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第四話 強き魂

お読み頂き、ありがとうございます

 僕の名前を知っていて、その理由を問いただすと……僕に取り憑いていたから……。


 貧乏神と疫病神、それに取り憑かれていた僕……僕の人生が不幸な理由が分かった気がする。



「……ふふふ……こんな所に僕の復讐対象がいるとはね……? その節は大変お世話になりましたぁぁぁ……」



 体の支配権を得て、僕は破壊の力を展開する。恐れ戦け、この圧倒的な破壊の力に……この最悪コンビがァァァァ!!



「おぉぉぉぉぉ!! これでゲス! この神力に急に追い出されたでゲス!」


「ほんにほんに!! これが来なければボクチン達はもっとオルクスと一緒だったのでガス!!」



 なるほど、ヴァルが降臨してくれた事によって、最上位神に追い出されたのか! この下位神どもめ、どうしてくれようか……。



(ヴァル、感謝です)


〈お、おう……一応言っておくが、こいつらは上位神だ〉



 上位神? 関係ないね、転生の外に弾き出してくれる!



「オルクス? 怒っているでゲスか? オルクスを不幸にした事は謝るでゲス……」


「許してほしいでガス……ボクチン達も仕方なかったのでガス……」



 急に静まり返り、目を地に落とす最悪コンビ。


 謝る? 許してほしい? 決まりだね……どんな理由があれ、こいつ等が僕を不幸のどん底に叩き落したのは事実だ!!



「ボクチン達は世界のバランスを維持するため、転生神様の命で取り憑く魂を選んでいるでガス……」


「昔は分け隔てなく不幸を振り撒いていたでゲスが、最近はそれも難しくなったのでゲス……」



 分け隔てなく不幸を振り撒くな!? 幸運じゃねぇんだぞ!?


 って言うか転生神? ……そうだよ、ヴァルの話じゃ不幸な人生を選んでいるのは転生神って話だったはず……。



「昔の転生神様は、色々考えて転生させていたでゲス……でも最近は、同じ魂が不幸になっているでゲス……」



 ヴァルに聞いた通りだ、世界は同じバランスを繰り返している状態……。



「ボクチン達は、そのバランスの維持を幸運の男神などと共に、お手伝いしていたでガス!!」



 幸運の男神……? ふざけるな……ふざけるなッ!! 幸運の神と言ったら女神だろう!? なんで男なんだ!!!



〈ズレているぞ? 君の怒りは……〉



「あまりにも同じ魂が不幸になるから、ボクチン達も同じ魂を更に不幸にする事に心を痛めていたのでゲス……」


「それどころか……ボクチン達が取り憑く事で更に不幸になった魂は、必ずと言っていいほど自らの命を絶つ……と言う最悪の行動に出るのでガス……」



 ……嘘、泣いてる……貧乏神だろ? 疫病神だろ? 人の不幸は蜜の味じゃないのか……?



「い、いくつの魂を自殺させてきたか……根本的な不幸はボクチン達のせいじゃないとしても、自殺に追い込んだのはボクチン達でゲスぅぅぅぅぅあァァァァァァん……」


「申し訳ないでガスぅぅぅぅぅぅぅぅ……ボクチン達は殺すつもりなんて……うがぁぁぁぁぁぁぁぁんでガスぅぅぅぅぅぅぅぅ」



 ……煩い。男の声で泣かれても響かない。



〈……オル……もう少しだけ優しくしてやってくれ……〉



「そ、そんな事がずぅぅぅぅっと続いたある時でガス!! ボクチン達は、ついに見つけたのでガス!!」


「ボクチン達の救世主! どんなに辛い目にあっても、絶対に死という行動を取らない強い魂をっ!!」



「「それがオルクスでゲスガス!!!」」



 ……は? それが僕?


 いや、僕何度も死のうと思ったし……自暴自棄になった事だってあるけど……。



〈確かに我と出会った時、オルは諦めている節があった……が、確かにオルは強い、それは我も思う〉



 本当かよ……僕が、僕の魂が強い? いや、全然そんな実感はない……。



「オルクスには本当に申し訳なかったでガスが、どんな不幸に合っても生きていくという強い魂に、ボクチン達は甘えたのでガス……」


「その数……なんと五百転生!!」



 ご、五百転生? ……つまり、僕は五百回の生まれ変わった人生を、こいつらと過ごしてきたと言うのか!?


 実感ないけど……ふざけんなよ!? 五百回も貧乏神と疫病神に取り憑かれるってなんだよ!? どんな魂だよ!?



「で、でゲスが安心してほしいでゲス! ほとんどオルクスには不幸の力は使っていないでゲス!」


「ほんにほんに! 使わなくても十分不幸だったから、黙って見ている事の方が多かったでガス!!」



 なんの安心だよ!? 貧乏神と疫病神が認めるほど不幸な人生の連続だったと言うのか!?



「今回も、のーんびりオルクスの中で二人でトランプしていたのでゲス! そしたらその力に急に追い出されたでゲス!!」


「ほんにほんに!! ファイブカードが幻と消えたでガス!!」



 知らねえよ!? 人の中でトランプなんてしてんな!! 惜しかったな!? ファイブカード!



「……それでオルクスは今、幸せでガスか?」


「え……まぁ、昔と比べたら……」



 何を急に聞くんだよ……お前達がいなくなったんだから、幸せに決まっているだろ!



「……良かったでゲス。オルクスには本当に申し訳ない事をしたでゲス……もしオルクスが力を得た時は、やってもらいたい事があったのでゲス……」



 なんだよ……この期に及んで、まだ何かするつもりなのか?



 二人は僕の近くまで歩み寄った。


 その顔は晴れ晴れとしていて、とても貧乏神と疫病神とは思えない。身なりは最悪だけどね……。



「「その破壊の力で、ボクチン達を消してほしいでゲスガス」」


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