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ガチ恋っ!!ってことで  作者:


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29/61

29. 夏休み⑦ ミーナ

「フェリシアお姉様、お会いしたかったです!」


 ふわふわのオレンジに近い茶色い髪を頭の上で小さなお団子を二つ作り、まるで熊の耳のようにし、ぱっちりとした目を持ち、ピンクのデイドレスを着と少女は屋敷の中に入るなり、出迎えに出たフェリシアに抱きついた。


「お姉様お久しぶりです。お元気でしたか?ミーナは元気です!」

「ミーナ、元気そうで嬉しいわ。」

 フェリシアはキュッとニーナを抱きしめた。 


「さぁ、みんなに挨拶をしてね。」

 フェリシアはエントランスホールに集まってきたエリック達に視線をやった。ニーナはフェリシアから離れ、スカートの裾を摘まみ片手を胸に当てた。

「イルミル伯爵家長女ミーナと申します。フェリシアお姉様のお父上が私の母の兄になります。お姉様とは従妹の関係になります。この度は皆様の避暑にご一緒させて戴きます。よろしくお願いします。」

 顔を上げたミーナは年相応の幼さを残しており、かわいらしく笑った。

「ミーナはまだ12歳で普段は伯爵領に居て、夏休みに私が領地に戻ると何日か泊りで遊びに来てくれるの。私にとっては妹みたいな子よ。ええっとエリザベスとバルトが初めましてよね?こちら私の通う学園に留学中のエリザベス王女殿下。エリザベスは隣国エルノルト王国の第一王女様で私の同級生よ。」

「うわぁ、本物のお姫さま!」

「よろしくですわ。」

 エリザベスは美しく微笑んだ。ミーナはぽーっと顔を赤らめた。そして慌てて姿勢を正した。

「こちらこそよろしくお願いします。」

 ぺこりとミーナは頭を下げた。

「で、こちらがリア伯爵家の次男でバルト。ノアの同級生よ。」

「よろしくね、ご令嬢。」

 バルトは胸に手を当て紳士スマイルを浮かべた。

「はい、よろしくです!」

 ミーナは元気よく答えた。


 ミーナは胸の前で両手を組み目を輝かせてバルトに近寄った。

「あのぅ、バルト様はヴィルノア殿下と同級生でいらっしゃるのですよね?ヴィルノア殿下は学園に今年から通われていると伺っています。学園で殿下はどのような感じなのですか?ぜひ、教えてくださいませ。」

 バルトはちらっと不機嫌そうに顔を逸らしたヴィルノアを見た後、ふぅと小さく息を吐いた。

「ヴィルノア殿下は優秀ですし、ご覧のような容姿なので大変女子生徒に人気ですよ。」

「バルト心にもないことを言うなよ。」

 ヴィルノアはむっとした顔でバルトを見た。バルトは乾いた笑いで答えた。

「ははっ、本当のことだろう?ねぇ、フェリシア様?」

「うんっ、そうだよね。ノア告白されまくりだもんね。」

 フェリシアはうんうんと頷く。

 ヴィルノアは額に手を当てた。

「・・・もうっ、シアまで・・・。」

「やっぱりですか。ヴィルノア殿下は素敵な方ですものね。」

 ミーナはうっとりとヴィルノアを見た。

「昨年お会いした時より背も伸びましたし、逞しい身体つきになられたように見受けられますわ。。それに髪も伸ばされて、一層美しさも増したように思います。こんな素敵な方、ご令嬢方が放っておくわけありませんわ・・・。」

「ふふっ、ノアがモテるのは当たり前って事ね。よかったね、ノア。」

「・・・よかったかな・・・。」

 エリックとエリザベスは顔を見合わせ、苦笑いを交わした。

 バルトはヴィルノアの背中をポンっと叩いた。


 執事のセバスがすぅっとやってきた。

「皆様方、庭園の東屋にお茶の用意をさせていただきました。立ち話もなんですから、そちらでごゆっくりお話しください。」

「ありがとう、セバス。」


 庭は山から湖を通って吹く風があり、涼しくお茶を飲みながら心地良く過ごせる環境だった。


「ミーナは14歳になったら王都の学園に通うの?」

 フェリシアはマカロンを一つ摘まみ、ミーナに尋ねた。

「はい、お姉様。そのつもりで勉強しています。」

「えらいわね。」

 フェリシアはにっこり微笑んで隣に座るミーナの頭を撫でた。

「私はお姉様のような素敵な女性になりたいのです。お姉様のようになれば好きになってもらえますでしょう?」

 屈託なく笑うミーナを全員がばっと見た。フェリシアは首を傾げた。

「私はもてないよ。それを言うならエリザベスを見習うといいよ。もう流石って感じで、所作も顔も髪も スタイルも全部きれいで素敵なの。ねぇ、シルビア。」

 シルビアはこくんと頷いた。エリザベスは頬を両手で抑えた。

「褒めすぎですわ。」

「いやっ、間違ってないな。エリザベスを見習うなら、きっと素敵な淑女になれると思うぞ。フェリシアだと一歩間違えるとお猿さんだからな。」

 エリックはにかっと悪戯っ子な笑顔を見せた。

「酷いエリック。エリックだってお猿さんじゃない。」

 フェリシアは頬を膨らませ抗議した。

「二人ともお猿さんですよ。」

 オスカーがそう言うと、シルビアもバルトも頷いた。

「だそうだ、フェリシア。久々に登りに行くか?」

「いいわね。あの木よね。行く!」

「行ってくる。あと頼むな。ヴィルも行くか?」

「行かない。読みかけの本読んじゃいたいから部屋戻るよ。」

 そういうとヴィルノアはすぐに立ち上がり部屋に戻って行った。

「なんか機嫌悪そうだったね、ノア。大丈夫かな?」

「ああ、部屋に戻るなら大丈夫じゃないか。それより行こう、フェリシア。」

「うん、楽しみね。」

 フェリシアとエリックは立ち上がった。

「あと頼んだ。」

 エリックはオスカーとバルトに視線を送った。二人とも頷いたのを見届け、エリックはフェリシアを連れて歩き出した。


 残されたメンバーは当たり障りのない会話をしばらく続け、解散することになった。

 オスカーとシルビアはミーナを部屋に送った。

「ミーナ、もう12歳なんだから伯爵家の令嬢として恥ずかしくないような行動をするんだよ。この屋敷には王族の方が三人もいるんだからね。いくら彼らが気さくだからと言って甘えてはいけないよ。分かるね?」

 オスカーはやんわりと注意喚起した。

「はい。」

 ミーナはそう言って、自身の部屋に入って行った。


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