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ガチ恋っ!!ってことで  作者:


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46. 最適解⑦ 姫を救います

 フェリシアが屋敷に帰ると、すぐにジルベールに応接室に呼ばれた。

 ジルベールとテオドールはソファーに向かい合って座っていた。フェリシアはジルベールの隣に腰かけた。


「さて、我が姫君を悩ましているのは何かな?」

 ジルベールは優しく話しかけた。

 テオドールも同じくフェリシアに優しく微笑みかけた。

「私たちに話せるかい?」

 フェリシアは小さく頷いた。昨晩からグルグルと考え、出口が一向に見つからないままでフェリシアは疲れ切っていた。フェリシアは優しい兄達に何もかも吐き出してしまいたかった。

「私邪魔者なの。いない方がみんな幸せになると思うの。」

 フェリシアはぽつりぽつりと話し始めた。まとまらないことを言語化するのが難しく滑らかに話すことができないフェリシアをテオドールもジルベールも辛抱強く待ってくれていた。

「いなくなれば解決なのかなって思うの。」

「どうしてそう思うのかな?」

 テオドールは首を傾げた。

 どこから話すべきかグルグル思考をめぐらした為、フェリシアは押し黙った。兄二人は静かにフェリシアの言葉を待った。


「実は・・・。」

 フェリシアはここ最近の出来事について話し始めた。エリックに好きな人ができたこと、それを公認の浮気としたこと、エリザベスの秘めた思いを話してもらったこと、二人とも自身の想いを相手に伝える気がないこと、フェリシアに二人とも気を使ってくれていること、クララに借りた本が自分たちの関係に似ていてその本の中の主人公たちの恋の障害となる邪魔者が今の自分に重なって見えたこと、自分がいなくなればエリックもエリザベスも幸せになるのではと思ったことなどなど。フェリシアは話しながら涙が込み上げてくるのを止められなかった。

 ジルベールはふんわり優しくフェリシアを抱きしめた。

「話してくれてありがとう。」

 テオドールはフェリシアの隣に座り直しフェリシアの頭を撫でた。

「事情はよく分かったよ。いくつか確認したいのだけどその前にフェリシアがいなくなっても何も解決しないって分かって欲しいな。」

 テオドールは優しくフェリシアの頭を撫で続けた。

「君がいなくなったら、ただただエリックも王女も悲しむだろうね。ともすると自責の念にさいなまれるかな。それよりもなにより、私たちが悲しい。」

「・・・ごめんなさい。」

「うん、分かってくれるね。良かった。では次にいくつか確認したいのだけどいいかな?」

「はい。」


「一つ目。本当にエリックは王女に恋をしているのかい?」

 フェリシアは静かに頷いた。

「エリックが言ったの。気が付くと目で追っているって。恋だと自覚したって。」

「そうか。それでは二つ目。王女は本当にエリックに恋しているのかい?」

 フェリシアはサイド頷き答えた。

「うん。学園祭辺りから気になっていて、今では恋心を抱いているって。私がいるから気持ちを消し去るまで時間をくれって。」

「分かった。それでは最後にフェリシアはエリックのことをどう思っているんだい?」

「エリックは婚約者だけど大事な友達。婚約者だからいつかは結婚することになるんだろうけど、気心も知れてるし結婚してもいいかなって思っているの。でも恋心は抱いたことないよ。だって、エリックがエリザベスを好きって聞いても、エリックの恋を応援したいって思っても、嫉妬っていうのはなかったの。私と婚約してるのにぃっとか、みたいなのはなんにも思わなかったの。」

「そうだね。二人はいつも仲良しだよね。」

「うん、お互い大事な友達だって思っているよ。」

「そうか。分かった。正直に話してくれてありがとう。」


 テオドールはジルベールと視線を合わせ、頷いた。

「彼を巻き込んでみるっていうのはどうかな?ジル。」

「彼ね。やっぱり彼を引き込むのが近道だよね、テオ。」

「ひと月で何とかならないかな?」

「ちょっと厳しくないか?ことが事だけに、ね。」

「うーん、でも長引くと私たちのかわいい姫君が苦しむんじゃないかな。それに私にはかわいい弟たちのこともあるしね。」

「そうだな。この機会に一気に憂いを解決したいところだな。」

「うん、好機と見た。」

「俺もそう思う。」


 二人がフェリシアには分からない会話をしていた時、フェリシアはジルベールの腕の中でうつらうつらと舟を漕ぎ始めていた。昨晩は出口の見えない考え事のおかげでよく眠れなかった。また頼れる兄二人に何もかもぶちまけたことで少しだけすっきりとしていた。それと一番の原因はジルベールの体温が温かく心地よかったことで、気が付けばフェリシアは眠ってしまっていた。


 すっきりと目が覚め、当たりを見渡すと見慣れた自分の部屋のベットの上に居ることにフェリシアは驚いた。フェリシアは全てを話し終えた後、寝落ちしてしまい、兄上が運んでくれたのかなと思いいたった。

 フェリシアは起き上がるとサイドテーブルの上に手紙と紙袋が置いてあることに気が付いた。手紙はテオドールからのものだった。


ーーおはよう、フェリシア。よく眠れたかい?

ーー姫の憂いは私たちが何とかするから少しだけ時間を頂戴。

ーー私たちは存外役に立つよ。

ーー私たちを信じて待っていて。

ーーとてもかわいらしい飴を見つけたから食べてね。

ーーテオドール


 紙袋の中にはクマの顔型の琥珀色の飴が入っていた。

「かわいい。・・・テオ兄様ありがとう。」

 フェリシアは一つ口に放り込んだ。優しい蜂蜜の味がした。



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