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ガチ恋っ!!ってことで  作者: ゆ


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123/169

123. ソルティア⑯ 顔合わせ

 フェリシア達は王宮の応接室の横の小部屋に通された。

 すでにテオドールとジルベール、カルマ王国第一王女のアデリアがソファーに腰かけていた。

「おやっ、フェリシア、顔が赤いね。調子が悪いなら、今日は帰るかい?」

 テオドールがそう言うと、ジルベールも心配そうにフェリシアを見た。

 フェリシアが何も言えずにいると、エリックがやれやれと首を振り、大きく息を吐いた。

「大丈夫ですよ、兄上。赤い原因はヴィルですから。」

 テオドール達がヴィルノアを見ると、フェリシアの手を握ったままヴィルノアがにっこり笑った。

 テオドールもにっこり笑い、ジルベールは眉間にしわを寄せた。

「ヴィル君、ほどほどにね。」

「はい。」

「んー、何を言っても無駄かな?」

「シアがかわいいのです。」

「うん、そうだね。でも、まだ二人は学生だからね。節度は守ろうね。」

「はい。」

 にこにこと機嫌よく答えるヴィルノアに、テオドールは諦めたように言った。

「フェリシア、困ったことになったらすぐ私たちに相談するんだよ。あと、嫌なら突き飛ばして拒絶してもいいんだからね。自衛は大切だよ。」

「はい、兄様。」

「シアの嫌がることなんて僕はしません。ねっ、していないよね、シア?」

「・・・うん。」

「良かったぁ。大好き、シア。」

「うん。知っているよ。」

 フェリシアが諦めたように言うのとは対照に、ヴィルノアはにこにこで上機嫌だった。

 テオドールは苦笑いを浮かべてフェリシアに言った。

「ヴィル君がすまないね。」

「兄上までフェリシアに謝りますか・・・。」

「エリックもか・・・。」

 二人は顔を見合わせてはぁと大きく息を吐いた。


「あ、あの、ヴィルノア殿下。わたくし、カルマ王国第一王女のアゼリアです。お初にお目にかかります。この度は妹が大変ご迷惑をおかけしました。国の両親に変わり謝罪させてください。」

 アゼリアは立ち上がり頭を下げた。

 テオドールは慌てて、アゼリアを座らせてから言った。

「あ、ごめんね。アゼリア嬢の紹介が遅れてしまって。ヴィル君の暴走に気を取られちゃったよ。遅くなったけど、こちらが第二王子のエリック、でこちらが第三王子のヴィルノアね。で、フェリシアの元婚約者と現婚約者。

 元婚約者のエリックは隣国の王女と婚約していて、フェリシアの幼馴染で親友かな。

 現婚約者のヴィル君は見た通り、フェリシアを溺愛中ね。それも初めて会った時から溺愛してるから、年季が入っているんだ。

 で、こちらがカルマ王国第一王女のアゼリア嬢、留学生で私たちと同じ学年だよ。とても勉強熱心な才女だよ。今回の件については全て話してある。」

 アゼリアは真っ直ぐヴィルノアを見て言った。

「テオドール様から話を伺い、耳を疑う妹の愚行に申し訳ない思いでいっぱいです。ヴィルノア様に不愉快な思いをさせるだけではなく、大切な婚約者様に婚約解消しろと言っただけではなく平手打ちをするなんて、もうどうしていいものか・・・。」

 アゼリアは両手で顔を覆い俯いた。

「顔を上げて下さい。アゼリア王女には何の罪もありません。

 見ての通り僕はシア、フェリシアが一番大切なんです。僕に何をされようと多少の我慢ができます。でもシアを傷つけたことは絶対に許しません。シアが許しても僕が許すことはありません。

 それに彼女はエリック兄上を侮辱しました。僕の尊敬する兄上をです。こちらも許せません。

 でもそれはアゼリア王女が負うものではありません。彼女が責を負うべきです。だからアゼリア王女からの謝罪は不要です。」

 ヴィルノアはフェリシアの手を握ったままは毅然として言った。

「それでもソルティアは妹なのです。

 お恥ずかしい話になりますが、国でも使用人などに高圧的な態度を取り、気に入ったものは何としても手に入れようとする我が儘な子で、周りがいくら諫めても治りませんでした。それは学園に入ってからも変わらず、身分を振りかざし我が儘し放題で、わたくしが気付いた時には周りも彼女の顔色をうかがい、誰も教師ですら苦言を呈してはくれなくなっていたのです。

 ほとほと困ったわたくしたちは、両親や宰相からこのままではいけないということをソルティアによく言って聞かせた上で、留学といった形で環境を変えることにしたのです。幼い頃から育った環境では甘えが出たのだろうと。彼女を知るものがいないこの学園への留学を決めたのです。

 ただ、彼女一人では何かと不安でしたので、わたくしも一緒に来ました。

 それがこんなことになるなんて・・・。国の両親と宰相には事のあらましを伝えました。ただ、手紙なのでどんなに急いでも三日はかかるかと思います。ですから、申し訳ないことに、まだこのことは国に伝わっておりません。

 ですから、この度の妹の愚行を国を代表して謝罪するのはわたくしになります。本当に申し訳ありませんでした。」

 再びアゼリアは頭を下げた。

「んー、気持ちも理屈も分かるけど、それは一旦横に置いとこうか。これから関係者を続き部屋の応接室に呼んで、私とジルで事実確認をしていく。君らはここでその様子を見ていてくれるかな。ドアは少しだけ開けておくからね。取りあえずは静かにね。じゃあ、始めようか、ジル。」

 ジルベールはこくんと頷きテオドールと共に続き部屋へと入って行った。

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