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ガチ恋っ!!ってことで  作者:


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28/61

28. 夏休み⑥ 発表会後半~実はバカップル

「私も花を描いたんだ。」

 シルビアは一本の凛とした白い花が描かれたスケッチブックを見せた。

「きれいですわ!どこに咲いていましたの?」

 エリザベスが胸の前で手を合わせて言った。

「あぁ、東の庭園だ。沢山咲いていて美しかったぞ。」

「まぁ、明日行ってみますわ。」


「オスカーはいつものか?」

 エリックは苦笑いを浮かべながら聞いた。

「もちろん。」

 オスカーはなぜかどや顔でスケッチブックを広げた。

「うわぁ、きれい・・・」

 フェリシアは思わず感嘆の声を上げた。

 そこには真剣に何かを見つめるシルビアが描かれていた。

「昔っからシルビアを描くの上手いよな。」

 エリックも感心しきりとうんうんと頷く。

「よく見ているので。」

 オスカーはさも当然とサラっと言った。

「愛しの婚約者なので。」

 顔色を変えることなくいうオスカーを見て、エリックはニヤッと笑って言った。

「流石だな。」


「相変わらずだね。」

 フェリシアは黙ってオスカー達を見ていたシルビアに声を掛けた。

「ああ、いつも通りだ。」

 シルビアはほんのり頬を赤らめつつ答えた。

「まぁ、オスカーは情熱的な方でしたのね。意外ですわ。」

 エリザベスは頬に手を当てほぅっと息を吐いた。


「ヴィルは何描いたんだ?フェリシアと描いてたよな?」

 エリックは昼間の光景を思い出しながら聞いた。

「うん、シアを描いた。」

 ヴィルノアは淡い色彩で描かれたフェリシアの絵を見せた。

「花冠を乗せたシアがかわいかったんだ。」

「まぁ、幻想的ですわ。」

 エリザベスは淡い色彩で幻想的に描かれた絵に見入った。

「相変わらずだな。」

 シルビアは半ば呆れ顔で言った。

「ははっ、でもさ今回のが一番かわいく描けたと思うよ。」

「あぁ、そうだな。かわいいな。今日は何枚描いたんだ?」

「今日は少ないよ。三枚かな。」

「充分だろう。」

「そうかな?オスカーには負けるよ。シルビアを描くの速いんだよね。描きなれているよね。上手いし。いつもシルビアが美人に描かれているんだ。実物も美人だけどね。」

 ヴィルノアがオスカーに視線を送ると、オスカーは頷いた。

「今日は7枚程だ。横顔と正面と・・・」

 オスカーは自身のスケッチブックをぱらぱらと捲った。どのページにもシルビアが溢れていた。

「いつも私の絵だな。」

 シルビアはふぅと息を吐いた。

「当たり前だろう。一番素敵な題材なのだから。」


「まぁ、こんなにお二人が仲良しだなんて知りませんでしたわ。」

 エリザベスは頬に手を当て首を傾げた。

「オスカーはもっと冷めたな印象でしたの。こんな情熱的な方でしたのね。意外ですわ。」

「シルビアのこと、だけな。」

 エリックがニヤッと笑う。

「まぁ。」

「ふふっ、昔からすっごく仲良しだよね。」

 フェリシアもニヤッと笑った。

 シルビアはふいっと顔を横に向けた。耳が赤く染まっていた。

「そうでもない。」

 そっけなく言ったシルビアの顔は真っ赤だった。

 オスカーはシルビアの腰を抱きグイっと自身に寄せた。

「かわいいですよね。照れ屋で。」

「~~!!」

 シルビアは無言でオスカーを睨んだ。

「上目遣いで睨まれてもかわいいだけですよ。」

 オスカーはシルビアの髪を一房取って口付けた。

 頬を更に赤らめたシルビアはふいっと顔を背けた。

 オスカーは空いていた手でシルビアの手を取り指先に唇を落とした。

「もう機嫌直してください。」

 オスカーはシルビアの腰に回していた手に力を込め、シルビアを両腕の中に引き寄せた。シルビアは顔をオスカーの胸に摺り寄せた。

「んっ。」

 オスカーはにこにことシルビアの頭を撫でた。


「あ~、二人の世界に入っちゃった。」

 フェリシアがヤレヤレと両手を挙げた。

「意外ですねぇ。」

 バルトが珍しものを見たとばかりに二人を見つめている。

「オスカーやっぱりすごいな。ああいうのバカップルって言うんだろう?」

 エリックは面白そうに笑っていた。

「溺愛と言うのではないですかね。」

 バルトが顎に手を当て言う。

「ははっ、オスカーがシルビアを溺愛してるのは確かだな。そもそもオスカーから婚約の申し入れをしたんだ。」

「まぁ、やっぱり意外ですわ。」

「そうそう、お茶会でオスカーがシルビアを見染めたのよね。」

「あぁ、俺たちが婚約するきっかけになったお茶会な。」

「あらっ、随分前から婚約しているのですね。」

「10歳のころからだな。」

「僕そのお茶会に出てなかったから、シルビア達の出会いを見てないんだよね。残念だな。」

 ヴィルノアはシルビア達を見ながら言った。

「俺達も知らないぞ。いくら聞いてもどんな出会いだったか教えてくれないんだ。」

「そうそう教えてくれないんだよね。二人だけの秘密って言って。」

 フェリシアもうんうんと頷いた。

「でも二人だけの秘密ってなんか素敵。ちょっと憧れるな。」

「えぇ、特別な響きがありますね。」

 エリザベスもうっとりと言った。

「二人とも女の子だね。」

 ヴィルノアはくすっと笑った。

「はい、恋に憧れる乙女ですもの。」

「ねー、乙女だよね。」

 フェリシアとエリザベスは顔を見合わせて笑った。


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