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第二十八話 神力VS神術

「神術・雷網!」



 雷で作られた網が、僕の体に纏わり付く。もちろん破壊の力を纏っているため、僕の体に影響はない。


 ちなみに言っておくが、服の外側に纏っているから服にも影響はないぞ? 破壊を纏うたびに服が壊れたら洒落にならんからね。


 雷の網は触れた端から破壊されていく。しかし次から次へと絡まってくるため、見ようによっては効果ありと見えるかもしれない。



「大抵の奴はこの雷網で黒焦げになり死ぬのだが……なるほど、確かに貴様は強者なのかもしれん」


「分かったらもうやめない? 無駄だよ、その程度の力じゃ……その程度の力ではなぁ!!」


「……なぜ二回言う?」



 うるせェな、カッコいいと感じてしまったからだよ! 何気なく言ったけど、思ったよりカッコよかったから心に残る様に言い直したんだよ。



「イキがるな。雷網に絡まったら動く事なぁぁぁぁどぉぉぉ……なぜ動ける?」


「なぜって……さっきも言ったけど、その程度だって」



 イキがっているのはどっちなんだか。多分今まで敗北などした事がない、強者であり続けたんだろうけど。


 こういう輩は予想外の事に対応する事が苦手なんだ。そんな事思ってもみない、経験した事などない。強者と言うのは臨機応変に動ける者、もしくは……圧倒的すぎる力を持っているかだ。



「ち、調子に乗るなよ? 神術・雷霧! 複合神術・雷爆!!」



 雷の霧が僕を包み込んだと思ったら、急に小さな爆発が起き始め、徐々に周りの霧も誘爆し始めて最終的に大きな雷爆発となった。


 しかし威力がどの程度なのか分からん。その全てのエネルギーは僕に届くことなく破壊されてしまったから。


 あ~爆発……そしてこの強者の仮面を被った世間知らず……ボンボンを思い出す。ボンボンは元気かなぁ? この前会った時は五厘狩りになっていたな。可哀そうに、母親に首を押さえつけられて強制的に刈られたらしい。



「君はまるで静かなボンボンだね、世界は君が思っているほど狭くないよ?」


「……ボンボン? なんなんだ貴様、なぜ傷一つ負わない……?」



 ボンボンと同じと言ったけど、まだ心は折れていないようだ。自身の力が効かない恐らく初めての相手だろうに、その眼光は鋭いまま、流石は金色のパーティーリーダーか。



「どんな神術か知らないが……これならどうだ! 合成神術・天雷剣刃!!」


「――――だから、無駄だって……破壊」



 ワザと手の平を突き出し、物凄いスピードで迫った雷の刃を破壊する。別に何もしなくとも壊れるけど、ここまで圧倒的で分かりやすい光景を見れば流石に気づくだろう。


 神術では、神力には敵わないという事が。



「……正直驚きだ。ここまで俺の神術を防いだ奴など今までいなかった」


「い、いい井の中の蛙、大海を知らずとはこの事よ」



〈そこで噛まなきゃカッコよかった〉


〔オルクス様……カッコいい……〕



 言い慣れない言葉を使うのは難しい。しかしワンスが突っ込まなくてよかった、奴が馬鹿にしたようにツッコミを入れたら即座に破壊した事だろう。


 そのワンス、なにやら腰に挿していた剣を抜き、構えを取り始める。


 神術では敵わないと知り、肉弾戦を挑むつもりだろうか? ここは先に考えた抵抗破壊を僕も試す時がきたようだ。剣と拳、どちらが強いか試そうじゃないか!



「神術・雷神加護・剣神加護」



 ワンスを不思議な光が包み込む。恐らく身体強化とかそんな感じだろうが、複数の神術を操れる人間なんて聞いた事がない。


 どんだけ神に愛されていると言うのだ、僕が操れたのは土系統の神術だった。まぁ、アリの巣を作る事しか出来なかったけど。



〈どちらにしろ上位神の力だ、脅威ではない〉


(雷神とか剣神って上位神なの? 凄く強そうなのに……)


〈上位神の中でも花や門とは違い、上方の力を持っているかもしれんが……最上位に比べれば赤子の力、ましてや神術だ〉



「……構えないのか? 一瞬で終わるぞ?」



 また大口を叩くワンス、今までの流れでどうして一瞬で終わると思うのか。しかしさっきからチラチラとセカンディの方を見ているが、なんなのだ?



「ワンス、素敵だぞ」


「ありがとうセカンディ。待っていてくれ、すぐに終わる。そしたら続きを……」



 気持ち悪いセックスアピールをするんじゃない!! そういうアピールはウィッチの専売特許だろうに、当の本人は面白そうに場を眺めるだけ。フォルナさんに至っては白けた顔で髪を弄って時間を潰しているようだ。



「――――抵抗破壊」



 なるほど、これは凄い。ここまで体が軽くなるとは、ちょっと練習してから使うんだったか……ちょっと怖いぞ。



〈上手く使えよ? 重力のベクトルがアボーンでパージでファルシの状態だ、下手に使えば……死ぬぞ?〉


(なに訳分からん事を言っているんだ! 都合のいい破壊したから大丈夫だよ、時と場合で上手く解除すれば問題ない)



 つまり体にかかる負の抵抗だけ破壊して、正の抵抗を攻撃に流用し、相手から迫る負のベクトルを破壊して正のベクトルとして攻撃を跳ね返す。


 ふふふ……分からん。まぁなんとかなるさ、そもそも僕に攻撃は通じないのだ。触れたら破壊してしまうから……相手のベクトルを破壊するようにすれば僕に攻撃は届かなくなるはず……という事でいいのか?



〈まったく分からん、お前は何を言っているのだ?〉



「では行くぞ! 盗撮犯め! その命で贖え!!」



 誰がそんなもん盗撮するか!! 今すぐメモリーから削除したいくらいだ! ……あ、破壊すればいいのか。


 迫りくるワンス、どんな思いがあれ僕達を殺そうと言うなら破壊するまで。君こそ贖ってもらうよ、破壊神に刃を向けた事を。


お読み頂き、ありがとうございます


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