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第八話 機械人形

気づいたら一万UV

お読み頂き、ありがとうございます

「『はぁ……』」



 危険度金以上の魔者、神喰らいを誤って破壊してしまった僕。


 溜め息も出るよ、赤ですら滅多にお目にかかれないのに、金以上なんてまさに珍獣なんだ。


 それを虫が入って来ないようにする領域破壊によって、壊してしまった。



「……そもそもさ、なんであんな簡単に壊れるの? 神力と神力はぶつかると相殺するじゃん?」


「か、神喰らいは神力を持っていません……神の力を宿しているだけですので。そもそも破壊神の神力と同等の神力なんて……」



 申し訳なさそうな表情をするウィッチ。申し訳ない、君にそんな顔をさせるつもりはなかったのに……。


 神力か……おさらいだけど、神力とは破壊とか魅了の力の事を言う。神の力と神力は非なる物、神喰らいは単純に神を喰らって神々しくなった魔者ってだけか……。



「な、なんか知らねぇけど元気出せよ! アンタがそんな顔していると不安になるぜ! ちゃんと前を見てくれよ!」


「…………前見て、怖い」



 僕は魔者を破壊するだけの存在か? 人の気も知らないで……。



「そ、そんな顔するなって!! この先の部屋には宝があるはずだ! 第三合窟にもあったからな! 中身は……使い古した靴だったらしいけど……」



 使い古した靴? それのどこがお宝なんだよ!? そんな適当な物を宝にしていたとは……宝の神の評価が覆ったよ、靴だけに覆ったよ!!



〔お、面白いですオルクス様! きっとその靴は希少価値の高い靴だったんですよ! 私も昔、高い靴を盗まれた事があります……〕


〈……この階層の宝も期待出来なくなったの……〉



 なんて事だ……初めはウキウキしていた心が、一気に壊れた。ここまで来たからには行くけど……もう心の中では帰った後の食事の事を考え始めていた。



 そして歩く事数分……。


 僕達は開けた空間に出る、今までとは違った空気を感じる。大地のエネルギーは感じられないため、この第四合窟で大噴火を防ぐ行動を取る事は出来ない。


 となればここでやるべき事は、お宝を探す事のみとなるが……。



『あ、あれか? いやしかし、あれはいくらなんでも……』



 大きな広間にポツンと置かれた宝箱、煌びやかな宝箱だが、それはまさに異質。


 せめて台座とかさぁ、あるじゃん? 周りの雰囲気とか……。



『はぁ……間違いないな、あの中身は使い古した帽子か手袋だ』



 僕もそう思う。


 とてもじゃないが伝説の武器や防具などが入っているとは思えない。薬草が入っている初期の宝箱の設置の仕方の方が、まだ期待出来る。



「とにかく開けてみようぜ! 一応ここは第四合窟なんだ! 第四合窟以上から宝を持って帰ったなんて話、近年じゃまるっきり聞かないからな!!」


「…………せめて新品であるのを願おう」



 キリやんと菊地が宝箱に近づく。こいつ等、こういう時は率先して動くのな……人間らしくて好感すら持てるよ。


 新品だといいな……僕は古着とか嫌いなんだ、新品より価値のある中古品なんて認めない。



≪――――侵入者感知、迎撃開始≫



 突如鳴り響く機械的な警報音。


 侵入者って……ちゃんと手順を踏んで入ったと思うし、アンタいらっしゃいませぇ~とか言っていたじゃないか……。



「な、なんだっ!?」


「ひっひィィィィィ!?!? こ、殺されるぅぅぅぅぅ!!!」



 慌てふためいてこちらに逃げて来るキリやんと菊地。


 凄いな菊地、お前の慌てっぷり……尻もち突きながら後ずさる奴、初めて見た。



『機械神か……おい絶美神、お前の信者がご乱心だぞ? なんとかしろ』


「し、信者ですか……でも、あれは……」



 地面から現れたのは、魔者ではない。


 もちろん神でもない。人型はしているが、これは……。



「あれは、あんどろいど……とか言ったと思います、機械の神が生み出した歯車人形ですね」



 歯車人形……アンドロイドか。


 人間の街にも機械はあるけど、人型で二足歩行する精巧な機械など人間には作れない。


 これ……いいの? 下界に影響うんたらにはならないのだろうか?



「申し訳ありませんが、機械に私の力は効きません。頑張れば効くかもしれませんが……後ろの二人は確実に死にます」



 恋焦がれ死にってやつか、ここまで来て二人を死なせてしまうのはしのびねぇな……。



「分かった、僕がやるよ」



 僕はウィッチの後ろに隠れた二人と、それを蔑んだ目で見ているウィッチの前に立ち、機械人形と対峙した。


 機械人形はガチャガチャと音を響かせながら、こちらの様子を窺っている。


 なんか、男心が惹かれる造りだな……歯車が動く音、よく分からない液体が導線を伝って流れている様子。


 しかし! 僕の前に立ち塞がると言うならば破壊する!!



「いくぞっ!! 先手必勝! 全破――――」


≪――――おまちください、あぶらぎれです、めんてなんすをすいしょうします≫



 ……油切れ? メンテナンス?


 え、そこは近未来的にいてほしかった……メンテナンス不要の永久機関、完成された機械じゃないのか。


 思いっきり人の手を必要としているじゃないか……。



≪ばってりーぎれ、よびばってりーにきりかえます…………エラーエラー……さいしこうちゅう……さいしこうちゅう……エラー……エ、ラー……え……ら……ぁ≫



 倒れ込む機械人形、ピクリとも動かない……電池切れ?


 嘘だろ? 雰囲気的に宝の守護者、番人だったはず。レーザーとかミサイルとか飛ばしてくるのを期待していたのに……。


 充電くらいしておけよ!! 油くらいさしてあげてよぉぉぉぉぉ!!


宜しければブクマや評価のほう、お願い致します

下さった方、ありがとうございます

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