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ガチ恋っ!!ってことで  作者: ゆ


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147/169

147. 姿絵コンテスト⑩ 図録

 姿絵の応募期間がはじまり、応募者がぱらぱらと作品を持って実行委員が設置した受付まで来ていた。   受付期間の三日間は昼休みと放課後に受け付けは行われた。

 受付を済ました作品は、題材になっている人物に許可を取ってからの掲示となる。

 題材になった人物はテオドール、エリック、ヴィルノアの三王子達、そしてその婚約者であるエリザベス、フェリシア(テオドールの婚約者であるマリアンヌはテオドールの希望で事前に題材として不可と発表されていたのでなし)、それ以外にも各クラスの人気のある生徒達であった。題材になった人物たちは誰もが掲示やその後販売することを快く承諾していた。

 またペンネームで作品を発表できるのも、コンテストに応募することへのハードルを下げることに貢献していた。

 応募数は実行委員会の予想を上回り、初イベントの出だしとしては好発進だった。

 そして応募者のほとんどが自由部門と創作部門の両方に作品を出していた。


「思った以上に応募作品が集まりました。しかも力作ぞろいですよぉ。」

 ほくほく顔でクララはフェリシアとヴィルノアの元へやってきた。今日もヴィルノアのお膝の上で作業中のフェリシアは顔をあげた。

「良かったぁ。作品が集まらないと盛り上がらないものね。」

「ええ。どちらの部門も30枚強の応募がありました。すべて描かれた方にも掲示と販売の許可をもらえました。ここまで順調ですよ。」

 満面の笑みで進捗状況を話すクララは水を得た魚のように生き生きとしていた。

 フェリシアもにこにこしながら言った。

「絵を見てみたけど、どれもいい絵だよね。みんな上手だよねぇ。」

「そうなんですよ。どれも素敵なんです。」

「上位入賞の数枚だけ販売って、なんだかもったいないね。どれもかなりいいと思うもの。」

「確かに。でも、あまり多くても受注販売とはいえ、作業が煩雑になって実行委員の方の作業が大変になってしまいますよね。」

 二人は腕を組んで首を傾げた。


 そんな二人を見ていたヴィルノアはフェリシアから借りた小冊子を手に取って言った。

「こういった小冊子にまとめてみたらどうかな。作品集、図録っていうのかな?」

 フェリシアとクララは顔を上げ、ヴィルノアを見た。二人の頭の上には?マークが立っていた。

 ヴィルノアは小冊子をひらひら揺らした。

「こういう薄い本でいいから、全部の作品を載せた小冊子を作ったらどうかな。この小冊子なんだけど、販売価格が発行部数の割に安いんだよね。だから意外と安くこういった物にできるんじゃないかな。全部の作品を載せるから、応募者全員に記念品として渡してもいいよね。喜ぶんじゃないかなぁ。」

 ヴィルノアは淡々と表情なく提案していた。

 それとは対照的に話が進むにつれフェリシアとクララは明るい顔になっていった。そしてヴィルノアが話し終えた時には二人は顔を見合わせてを両手を握り合った。

「それ頂きです!殿下、いいですよ、そのアイディア。」

「ノア、すごくいいよ。」

 二人はキャッキャとはしゃいだ。

 ヴィルノアはその様子を見て、目を細め、微笑んで言った。

「また仕事が増えたのかな?」

「うん。でも楽しいよ。」

「そうです、殿下。新たな商機ですよ。」

「ねぇ、それをこの小冊子を印刷しているところに頼んだらどうかな?」

「私も賛成。」

「そうだよね。部数少なくてもこれだけいい仕上がりなんだ。いいと思うよ。」

「私は違う意味で賛成。」

「フェリシア様。違う意味ってどういうことですか?」

「ふふ、この小冊子を作っているの一年生の子達なんだけど、実行委員会のお手伝いに来てもらっているの。クララも知っているでしょう。エミリアとソニアよ。ソニアの家の事業の一つに印刷業があって、小冊子はそこで作っているんだって。それに編集作業はソニアがやっているの。この前その話になって、印刷をしたい時は友達特典付きで引き受けますって言っていたの。だから、ソニアを中心としたチームを作って、編集から印刷まで任してみてはどうかなって思うの。上手く回るんじゃないかなぁ。」

 フェリシアがにこにこ自身の考えを話すと、クララは目を輝かせた。

「フェリシア様、めちゃめちゃ逸材ではありませんか。」

「そうでしょう。」

「彼女たちもすごくよく働いてくれて助かっていたんです。ちょっと話したところ素直ないい子達でした。うん、それだけではない、才の持ち主たちだったんですね。早速ソニアに話を持っていきます。」

「ソニアと一緒にいるエミリアは文章の書ける子だよ。物語が書けちゃうくらいには上手だよ。」

「なるほど。何かできそうな才能なんですね。活用法を探りたいところですね。

 ああ、探るで思い出しました。例の件、マリア様に探りを入れてみました。マリア様も気になる男の子としてバルト様を見ているとのことです。男の子という表現からも分かるように、年下の弟的存在にも思えるとのことです。姉として慕ってくれているのかなぁ、とも言っていました。マリア様は長女で下にお二人弟君がいらっしゃるそうです。バルト様がどういった意図でマリア様をかまってくるのか、マリア様も測りかねているって感じですかねぇ。ああ、そう、マリア様も婚活中だそうです。そんなとこで、では。ソニア様のところに行ってきます。」

 クララは足早に去っていった。



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