第三話 不幸な理由
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最上位神を破壊した、最上位神の破壊の神。
なんとも呆気ない……神力を纏われる前に破壊の力を撃ち込めば、抗う術なく壊れ行く。
まぁ正面から打ち合ったとしても、勝つだろうけどね! 僕はまだ本気を出していない!!
(ねぇヴァル? そんなにイラついていたの? 僕が悪く言われたから? ねぇ、僕の為に怒ったの? ねぇ――――)
〈――――うるさい!! そう言うのは聞かないものだ! 恥ずかしくなるだろ!〉
照れる破壊神……ウケる、ツンデレかよ。
(でもさぁ~なんでヴァルが破壊するの? 初、神破壊だよ? そこは譲ってよ)
〈す、すまん……深く考えておらんかった、友が貶されたと思ったら…………あ、いや……〉
友……こんな僕を友って思ってくれているのか……こんな何の取り柄もない僕を……。
(ヴァル!! 僕達は友達だ! 親友だ!! ヴァルを悪く言う奴がいたら、僕は絶対に許さない! 破壊してやる!!)
〈お、おぉ!! 我もだ! オルを貶す奴は許さん! 我が破壊してくれる!!〉
何故か波長が合う僕達、友達がいない者同士、惹かれ合う何かがあるのだろうか……?
[良かったわねオルクス……いいお友達が出来て……]
僕の成長を見守り、涙を流す姉。
僕の事をここまで考えてくれる人はいなかった……でも、考えてくれる神はいた。
僕はどうして神を憎んでいたんだっけ……? この神達といると、忘れそうになる。
「さぁ! 茶番はここまでにして、行こうか! 絶美神を見に!」
『……もう少し浸らせろよ、切り替えが早すぎる……と言うか茶番て……』
「ふふふっ、分かっているくせに……」
エル姉の言葉に黙り込むヴァル。
茶番って言ったけど、それは言葉の遊び。僕とヴァルは一心同体、お互いが思っている事がキチンと伝わっている。
そうさ、僕達はこれからもずっと一緒! 僕達の旅はこれからだ!
――――エンド……。
〈おい、勝手に終わらせるな、絶美神はどこいった?〉
(冗談だよ……究極の美、それを見るまでは死ねない!)
その後絶美神がいると言う場所まで移動している途中、様々な神に出会った。
そのほとんどが下位神、本当に何の役に立つのか分からない神もたくさんおり、世界は神で溢れかえっていた事を知った。
リモコンを隠す神とか……わいふぁい? を一時的に切断する神とか。何を司っているんだよ……。
「そう言えばさ、クエイラス……大地の神を破壊した訳だけど、大地を司る神がいなくなるのってマズくないの?」
ふと思ったが、最上位神を破壊したのに世界に影響が出ないとは思えない。下界に存在する物は、海を除いて全て大地の上に生きているのだ。
『問題ない、神はすぐに生まれ変わる……と言っても、あの馬鹿は二度と神になる事はない、神としての命を壊してやったからな』
「え……じゃあ大地の神はどうなるの?」
『他の者が大地の神として選ばれる、クエイラスは……今頃は虫か魔者にでも生まれ変わっているだろう』
うわぁ……最上位神から虫に転生なんて……逞しく生きてくれよ! 旧大地の神、クエイラス!!
「それとさぁ、絶美神ってやっぱり最上位神なの?」
究極の美、絶世の美女と言うくらいだ、最上の位こそ相応しい神だし。
「絶美神ヴィッチビチは上位神よ? その昔は最上位神だったけど、とある理由で上位神に降格させられたわ」
ヴィッチビチ……? エル姉の顔を覗き込むが、とても冗談を言っている顔には見えない。
なにその……男大好きそうな名前……どこの世界にもビッチはいるのか……。
「まぁ……オルクスの想像通り……ってオルクス! 目を逸らしなさい! あっちを見てはダメよ!!」
切羽詰まった様子で、僕に注意するエル姉。
なんだ? 目を合わせたら死ぬ……とか言う能力を持った神でもいるのか?
『……あぁ、あれは貧乏神と疫病神の最悪コンビだ……目を逸らせ、あの神達に関わると碌な事が――――』
「――――おぉぉぉぉやぁぁぁぁぁぁ? そこにいるのはオルクスでないでゲスか?」
「おほぉぉぉぉ本当でガス! オルクスでガス!!」
こちらに歩いて来る最悪コンビ。
貧乏神らしく着ている物は貧相で、疫病神に至っては……不潔全開だ。
……と言うか、なんで僕の名前を知っているんだ?
「オルクス久しぶりでゲスなぁぁぁぁぁぁ!」
「ほんにほんに! 久しぶりでガス!!」
まるで旧友の再会を喜ぶ友のようなフランクさで話しかけて来るコンビ。
僕、君達の事知らないのだけれど……。
「あ、貴方達……何故オルクスの事を知っているのですか? ……臭い……」
エル姉!? ダメだよ! 本当の事言っちゃ! 我慢しないと…………くっさ!!
「おやぁぁぁぁぁ? 断罪神様でガス!! なんでオルクスと一緒にいるでガスか?」
疫病神の口からエル姉に唾が飛ぶ……それをエル姉は嫌そうな顔をしながら断罪の力を纏い、唾を断罪する。
汚い……なんか疫病もっていそう……。
「あぁぁぁぁ臭いッ!! いいから私の問いに答えろ!!」
憤怒の表情で疫病神達に詰め寄るエル姉……落ち着いて! 断罪の力で匂いを断罪すればいいじゃないか! 出来るのか知らんけど。
「なんでってぇぇぇぇ、つい最近まで一緒にいたからでゲス」
「ほんにほんに! ほんについ数日前まで、ボクチン達はオルクスに取り憑いていたでガス!!」
な、なんだと!? 僕に取り憑いていた!?
貧乏神と疫病神に取り憑かれていた…………え? まさかそれって……。
まさか…………僕の人生が不幸だった理由って……。
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