↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

65/221

第十五話 金色神徒

ブクマや評価下さった方、ありがとうございます

 全裸スッポンポン事件後に僕達は教会に戻って来ていた。


 先日より収穫は少ないとはいえ報酬はそれなりになるはずだ、ワクワクしながらキリやんが手続きを終えるのを待っていた。



(しかし大陸消滅まで後どのくらいの猶予があるのかな? 明日には大噴火したりしないよね?)


〈そう言えば聞いていないな、どうする? 神界に行って聞いてみるか?〉



 う~んどうなんだろう。神界に行くのは一瞬だけど、戻るのに時間が掛かるよね。


 霊峰の近くには降臨できないっぽいし、また街から数時間離れた場所に降臨するのはなぁ……。



〈今の所それっぽい感じは受けないが……まぁ最悪霊峰ごと破壊すればいいのではないか?〉


(……あのデッケェ山破壊出来るの? 霊峰が無くなったらこの街……大陸の名物がなくなっちゃうよ?)


〈山を壊す事など造作もない、名物が無くなるより下界が無くなる事の方がマズいであろう?〉



 最悪の最悪はそうなるのかもしれないけれど、完全に悪いのは僕達になるよね? 間に合わなかったのではなく、間に合わせなかったのだから……。



「おう! 待たせたな! 換金が済んだぜ」



 手を振りながら近づいて来たキリやん。その表情にもう影はない。一先ず大噴火の事は忘れよう、ご都合主義だ、なんとかなるさ。



〈忘れたら流石にアカンだろう……〉



「どうする? まだ時間はあるけど霊峰にはもう行かないだろ? 宿に戻るか?」


「そうだね、宿に……二人になにか体に優しい物でも買って行ってあげよう、報酬はいくらだったの?」


「赤貨一枚と緑貨二十枚だ」



 まあ、そんな所だろうと思っていた。とりあえず赤貨は返済に回すとして、緑貨で食料を買いこもうか。


 キリやんから金を受け取り、教会の入口に向かって歩いていた時であった。なにやらザワザワと騒がしい、しかし雰囲気が悪い訳ではない、女性の黄色い悲鳴が上がったりしている。


 スッポンポン達がスッポンポンのまま教会に現れたのだろうか?



〈露出狂極まれりだな、こんな人の多い所に全裸で現れるとは……〉


(そんなに立派なモノじゃなかったよね? どんだけ自信があるんだろう)



 関わりになりたくないと思いその人混みを避ける様に歩いていた時、興味深い言葉が聞こえたため足を止めた。



≪――――ってよ? なんでも第六合窟に挑戦するらしいぜ?≫


≪マジかよ? 六合窟以上に行く奴らなんて何年ぶりだ?≫



 第六合窟への挑戦、僕達も明日とかに行こうと思っていた階層だ。しかし五合窟にも魔者が大量にいた、それ以上の階層に対応出来る人間なんているのだろうか?



≪キャーキャーワンス様ァァァこっち向いてぇぇぇぇ!!≫


≪セカンディ様ァァ! 今日も凛々しくて素敵ですぅぅぅ!!≫


≪サードス様!! 男の中の男! 渋いぜっ!!≫


≪う、美しい……フォルナ様……美の神以上だ……≫



 いっそう激しく聞こえてくる歓声、有名人がいるようだ。


 僕もこんな風にキャーキャー言われてみたいな……しかし美の神以上? そりゃねぇべ。



「あ~あれは金竜だな、数少ない金色神徒……久しぶりに最上色を見たな」


「最上色……? 神徒の最上は黒だよね?」



 キリやんは彼らの事を知っている様子だった。金色神徒と言えば確かに珍しい。


 僕も初めて見た、これが俗に言う神に愛されし者達か……。



「黒色神徒なんて存在しないだろ? 事実上の最上色だぜ? あの銀獅子と同格だよ」



 いや銀獅子とか知らないけどね? あたかも知っているだろ? 風に話すキリやん。君は荷物持ちやったから分かるのかもしれないけど、田舎者の僕は聞いた事もなかったよ。



〈羽振りが良さそうだのぉ、装備からして他の者どもとは違う〉


(やっぱ儲かるんだね、この仕事が終わったら僕達も神徒色上げようか?)



 そんな事を言っていると、人だかりが急に割れ始めた。受付処理を終わらせた金竜のメンバーが教会を後にしようとしたみたいだ。



「退けろゴミ」



 ボケーっとしていたため道を塞ぐように立っていた僕を、先頭を歩いていた男がそう言って腕を振り払った。


 予想以上に力強かった腕力に僕は払い退かされ、有象無象の見物客の檻に押し込まれる。



「すまん」


「…………」


「……ごめんね?」



 その男の後ろに続く金竜の人達が僕の事を気遣った。


 恐らくリーダーであろう男の行動を咎めはしなかったが、それに続いた一人目の男は軽く頭をさげ、最後の綺麗な女性は表情からして申し訳ないと思っていた様子だった。



「だ、大丈夫かオルクス? ったく、ボケっとしているからだぜ?」



 軽く押された僕を気遣うキリやん。


 確かに道を塞いでいた僕も悪いけど、なにもあんな感じに退かさなくてもいいだろ? お仕置きが必要のようだね?



〈わはは、やれやれ! スッポンポンにしちゃえ!!〉


(そ、それは可哀そうだろ? まだ完全に人となりが分かった訳でもないし、今回はこれで勘弁してあげるよ…………体毛破壊・下半身!)



 破壊の力を浴びたリーダの男が立ち止まる。


 おや? まさか神力に気づいた? さすが金色神徒だね、この強大すぎる神力に気づいたようだ。



〈そんな訳あるまい? 想像してみよ、下半身の毛が消え去る感覚……スースーするだろう?〉



「ワンス、どうした?」


「……なんでもない、行くぞ」



 一瞬足を止めたものの、再び歩き出した金竜。


 出来ればトイレについて行って様子を観察したい所だよ、そのスカしている顔がどう変化するのかを見たい。


 ……む? 毛が…………けげぇぇぇぇぇ!?!? 僕のお毛毛がないよぉぉぉ!? みたいに慌てるはずだ。



「オ、オルクス? どうした? 急に腕を伸ばして……」


「なんでもないよ。さぁ、帰ろうか?」



 僕達は教会を出て食料を買い込み、赤貨一枚を返済した後に宿まで戻った。


お読み頂き、ありがとうございます


宜しければブクマや評価のほう、お願い致します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。