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最終話 新たな場所へ

お読み頂き、ありがとうございます


第二章完です

「はぁァァァ! やっとついたぁぁぁぁ!」



 ジャストンを出発してから三日、やっと港町に到着した僕達。


 二晩も野宿、歩くんじゃなかった……こんな所はリアルじゃなくていいんだよ!


 野宿生活は別に過酷じゃなかったけどさ。破壊の力を領域展開しておけば魔者はおろか、虫ですら侵入出来ないから夜は爆睡出来たし。


 体の汚れも破壊出来るしね…………ただ……。



『オル、腹減ったぞ……あの弁当以降、何も食っていないのだ……』



 そうなの、食べ物がなかった。


 魔者蔓延る森に食料はなく、こればかりは過酷だった。


 空腹で死ぬ事はないけど……死んでるし……ただただ死にそうな空腹感を感じるだけ、最後の方はヴァルと体の支配権を押し付け合っていた。



「たった二、三日でだらしないですね…………オルクス、大丈夫? ご飯食べに行こっか?」



 エル姉の問いに力なく頷いた僕達は、店を探し始める。


 街に来ると必ず最初は飯屋だね……これじゃグルメ生活じゃないか……。



「いらっしゃいませぇぇぇぇ!! 責任者のオー・ナーです! こちらへどう――――」


『――――他の店にしよう』



 店の扉を開けた瞬間に飛び込んできた責任者の眩しい笑顔。それを見た瞬間ヴァルは扉を閉めた。



「……何故ですか? どこでもいいと言ったのはあなたではないですか?」


『黙りなさい、いきなり自己紹介する責任者がいる店はヤバいだろ……我に皿洗いさせるつもりだ』



 ヴァルの言葉に首を傾げるエル姉。が、特にそれ以上突っ込む事はせず、隣にある別の店に入り食事した。



 奢ってもらっちゃった!! お姉ちゃん最高っ!!



「ねぇオルクス? それで何処に行きたいのかしら?」



 食事を終えた僕達は、当てもなくブラブラと街を散策していた。この街も知らない街、やっぱり大陸が違うのかなぁ。



「エル姉、一応僕はヒガシ大陸に行こうと思うのだけど……」


「ヒガシ大陸? え……ここはニシ大陸だよ? ヒガシは真逆……」



 ニシ大陸!? うっそ……そんな遠くまで僕は来ていたのか!?


 ヒガシの牢獄に入れられて……あれ? その後どうしたんだっけ? 気でも失っていたのかな……。



 この世界はドーナツ型……チュウオウと呼ばれる大陸が孤島のように存在し、その大陸をキタ、ヒガシ、ミナミ、ニシと呼ばれる大陸が囲んでいる。孤島と言っても、かなり大きいけど。


 各々の大陸は巨大な運河で仕切られており、徒歩で大陸間を渡る事は難しい。


 何十年とかけて、橋を建設しているらしいけど……完成の目途は立っていないようだ。



 ここまで言えば分かるよね? 想像出来るよね? これほど分かりやすい地形ないよ? もう説明しないからね?



『ふむ……で、ヒガシに行くにはどうしたらいいのだ?』


「…………」


『おい、お前に聞いているのだぞ?』


「…………」



 ヴァルの問いかけに反応しないエル姉、仕方ないな……。



「エル姉、どう行くのが一番かな? 僕、ヒガシから外に出た事ないんだ……」


「そうだねぇ、一番早いのは神界経由ルートだよ? 一度神界に行って、そこからヒガシに降臨するの!」



 降臨、なんかカッコいいな……突然空から光と共に降臨する僕、破壊神。


 いや、パニックになるか……そもそも別に急いでいないしなぁ。



『……他には?』


「…………」



 ……なんか、面倒くさくなってきたな……後でエル姉にヴァルにも反応してあげるように頼んでおこう。



「エル姉、他のルートは?」


「他は海路が早いよ? キタかミナミを経由して行くルート」



 う~む海路か……船に乗ったら、次の行には目的地に着いているだろうな……。


 船に乗った! 早いな! 別の大陸に着いた! 僕は船を降りた! ……みたいな。



「それか陸路でキタかミナミの大運河まで行って、運河を渡るか……だね」



 あの大きな運河を渡るのか~、かなり流れが急だって話もあるし興味あるけど……その大陸境の大運河まで陸路か……。



『オルに任せるぞ? 陸でも海でも、神界でも構わん』



 う~ん迷う……歩きたくないけど、船の上は暇だろうし……馬車を使って色々回りながら行くのは? ……面白そうだな……!



「決まった? オルクス」



 エル姉が僕の顔を覗き込んでくる。長々お待たせ致しました、優柔不断でごめんなさい……。



「うん! 神界に行こう!!」


『よっしゃ! では早速馬車を…………なに?』



 ヴァルが聞きなおしてくる、神界でも構わないと言ったじゃないか。



『いや、言ったけどさ……予想外よ? 多分みんな予想外よ?』


「本当に神界でいいの?」



 エル姉も意外そうな表情で僕に確認してくる。


 だって……ニシ、飽きたんだもん……それにニシで僕は食い逃げ犯だし、犯罪者イベントは発生させたくない。



『……なぁ、今思い出したが借金返済するとか言っていなかったか? あと少しで目標額ではないか』


「貯まったら食い逃げ店に降臨して返済するよ!」



 借金を返済するために飲食店に降臨する破壊神。ふふふ、テン・チョーの驚く顔が目に浮かぶぜ!!



『……まぁ、そういう考えならいいが……本当にいいんだな? 神界で?』


「うん! 神界にも興味あるし…………いつだったか神を破壊するとか宣言しちゃったからね」


『いつって……一番最初であろう? 宣言しちゃったって……本当にオルは緩いな……』



 こうして僕は神界に旅行しに行く事になった。


 正直色々な神と触れ合った事で、神に対する負の感情は弱まっている。


 好ましい神だっている……ヴァルも、エル姉も、ウィードやタンちゃんも。


 アフロ? 知らね。



 神が悪いのではなく、神の作ったルールが悪い……まぁ一部いけ好かない神もいるだろうから、その時は破壊しよう!



 どこまでも自由、考えも、行動も……変化こそが自由! 変化させられる自由!



 ご都合主義万歳!!



 こうして僕は、神界へと降り立った。


宜しければブクマや評価のほう、お願い致します


また感想なども頂けると嬉しいです


次章は神界編です

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