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ガチ恋っ!!ってことで  作者:


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39. 考えすぎるとハゲます

投稿の順番を間違えました。

初めての投稿で順番の入れ替え方が分かりません。

ですのでタイトルにつけられている番号順が正しい順番です。

 お昼休み、フェリシアとシルビアは教員控室での用事を済ませ、裏庭を突っ切り食堂に向かっていた。教室棟と教員控室は別棟で、間に裏庭がある。食堂は教室棟の一階にあるので裏庭を通ることになる。

二人は楽しくおしゃべりをしながら歩いていた。フェリシア達は少し先の教室棟の壁に寄りかかって立っていたバルトに気付いた。バルトも二人に気付き、軽く走ってきて会釈をした。

「こんにちは、フェリシア様、シルビア様。」

 ニコニコと人好きのする笑顔で挨拶するバルトは子犬のようだ。

「こんにちは。私達食堂に行くんだけど一緒に行く?」

「ええっと、行きたいのですがどうでしょう?」

 バルトは眉を寄せ裏庭の奥に目を向けた。

 視線の先にはサラサラの長い黒髪を風になびかせ、大きな瞳をキラキラさせた少女が立っていた。その少女の前には腕を組んだヴィルノアが無表情な顔で立っていた。

「あぁ、呼び出し、かな?」

「はい、呼び出し、です。」

 少女は手を胸の前で握り合わせ、頬を赤らめて何かをヴィルノアに向かって言っている。


「かわいい子だね。」

 フェリシアは目を細めて、ぼそっと呟いた。

「そうだな。気になるのか?」

 シルビアは無表情なまま言った。

「あの子は一年生かな?」

「僕らと同じクラスの子ですよ。」

「へぇ、お似合いだね。」

「気になりますか?」

 バルトもシルビアと同じ質問をした。

「・・・分からない。気になる気もするし、そうでない気もするし・・・。なんかモヤっとして、る、かな。なんだろう、もやっ、うーん、分からない、すっきりと言葉にできない。」

 フェリシアは目をつむり腕を組んだ。

「分からないってフェリシア様でもあるんですね。いつもスパってご自身の意見を言うような印象でした。」

 バルトは意外そうにフェリシアを見た。

 フェリシアも首を傾げた。

「そうだよね。あれっ、これなんだろう?」

「まぁ、考え過ぎるな。」

 シルビアはポンとフェリシアの頭を叩いた。

「今は考えすぎると後悔すると思うぞ。」

「後悔?」

「あぁ、なぁバルト。」

 シルビアはバルトに目配せをした。勘のいいバルトは、はっとして言葉をつなげた。

「そうですね、考えすぎるとハゲると言いますし。」

「えっ、ハゲるの⁉」

「フェリシアなら、つるつる頭も似合いそうだな。」

「そうですね、お似合いですね。つるつるもいいですね。」

 二人の視線が自身の頭に集中したことにビクッとしたフェリシアは、両手で頭を押さえた。

「やだ!髪は女の命だよ!ハゲ反対!」

 フェリシアは首をぶんぶんと横に振った。


「どうしたの?」

 ヴィルノアはフェリシア達の元にやって来て言った。

「シア、そんなに首振って痛くないの?」

 泣きそうな顔で髪を握りしめたフェリシアは首を振るのをやめて言った。

「二人がね、私にはつるつるが似合うっていうの。」

「はぁ、つるつるって、もう少し説明してほしいな。」

「ハゲちゃうの!なんか分からないことがあって考え出したら、あんまり考えすぎるとハゲるよって二人が言うの。で、二人共、私にハゲが似合うっていうの。そんなことないよね?ノアはどう思う?」

「うん、なんか分かった。とりあえず落ち着こうか。」

 ヴィルノアは両手をフェリシアの両肩に置いた。

「はい、大きく息を吸って、吐いて。落ち着いた?つるつるなシアもかわいいとは思うけど、今の髪型が似合っていると思うよ。」

「うん、ありがとう。もうつるつるな私を想像したら焦っちゃって。あっあれっ、黒髪のかわいい子はもういいの?」

 フェリシアはヴィルノアの後ろをキョロキョロと見渡した。

「黒髪のかわいい子?誰?」

「さっき呼び出していた子だよ。」

 バルトは先程ヴィルノア達の居た辺りを指さした。

「あぁ、彼女か。教室に戻ったんじゃないかな。それより食堂行こうよ。」

 ヴィルノアは先程までの呼び出しにまるで興味がないようだ。

「あんなかわいい子だったのにくらっと来なかったの?」

「かわいい子?シアの方がかわいいよ。」

「あらっ、社交辞令でも嬉しいわ。ありがとう。」

 フェリシアは楽しそうにと笑った。

「ほら、やっぱりかわいい。大好き。」

「うん、知ってる。」

 二人は顔を見合わせにっこりと笑った。


 フェリシアとヴィルノアの少し後ろをシルビアとバルトは歩いていた。

「ハゲっていうのはフェリシアにしか使えない手だな。」

「・・・あれしかとっさに思いつかなかったんですよ。僕もまだまだですね。」

 バルトは乾いた笑いをした。

「結果的には良かったんじゃないか。ありがと、な。」

「そう言って頂けると幸いです。」

 バルトは片手を胸に当て軽く頭を下げた。

「ですが、シルビア様、あれって・・・。」

「自覚しても本人が苦しむと思うんだ。だから気付かせたくない。ヴィルは喜ぶかもしれないが、最終的にはヴィルも苦しむだろう。」

「そうですね。何か全てがうまくいく方法があればいいのですが・・・。」

「家同士、ましてや王家が関わる案件だからな。難しいよな。」

「ですよね。まして僕たち学生ですし。もどかしいですね。」

「そうだな。」

 二人は顔を見合わせ深いため息をついた。


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