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タイトル未定2026/08/20 17:37

 二日後、早馬にて開戦の知らせがもたらされる、参戦に懐疑的だった藩は出立の準備が遅れ準備に追われていたが幕府より追って指図を遣わす旨が伝えられると戦が終えたと思える程に藩内は安息に満ちていたが宗盛と手練れの侍が三名、泰夫達と合流して鍛錬に励んでいた、急遽、刀を鉄砲に持ち替え最初こそ戸惑っていた面々であったが飲み込みも早く数日で未だ安定性に欠ける庄之助に追いついてみせていた。


「庄之助殿、こちらの⋯錦眼鏡の様な物は?」


「佐治殿、おやめ下さい私共は百姓で御座いますよ庄之助で構いません、なんなら『おい百姓』で全然構いません」


「いやしかし、師に対して『おい百姓』は些か⋯」


 宗盛と共に鍛錬を積む佐治は困った顔で辺りを見回すと同じく吾平と三郎太につく忠太郎と重信も同じ表情で佐治を見返していると宗盛がこの隊は横一列、敬称など無用と告げた、この言葉に佐治達侍組は安堵したが庄之助達百姓組はやはり困り顔であった、そして宗盛はこうも告げた鍛錬は後一週その後戦地へと赴くと、そして孝江は宗盛へ追加人員の要請を嘆願した泰夫が狙撃時無防備になるのでその護衛を頼むと宗盛は快諾し他の者からは具申なく皆、鍛錬へ戻って行った。


 それから一週間、孝江は続き洞穴へやってくる弾薬等を宗盛の屋敷へ移送し火器の整備も怠れない、隊の戦術面も宗盛だけには任せておけないと出立迄孝江は寝ずの作業に追われ目は落込み頬は痩けていたがその表情は笑みに満ちており不気味で正直近寄り難い存在になっていた。


「泰夫、行くのか」


「あぁ、しばらく帰れないけど」


「孝江さんの言う事ちゃんと聞くんだよ、あの子はきっとお前を守ってくれるから」


「何言ってんだ母さん、俺が孝江を守るんだよ」


 翌朝、寒風吹き荒む中見送られる者、一人旅立つ者、それぞれ見慣れぬ背負子を背負い村を旅立ってゆく先ずは宗盛の屋敷へ向かいその先は屋敷にて告げられる事となるのだが屋敷へ集まった面々の中に孝江の姿はなく村を出た五人は緊張の所為か完全にその存在を忘れていた、孝江の父は娘の一大事と馬を出し村へ向かうと不眠不休で疲れ果てた孝江は父が到着しても寝床で熟睡しており父は娘を背負うと屋敷へ急ぎ戻って行った。


「父ちゃん又、姉ちゃん連れてったよ」


「何か大事やらかしてなければ良いけどねぇ⋯」


 結局、孝江は馬の背に揺られ屋敷へ到着すると目を覚ましここは何処だと狼狽えていた、宗盛はその姿に豪気だと笑っていたが父は人生で一番肝を冷やし土下座で謝罪していた、孝江は父の姿に首を傾げながら既に到着していた五人の横へ並んだ、そこへ甲冑姿の四人も並びどうにも締まらない出立であったが宗盛は襟元を正し行先を告げた。


「我々は甲府へ向かう甲陽鎮撫隊へ合流する事に相成った」


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