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タイトル未定2026/08/20 17:37

 大久保剛は鳥羽伏見の敗北から江戸へ戻ると徳川慶喜へ進言、大久保は勝海舟より甲府城への出兵を命じられた、彼自身が局長を勤める"︎︎︎︎新撰組"︎︎を引き連れ混成軍二百名と共に甲府鎮撫の為江戸を出立するこれが『甲陽鎮撫隊』である。


 甲陽鎮撫隊は甲州街道を一路甲府のある西を目指していた、宗盛達は三月三日小原宿にて合流したが泰夫達は隠密性を保つ為宿から離れた山中にて野営、大久保に面会したのは宗盛と孝江の2名だった大久保は最初こそ兵に女子(おなご)がいると驚いていたが桃の節句に女子とは縁起が良いと喜び兵達は孝江の珍妙な装束も合わせ冷やかな目で見ていた、そして宗盛は数は多くはないが山中に特別な鍛錬を積んだ兵を伏兵させておりこの宿場を警戒していると伝えた、当然、新政府軍の斥候も考えられると大久保は大いに感心し是非逢うてみたいと申されたが宗盛は戦いが始まれば自ずと出逢えますしお目に掛けると今後の大久保の考えが瓦解しかねないと断りをいれた大久保は至極残念そうであったがそこまで出し惜しむ根源が何であるのか膨れ上がる探究心を抑えられぬ者、内藤隼人が廊下で腕を組み黙って聞いていた。


「おい歳、何処へ行く」


「厠だ、飲みすぎた」


 内藤はスッと立上り退出して行った、大久保は理解していた内藤がこのままおれる訳がない廊下で聞き耳を立てていたのは承知していた自ずと夜半には自分の耳にも入るだろうと、しかしその内藤が顔面蒼白で戻ってくる事を大久保は知る由もなかった、内藤の髪は乱れ着流しははだけそしてその顔から着流しにかけ赤や黄色に染まり腰の刀は何処で落としたのか空の鞘だけが下がっていた、多分、大久保も内藤も孝江など宗盛の妾程度しか考えていなかったがこの話に興味を持たない者などいる訳がないと鍛錬用に使用した絵具弾で近寄る者を語れぬくらいに恐怖に陥れろと指示を出していたのは紛れもなく孝江なのであった、しかし内藤と言えば知らぬ者がいない白兵戦の手練であった、その者を追返すなど至難の業と思われたが洞穴に贈られる賜物はその手練をいとも簡単に赤子の如く遇らったのだ、青色吐息の内藤から聞いた話に大久保は驚愕するしかなかった伏兵の数はおろかその姿も見えなかったと。


「奴らは忍か?」


「知らん、知りたくもない!奴らが物の怪の類でないなら戦(いくさ)は確実に姿をかえるぞ」


 翌朝、山中にて野営していた面々は宗盛から相手したのがあの土方歳三と聞いてその内藤より顔を青くしていたが微かに微笑みを湛えていたのは言うまでもなかった。


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