138. 姿絵コンテスト① 四度目のチームクララ
「さて、皆様こちらをご覧ください。」
クララは姿絵とそれを収める為のカードケースを取り出した。
「皆様、姿絵がすべて刷り上がりましたので、注文票と照らし合わせ、お客様にお届けしたいと思っています。ご協力お願いします。
あとこちらのカードケースですが、せっかく姿絵をカードサイズにしましたので、それを収めるカード専用のケースも作ってみました。一つは卓上で飾れるようにしたもので二つ折り、もう一つは鞄などにつけて持ち歩けるようにしたものです。この二種に加えてもう一つ女性向けの物を。そちらはフェリシア様が実際使ってくださっています。フェリシア様見せて下さい。」
フェリシアは自分の鞄を掲げた。
「このように姿絵を入れて鞄につけて持ち歩いてます。」
全員がフェリシアの鞄に注目した。フェリシアの鞄には長方形のカードケースがつけられていた。そのケースの片面にはハート型にくり抜かれた窓があり、ポップなイアラストのヴィルノアの姿絵が入っていた。フェリシアはうっすらと頬を赤らめていた。
「あちらはフェリシア様の提案でハート型窓バージョンです。周囲には四本の薔薇の型押し付きです。ラブラブですねぇ。見せて下さってありがとうございます。」
顔を赤らめたフェリシアが座るのを見届け、クララは話を続けた。
「最初にお見せしたシンプルなタイプ二種とハート型の窓のタイプと合わせて三種類を販売します。もちろんこれの売り上げも冬花祭の売り上げに足されます。制作経費は既に冬花祭のもろもろの売り上げから出しておりますので、売れたら売れただけ冬花祭の売り上げに足されていきます。皆様頑張りましょう!もう一儲けです。
さて、改めて冬花祭、お疲れさまでした。大きなトラブルもなく、好評のまま終了しましたこと嬉しく思っています。皆様の尽力のおかげです。婚活イベントとして、チャリティイベントとして生徒会から今後も続けたいとお話を頂いております。
そして収支はこんな感じになりました。」
クララの後ろでは黒板に収支をせっせとベンジャミンが書いていた。
「そして寄付していただいた本は思っていた以上に集まりましたので、多くの孤児院に贈れそうです。贈り先は生徒会、学園と王宮の専門部署とで検討して頂いています。こちらは決まり次第、皆様と全校生徒向けにお知らせする予定です。
次に収支を見て下さい。実は当初の予想以上に姿絵と花飾りの売り上げがあったんです。この利益は一部次回の冬花祭運営予算に充てたいと思っています。
それでもかなり残るんですよね。そこで提案なのですが、一つは姿絵の作者にそれぞれの売り上げの数パーセントを作画料としてお渡しするのはどうでしょう。例えばヴィルノア殿下に提供していただいたフェリシア様の絵二種ですが、注文数が△△△、金額にして〇〇〇です。仮に7パーセントをお礼として渡すとなると■■■になります。ちなみに7パーセントは一般的なデザイン料の最低ラインです。皆様どうでしょうか?」
ざわざわとクラスのあちこちで話し合う声が聞こえてきた。
しばらくしてクララがパンっと手を叩くとクラス内は静まり返った。
「皆様の意見をお願いします。」
「はい!賛成です。姿絵の売れ行きが良かったのは作画が良かったからだと思います。当然のお礼かと思います。」
一人の女生徒が発言すると拍手が起きた。
「それでは賛成多数ということでよろしいですね。」
わぁっと拍手が起き、クララは満足そうに頷いた。
「ええっと、そうなりますとお礼に必要な額がざっとこれくらいで、それを利益から差し引いてもまだかなりの額が残ります。そこでもう一つの提案です。この残った金額の半分を寄付に回し、あと半分でもう一つイベントを企画してみないかと思うのです。で、たたき台があった方が話が進めやすいかと思いまして、この金額でできそうなことを考えてみたのです。先程もお話しした通り、姿絵がかなり好評でした。学園内だけではなく、生徒のご家族や話を聞いた学園外の方から問い合わせをいただいております。なぜこんなにも好評だったのか分析してみたところ、作画の良さが成否を左右しているのかなと思いました。この学園の生徒に絵を提供してもらったのですが、当たり前ですが皆さん素人です。しかしお気づきかと思いますがこの学園、絵が上手な方が多いのです。そこで姿絵コンテストなんていかがでしょうか?」
ベンジャミンが黒板に大きく書いた。
おおっと歓声が沸いた。
クララは微笑みながら話を続けた。
「応募資格はこの学園の生徒であること。応募希望者には三枚の絵を描いてもらいます。それらを貼りだして生徒の皆様に投票してもらうのです。そして上位入賞者の姿絵を発売するのです。前回同様注文販売で人気のあった絵で姿絵を売り出すのです。ふふっ、売り上げが楽しみですねぇ。」
クララはふふふっと含みのある笑いで肩を揺らした。
商機を見つけたクララらしい態度にクラスの全員が呆れたような視線を向けた。
ただ一人ベンジャミンだけがにこにことクララを見つめていた。




