↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
37/107

タイトル未定2026/09/18 02:40

 乾は地蔵の様に押し黙り口を開かず広間には沈黙だけが漂っていた、別の者であれば『それが古からのことわりだ』で済むのであろうが乾は違う、乾家に生を受けた者にその言葉は禁忌『国の為互いに手を取り』と言いたいところではあるがこの戦は内戦、同朋を討つ戦いである戦国時代であれば国は小さかったが徳川の世は二百六十年を掛けこの国をひとつにしていたのだ、そしてようやく固く閉ざされた口がゆっくり開いた。


「確かにな、確かに其方の言う通りだ民に天皇だ徳川だ日々の生活に全くもって関係ない⋯だがな⋯」


「いえ、お間違いなさらないで下さい関係ないとは申しましたが必要はないとは申しておりません、民に好き放題させておけばそれこそ国は滅びますそれに結局のところこれは好機と天下取りを目指す者が現れたちまち戦国の世に戻りますでしょう」


「ならば⋯ならばこの戦に⋯」


 孝江は乾の言葉を遮り言った。


「人は唯一言葉を話しそれを理解出来る生き物で御座います、なぜそれを放棄して獣の如く争うのでしょうか」


「評議は散々尽くした、それでもなお⋯なおである」


「ならばその方達だけ離小島で戦えばよろしいでしょう、それでどちらが勝とうと民には『はい、そうで御座いますか』そんなもので御座います、民が血を流す道理など一切御座いません」


 乾は再び地蔵とかした、静まり返る広間に外の喧騒だけが響くと孝江、宗盛、三郎太、そして杉の耳栓にあの声がした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。