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タイトル未定2026/08/14 23:28

 三度目の賜物を受け取る日がやって来た、祠へ到着した孝江は榊などを交換すると手を合わせ裏へ廻った、既に三度取り外された板に刻まれた釘穴は優に釘の径を越えており童の力でも簡単に取り外せる程に緩んでいた孝江は全ての賜物を受け取った際には泰夫に言って厳重に再造して貰おうと誓い中へ入った、いつもの如く二間程行った壁際に賜物があった上には布だろうか布にしてはちょっと硬く張りがるとりあえずそれを捲ると今回は鉄砲では無かった、かと言ってそれが何かは判らないのだが直感で鉄砲の類ではないだろうと孝江は堆く積まれた賜物の中からひとつ取り上げた、軽い、目方にして一斤程度か非常に軽いのだが何かは判らない空洞の球を半分に割ったような、孝江はそれを裏返すと鍋を想像した戦の道具から厨の道具、施し主が変わったのかはたまた受取り主が違うのか孝江の頭を悩ましていた、しかしよく見ると鍋にしては所々に穴が空いているのだ鍋として役には立たないではないかと更に謎が深まる、孝江は賜物の山からこれが何であるか書かれた文を探したが何処にも見つからない孝江はとりあえずそれを横に置き先に進んだ、その出来損ないの鍋は合計十個あり孝江はそれら全てを横にやりその下にある物を手に取った、それは直感的に半纏ではないかと孝江は思った色は黒く形は半纏の袖を取り除いた形、衿(えり)は立ち肩口には肩衣が付いている、孝江が持ってみると先程とは反対に目方が尋常でなかった四貫はあるのではないだろうか孝江はとりあえずそれが半纏であるならばと潜る様に着てみるとやはり半纏であろう具合が良かった、すると突然孝江に何かが降りて来た先程の鍋を手に取り裏返すと被ってみた、すると如何だ半纏と同じく具合が良いのだ鍋からは紐が落ちてくると自然に顎に掛けていた。


「成程、兜と鎧って訳ね、しかしこの鎧はどうにかならないの⋯」


 孝江は愚痴を溢していたが武者鎧は五貫半と更に重いのだが知る術はなくブツブツ呟きながら鎧を脱いだ、しかし反面兜の方は蓑笠と変わらぬ目方で軽く孝江は被ったまま作業に戻った、賜物の品々は兜と同じく鎧が十領あり孝江をそれを捌くと下からは一段と大きな箱が出て来た、箱の前面には金具が二つ、これはもしやと既に見慣れた金具に指を掛け弾きそれを外す、カチャッと音を立て蓋に手を掛け中を覗くと金の筍を期待していたが中には黒い塊が並んでいたその中の一つを取り出すとそれは孝江の小さな掌には少々余るが握り手部分は見覚えがあった、その下部には大きさは違えど見慣れた細工、同じ手順で突起を押してみるとやはり弾を入れるであろう金物が落ちてきた。


「こんな大きさの鉄砲もあるんだ」


 男の手ならしっかり収まるであろう大きさの鉄砲、これが鉄砲と言う確証に至るにはと孝江は箱の周りを見渡す深緑色の箱の代わりにその下から小箱が大量に出てきた箱には米利堅言葉が書かれ孝江の口角が持ち上がる絵も描かれていた、持ち上げてみると箱に見合わない目方、孝江は確信をもって箱を開けてみるとやはり弾が並んでいた、早速先程の金物を手に取ると弾を込めてみる、適材適所と弾は容易に九つ金物に呑み込まれ孝江はそのままあるべき元の位置へ滑り込ますとカチッと心地の良い音を立た、鉄砲は九発分の重みを増し右手にそれが伝わる、構えてみると片手では重みで手が震え狙いが定まらない孝江は銃の下部へ左手を添えてみた震えは止まったが如何にも収まりが悪い、暴発を防ぐ摘みを確認して孝江は左手を色んな位置へ添えてみる上部、後部、前部に手を添えた時はこれでは左手がなくなると吹き出してしまった最終的に左手は銃の握りを持つ右手を包み込む様に添えると孝江は納得して静かに頷いた。


 孝江はその鉄砲を元の箱に戻すと隅に文が一枚、この鉄砲を説くものであり読んでみるとこの鉄砲は主に咫尺で使う物とある、遠長しだと動く的では5間も怪しいと記されていた、成程遠長しは前回の鉄砲の方があつらえ向きで、この鉄砲はあくまで助く役回りの様だが孝江は考えた、屋内や鬱蒼と草木茂る中ではこの鉄砲の方が良いのではなかろうかと、それに文には先端へ金物を取付ける事で火薬の爆ぜる(はぜる)音が打ち消せるとある、前回の鉄砲にもそんな金物があるとあったがこれを使う事で隠密行動が可能になるではないか弓も音は出ないが弓には練度の積み上げが必要で且つ人を狙うなど手練の成せる技、百姓には無理であろう孝江は早速その金物を探した、絵によればそれは細い茶筒と言う感じで箱の中には未だ気になる物はあったがそれはさておきその茶筒を探した、しかし目当ての茶筒はなかなか見つからない次回以降に届けられるのだろうと探す手を休め残りの賜物を続き精査した。


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