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二十一話 容姿は才能

 ウィッチと菊地の合作演劇を見た次の日、僕とウィッチは第六合窟に足を運んでいた。


 キリやんと菊地は置いて来た、ハッキリ言ってこの戦いにはついて来れないだろうからね。まぁ菊地は重症だし、看病の為にキリやんも残らせたのが本音。



(今日は金稼ぎじゃなく、世界を救わないとね! 救世の英雄に僕はなるんだ!)


〈誰も知らない所で世界を救う英雄……カッコいいではないか!〉


(…………いや、終わったら世界にビラを撒こうと思う。僕は皆に知ってもらいたい)


〈……そんなん誰が信じるのよ……〉


〔だ、大丈夫です! 私は……と言うか神達はちゃんと分かってますから!〕



 誰にも知られず、認められずに世界を救う英雄の物語は沢山あるけど、素直に尊敬するよ。僕は認めてもらいたい、知ってもらいたい……コッソリやった善行も誰かに知られるように工作してしまうだろう。


 今まで認められてこなかった分、余計にその思いが強いのかな? でも僕の力じゃないしな~、それは傲慢と言うのかな?



「さて、じゃあ行こうか? 六合窟をパパっと終わらせて、次はレベル六キー……八合窟までのキーをもらうんだ!」



 キリやんから預かったキーを相変わらず豪華な扉に差し込み、左に一回回す。さて、合言葉だ…………あれ? なんだっけ? ヤバイ、忘れちった!



≪――――アクセスキーを確認――――認証コードをどうぞ≫



「き、機械神最高! 最高!!」



≪――――エラー――――認証コードを認証出来ません。残試行回数二≫



 ムムム……マズいぞ、昨日はキリやんと一緒だったから開けれたけど……後二回間違えるとどうなるのだろう? 扉が完全にロックされるとか?


 ……そうだ! 思い出したぞ!



「ふぅふぅ! 最高! 最高! マシンゴッド! ふぅぅぅぅ!!」



〈おい、テンション高めは暗証コードではなかったか?〉


(え!? 嘘、そうだっけ?)



≪――――エラー――――認証コードを認証出来ません。残試行回数一。次も間違えると霊峰が大噴火、大陸が消滅しますのでご注意下さい≫



 でた!? 超絶重たいペナルティ! そんな簡単に消滅するの!? 今まで間違った奴いなかったのかな? ……どうしよう、間違ってみたい衝動に駆られる。



「オ、オルクス様? 私、一応覚えていますけど……」



 なんと救いの女神降臨、世界を救うつもりが世界を消滅させたなんて洒落にならないからね。ここは黙って女神に任せよう。



 その後ウィッチに扉を開けてもらい、六合窟へと足を踏み入れた。


 テンション高めで暗証コードを言うウィッチが可愛かった、あの少し恥じらった感じもグッド、可愛い神は何をしても可愛いんだね。



『見た感じは四や五と変わらんの、ここの宝も中古なのだろうか?』


「五合窟はちゃんとした宝だったじゃん? キリやんが言うには結構いい武器らしいけど……誰も扱えないし売ったよ、僕としてはウィッチシリーズが――――」


「――――オルクス様? 一応言っておきますけど、私が盗まれた記憶があるのは靴とし、下着だけです、いくらなんでももうありません」



 心なしかウィッチが冷たい、そんなに嫌なのかな? なんとなくだけど頼めばくれそうな気がする……頼んでみようかな?



「ウ、ウィッチ? その……グヒヒ、今履いてるパンツ……僕にちょうだ――――」



≪――――キャァァァァァァァァァァァァ!!≫



 突然響き渡る女性の悲鳴、そんなに嫌だったのか……ごめんよ、僕が間違っていた。


 女性が嫌がる事をする男なんて最低だ、残念だけど諦めよう。



〔どうしてもと言うなら、オルクス様になら……構いませんけど、その……ヴァルハザード様もいるじゃないですか。嫌ですよ、他の男になんて〕


〈そんな汚パンツに興味などない、そもそも我は男ではない〉


(おい、おパンツだぞ? なんか汚いっていうイメージが流れてきたが……頭大丈夫か?)


〈それはこっちのセリフだ、興味のない連中もいるという事を忘れるな。全ての者がオルのような変態ではないのだ〉



 そんな奴いるのか? 不思議だね、見てよこのウィッチの可愛さ。汚い所なんてあるか? ないだろう?


 やれやれ、まったくこの破壊神は分かってないな……あれ? ならなんでウィッチは叫んだんだ? どうしてもって言うならくれるんでしょ?



「あの、私は叫んでなどいませんよ? さっきのは人間の女の悲鳴です」


「えっ!? 人間の女!? なんで黙っていたの!?」


「……別に他の女がどうなろうと私の知った事ではありませんので、女は嫌いです」



 なぜ? 女は嫌いって……君も女ではないか? 所々影が見える子だね。あれかな? 絶美神のプライド的な? それとも大した美も持っていない者が、女を名乗るなどおこがましいと言う美の神の威厳みたいな?


 なんにせよ、女性のピンチを助けるのは男の役目だ。


 ……間違った、綺麗な女性を助けるのは男の役目だ、物陰から女性の容姿を見て助けるか否か判断しよう。



〈相変わらず最低だの……〉


(綺麗事を抜かすな、僕は自分に正直に生きたいだけだ)


〔素敵ですオルクス様!〕


(そうだろうそうだろう! 美人、イケメン……それらは才能だ。人より優れている、その才能のお陰で傍受できる利、今回で言えば美人だから助けられた……才能があったから助かったのだ!!)


〈まだ助かってないだろ……オルは不細工だから不細工の味方だと思っていたが〉


(不細工ってハッキリ言うな! 不細工だって生きているんだ! 命は同じ重さなんだぞ!?)


〔オルクス様が不細工って……頭大丈夫ですか?〕


〈それは我のセリフだ……お前ら、大丈夫か? よもやまともなのが我だけとは……〉


(僕は不細工じゃない……ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ他の人より顔が――――)



≪――――グギャぁぁぁぁぁぁ……グゲェェェぇぇぇぇぇ――――≫



 ……ん? まさかね? そんな訳ないよね?


 なんか断末魔が聞こえた様な……いやまさかね? 確かに少しグズグズしていたけど、この流れで死ぬなんて、そんな話聞いた事がない。


 大丈夫だ。しかし念のためフラグを立てておこう。


 やめて! らーの竜の特殊能力で精神が消えちゃう! ライフはまだ残ってる! ここを耐えれば……次回!! 美人、死す!



〈なるほど、ミスリード……生きているかもしれんな〉


お読み頂き、ありがとうございます


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