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ガチ恋っ!!ってことで  作者: ゆ


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72/169

72. ヴィルノアという人⑦

 二度目の奇跡が起きた。


 シアが僕を好きだと言ってくれた。

 これって奇跡と言わずして何と言えばいいんだ。

 まさかシアがそんなことを言ってくれるとは思わなくて、シアの言葉が理解できるまでに時間がかかってしまった。何度も聞き返してしまった。

 最初に好きっていわれて、えっ聞き間違い?僕の願望が幻聴を生み出した?って思って、二度目の時には、これって夢?白日夢?って思った。三度目に聞いて、やっと幻聴でも夢でもなくシアの口から出た言葉で現実だって理解した。

 ずっとずっと恋焦がれていたシアの心が手に入る時が来るなんて・・・奇跡だよね。

 もちろん一つ目の奇跡はシアが婚約者になったことだ。だからシアの心が僕になくとも、結婚できることは確定した。きっちり外堀が埋まったのだから、あとは時間がかかってもシアの気持ちを僕に向くように頑張るだけだよね。シアはやっぱりシアだから、僕を好きになってくれるまでかなりの時間がかかるだろうと思っていた。

 でも今日、シアは僕が好きって言ってくれた。

 予想以上に早かった。

 想像以上に嬉しかった。

 そう涙が出るくらいに。いつ以来だろう、涙なんて。自然と溢れてきた涙に、自分でも驚いた。僕は元来感情の浮き沈みが少ない。表情にも出ない。幼い頃体が弱くてベットに縛られていた過去が、全てに諦めていた過去がそうさせていた。でもシアに出会ってから、シアだけは、シアへの想いだけは諦められず、捨てることができなかった。捨ててしまえば、全て丸く収まっただろうけど、シアの笑顔を見ると捨てるのは無理だと思わされた。例え想いを伝えることはできなくとも構わない。シアの笑顔を守るためならそれでいいと思っていた。シアは笑っている方がいい。それが、婚約できただけでも捨てられなかった想いが報われたと思ったのに、更にそのシアが僕を好きなシアになったんだ。嬉し過ぎる、奇跡過ぎる・・・!!


 シアからの告白の後、エリック兄上がこっそり教えてくれたことがある。

 シアが僕に告白してきた子にやきもちを焼いたと言う。シアがヤキモチ!?って聞いた時、かなり驚いたけど、それと同時にものすごく嬉しかった。あのシアがやきもちを焼いてくれたなんて・・・幸せだ。あの面倒な呼び出しも一方的な告白もたまには役に立つものだ。それにやきもちに気付いたことがきっかけで、僕を好きなんだって自覚したんだと言う。しかも兄上と婚約していた時から自覚はなくとも僕を好きでいてくれたと言う。嬉しい。嬉しい。嬉し過ぎる。


 この幸せが現実のものだと実感したかったからキスしていい?って聞いたら、案の定断られた。まぁ、分かっていたことだよね。シアだしね。

 早速シルビアに教科書をシアに貸すようにお願いした。あの本はイラストも多いから、シアでもしっかり分かるよね。いくらシアが鈍くても、あのイラストから何やっているか分かるよね。

 ただ一つ不安があった。嫌悪感を抱かれたら、ノアとは嫌って言われたら・・・へこむよね。立ち直れないかも・・・。でも興味を持ってくれたら・・・シアが興味を持つか?妙に純粋で、妙に恋愛に憧れているシアがあの本にある男女間のスキンシップを受け入れることができるのか?謎だ。でも少なくとも、婚前のキスで子供はできないって分かるよね。愛情表現の一つがキスだって、さすがに分かるよね。

 シルビアの教科書を読んだシアは分かり易く僕を意識していた。これって、僕との男女間のスキンシップを想像したってことだよね。シアは動揺しているけど、そんなことでさえ嬉しい。男として見てもらえてるんだ。脱弟だね。


 シアが好きで、シアをずっと見てきたけど、まだまだ分からないことの多い女の子だ。でもどんなシアでも好きだし、受け入れる自信はあるんだ。


 シアは明日も明後日も好きだと言ってくれた。嬉し過ぎるこの言葉は、僕にとって殺し文句だ。でも、ちょっと欲張って、今日よりも明日、明日よりも明後日・・・と、もっと好きって思ってもらえるように頑張っていこう。僕がそうであるように、毎日、毎日、好きを更新できるように頑張っていこう。毎日、僕の想いを言葉にして行動にして伝えていくんだ。他の子なんて目に入らないって、シアが分かるまで、ずっと、ずっとシアしか見ていないって伝えていこう。


 シアはなぜか自分が年上であることを気にしている。最初から年上で、それは変わることはない。世の中年上の奥さんを持っている男性はたくさんいるのに、何を気にしているんだろう?それもたった二歳差だ。まぁ、十代の二歳差は大きいのは分かる。だってシアはどんどん大人に近づいていって、どんどんきれいに魅力的になっていく。そんなシアを僕はいつでも懸命に追いかけているんだ。僕はいつも追いつこうと必死で焦ってもがいているんだ。そろそろシアも気付いてくれないかな。

 僕を好きって言ってくれたシア。

 僕に触れたいって思ってくれるぐらい僕を好きになって欲しいな。どんどん欲張りになっていくよね。

 僕はどっぷりシアという沼にはまっているんだ。シアも僕という沼にはまればいいんだ。

 僕の世界はシアを中心に回っているんだ。

 ああ、明日が早く来ないかな。

 会いたいな、シア。



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