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ガチ恋っ!!ってことで  作者:


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43/61

43. 最適解④ 女子会

 早速エリザベスと話をしようと、フェリシアは自宅の庭のバラが最盛期でとても美しいので休みの日に見に来ないかとエリザベスを誘った。エリザベスは喜んでと嬉しそうに笑って返事をした。


 様々な品種の赤いバラが植えられたスカイ家のタウンハウスの庭園にはその庭園が良く見える位置に東屋が建てられていた。その東屋には今日のフェリシアとエリザベスのお茶会の為に、サンドウィッチなどの軽食と共にクッキーやケーキといったお菓子もたくさん並べられていた。この日の為に料理長が腕を振るってくれたので、見た目も女の子好みの美しさだ。その中にはフェリシアの作った素朴な味のクッキーもあった。


「素敵ですわ。このバラの量。圧巻ですわねぇ。」

 エリザベスは頬に手を当て、ほぅっと大きく息を吐いた。

「でしょう。自慢の庭なの。それに今日はエリザベスと二人っきりだからお菓子もたくさん用意してもらったの。食べ放題よ!さぁ、座ってちょうだい。」

 エリザベスは着席すると、テーブルに並べられた料理の数々に目を輝かせた。

「まぁ、どれも美味しそうですわ。」

「これ、私が作ったの。見た目は料理長作には負けるけど、味はまあまあよ。個人的には負けてはいないと思うの。」

 フェリシアは自作クッキーを勧めた。エリザベスは一つクッキーを摘まんで口にした。

「美味しい。学園祭の時のとも夏休みの旅行の時のとも違うのですね。ジンジャーが入っているのね。」

「そうなの。ちょっと大人な味でしょう?」

 フェリシアはぱちんとウインクをした。

「ふふっ、大人ですわ。わざわざ作ってくれたのですね。とっても嬉しいわ。」

 エリザベスは美しい微笑みを浮かべた。


「学園祭の時も思ったのですけれど、フェリシアは料理上手ですね。」

「好きなんだぁ、おかし作るの。だから時々料理長に教わって作っているんだ。」

「いいですわね。わたくしも国にいた頃、自分で作りたいって言ったことがありますの。けれど周りの者たちがけがをしたらどうするんだと言って調理場にすら行かせてくれませんでしたの。」

「うーん、確かに王女様がけがをしたら料理人の方の首が飛ぶよね。」

「首が飛ぶって大袈裟ですわ。けれどもわたくしも自分が不器用だって分かっているだけに強く言えなくって結局料理はできませんでしたわ。フェリシアはお菓子作りが上手で羨ましいですわ。わたくしなんて玉子割るのも、大変でしたもの。」

「ははっ、割れてたじゃない。練習してたって、エリックから聞いたよ。」

 エリザベスはみるみる頬を赤くした。そして頬を両手で押さえた。

「恥ずかしいですわ!エリックには一人で練習しているところを見られてしまって。それだけじゃなく、玉子の割方も教わりましたの。」

「できるように何度も挑戦していて、エリザベスはすごい頑張り屋だってたって褒めていたよ。」

「まぁ、エリックが・・・。」

 エリザベスは頬に手を当てたまま嬉しそうに微笑んだ。


「恋する乙女の顔になっているよ。」


 フェリシアはからかうようにニヤッと笑って言った。


 エリザベスははっと表情を引き締め、フェリシアを見た。

 フェリシアはニヤッとした顔を引き締め、エリザベスと視線を交わした。

 しばらくの間二人は静かに見つめ合った。

 エリザベスはふぅっと小さく息を吐き、真っ直ぐとフェリシアを見た。

「フェリシアには申し訳ないと思っていますの。・・・いつから気付いてましたの?」

 フェリシアは人差し指を立てて言った。

「ふふっ、私は鈍くはないのよ。気付くときは気付いちゃうんだなぁ。」

 フェリシアは胸を張り、どや顔で言った。

「多分学園祭が終わったころからかな?時々エリザベスが辛そうな顔し始めたから。」

 エリザベスは眉を下げ、視線をテーブルの上に落として言った。

「まぁ、辛そうな顔していましたか?まだまだわたくしも未熟ですね。その通りです。わたくしが自分の気持ちに気付いたのは、学園祭が終わってからでしたの。でも彼に魅かれたのはもっと前だったのかと思いますわ。」

 エリザベスは両手で顔を覆い俯いた。

「ごめんなさい、フェリシア。誰にも言うつもりはありませんでしたの。こんな気持ち、フェリシアにもエリックにも迷惑でしかありませんでしょう。だから、早くこの気持ちを捨ててしまおうと思っていたのです。でもどうやったら捨てられるのか分からなくって・・・。」

 エリザベスの肩はフルフルと震えていた。

「本当にごめんなさい。面白くないですよね。他の女が婚約者に想いを寄せているなんて。何度も何度もこの気持ちを捨てようとしましたのに、まだできずにいますの。もう少し時間をくださいませ。必ずや、この想いを断ち切って見せますわ!」

 エリザベスは一気に言葉を発すると、冷めてしまった紅茶をグイっと飲み干した。

 初めて見る王女らしからぬ所作に、フェリシアは最初ぽかんとしてしまった。フェリシアも紅茶を少し口に含むと、いつも以上に苦みを感じた。

「苦っ・・・エリザベス、落ち着いて。」

 エリザベスはきっとフェリシアを見て言った。

「決してフェリシアの迷惑にはなりませんわ!」



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