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第四十三話 当初の目的

ブクマや評価の下さった方、ありがとうございます

「エルフレイヤ……どこまでも目障りね、いい加減に――――」


「――――黙れ、口を開くな。この落神が……絶対に許さん。貴様に裁きは必要ない……存在ごと消してくれる」



 睨み合いを続ける二人の女神。契約の神ラクトと、断罪の神エルフレイヤ。


 片や美しい神体の女神、それに比べてラクトの体は人間の物。容姿もエル姉に比べると、言い方は悪いが劣っている。


 ラクトの体は銀獅子のリーダー、アンのもの。本来のラクトがどのような姿をしているか分からないが、すでに決着はついたようだ。



〈いつから容姿勝負になったのだ? それより我らも加勢に行こうではないか〉


(そうだね、このメンバーなら問題ないはず――――)


⦅――――よっしゃ入れたぁぁぁ!! もう仲間はずれにはさせんぞ!?⦆



 急に脳内に入り込んできたコトワリィ。気を抜き過ぎていたようだ、侵入を許してしまうとは!! 失態だねヴァル。



⦅……ワシをウィルス扱いしないでくれない?⦆


〈まったく油断も隙もない……出て行け。お前で六人目、許容オーバーだ〉


⦅あ、安心しろ!! 断罪は忙しい、こっちに意識を送る暇はない……すぐ出て行くから邪険にしないで……⦆



 なんて情けない声を出すんだ、残念だが僕には響かんぞ? これが可愛い小さな子なら擁護しよう、ヴァルを追い出して美女四名と僕、ハーレム脳内の出来上がりだ。



〈我を追い出した瞬間オルは死ぬぞ? 我がオルの魂を繋ぎとめておるのだからな〉


(冗談だよ……で、何の用なの? コトワリィ)


⦅せめてさんを付けろ小僧……加勢はワシがする、お主達は急ぎやらねばならん事がある⦆



 やらねばならん事? この状況で他にやらなきゃない事って……。それならコトワリィがそれをやってほしい、僕達がエル姉の加勢をするよ。



「――――貴様が今、なんと呼ばれているか知っているか? 詐欺神……お前の契約は詐欺だらけ、落ちる所まで落ちた神」


「何とでも言うがいいわ。詐欺……結構じゃないの!! 騙される方が悪いのよ!!」



 再び目を向けると口喧嘩をしている二人。


 詐欺神か、なんて契約をしやがるんだ。みんなも気を付けろよ? 契約書は隅から隅まで目を通すんだ! アホみたいに小さい文字でアホみたいな事が記載されている事もあるからね。



「二度と私を欺けると思うなよ? 今回は絶対に見逃さない……ここで朽ち果てろ!! 神ノ断罪!!」


「舐めるなッ!! 強制契約!!」



 激突する二つの神力、それはほぼ互角であった。


 腐っても元最上位神、神器で神力を増幅させているラクト。それと互角というのだ、神器を破壊出できれば一気に決まるはず。


 いいや、そんな難しい事をしなくてもいい。ここにいる神達の力を一気に放てば一瞬で片が付くはずだ。



⦅よさぬか!! ここは下界、霊峰の内部だぞ? これだけの神が一斉に力を放てばどうなるか……分かるであろう?⦆


(じゃ、じゃあ僕達だけでやるよ! みんなは見ててくれるだけでいい!)


⦅もう時間がないのだ……お主の使命を忘れたか? もうこの霊峰は大噴火寸前だぞ?⦆



 ……忘れていた。そう言えば大地のエネルギーを探してここに来たんだった。


 色々衝撃的な事があり過ぎてすっかり忘れていた。と言うかそんなに時間なかったんだ、明日はオフにしようと思っていたくらいなんだけど……。



⦅……まぁ原因はワシらだがな。ワシらが霊峰に降臨した事で霊峰が暴れ出した⦆



 ……なんだと? そう言う事か、神が降臨する際にはそれなりのエネルギーが生じると言う話だ。そのため僕達はわざわざ霊峰から徒歩数時間の場所を選んで降臨したって言うのに……。


 まぁ、今回ばかりは怒れない。エル姉やコトワリィが降臨してくれなかったら、恐らく僕はここにはいない。転生し、不幸人生一年目がスタートしていたであろう。



「――――いつも澄ましてクールぶっているくせに、そこの破壊神を壊したのがそんなに気にくわなかったのかしら!? あんなバカ神とお熱だったなんて、驚きだわっ!!」


「ふざけるなッ!! 誰があんな神……あんなのはどうでもいい! 問題は私の弟を傷つけた事だ!! 楽に死ねると思うなよ!!」



 激闘を繰り広げる二人、急に傷つけられる破壊神。


 ヴァルって本当に嫌われているんだな、ちょっと可哀そうになってきた。安心してよ、僕だけはヴァルの味方だから。



〈べ、別に悲しくなんてないもん……〉


⦅その気持ち、ワシにはよく分かる……共にこの世の不条理を嘆こうではないか……今晩、の、飲み会しない?⦆


〈一緒にしないで下さい。あと飲み会はお断りします〉



 なんて奴、恐らくコトワリィは勇気を出して飲み会に誘ったと思うよ? もう少し優しくしてあげてよ……同じ嫌われ者同士、仲良くしなさい。僕も飲み会はお断りだけど。



〈⦅別に嫌われ者ではないっ!!!⦆〉



 クソッ! 暑苦しいんだよ! どっか行ってくれ! ウィッチはどこに行ったの!? 僕の清涼剤のウィッチたんはどこに行ったの!? シニカは!? 僕の制汗剤のシニカたんはどこ!?



〔すみません、セカンディの馬鹿が煩くて……どうかしましたか?〕


{……面白い……ウィッチにベタ惚れ…………制汗剤……?}


(セカンディ……? そんなんどうでもいいよ、ここにいて頂戴! 僕の脳内がむさ苦しくなる!!)


〔は、はぁ……分かりました。……あれ? いらしてたんですね、理の……えっと……〕


{……忘れた? ……理の神……リリリだよ……?}


⦅ゼンリだ!! なんなんだお前ら!!⦆



 流石に悪ふざけは止めて行動しないと! あそこまでされたラクトの最後を見届ける事が出来ないのは何か嫌だけど仕方ない。


 ここはエル姉とコトワリィに任せて、僕達は霊峰に溜まる大地のエネルギーを破壊しに行かないと!!


お読み頂き、ありがとうございます


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