもそも江戸を落とす軍勢には程遠い」


「別の軍が江戸を」


「そう考えるのが必然かと、斎藤様も同じお考えの様でうちの者を引き連れ斥候に出られました、数日後には戻られるとは思いますが、先ずは兵だけでも戻されればその後の展開が早よう御座います」


「わかった、本陣に残る永倉に兵を連れ江戸に戻れと遣いを出してくれ」


「して大久保様は」


「⋯斎藤が戻るまで城主はだめか」


 孝江は大きく肩を落とすと言った。


「ほんとっ、うちの父さんそっくりだこの人」


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