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第十八話 金を払え

お読み頂き、ありがとうございます

「ッチ、しけてやがる……」


『まったくだ、緑貨五枚? ふざけてんのかモヒカン野郎』



 魔者を爆発神に破裂させられた為、金を稼ぐ事が出来なくなった僕達は、苦肉の策で爆発神から金を巻き上げ……慰謝料を請求した。



「くっそ~これじゃ借金の返済も……カット料も請求しようかな……」


『んまぁ、なにはともあれ、自分で稼いだ金である! 飯を食おうぞ!!』



 破壊神の後ろをトボトボと歩く女神達は思う。金を稼いだ? カツアゲしただけではないか……。



『……ほんで? 何故貴様がここにいるのだ?』


「ひィィィィィ!? すんませんせんません!! 生きててすんません!!」



 女神達の更に後ろ、モヒカンヘアーをした旧アフロ神がオドオドしながらも僕達と一緒に行動していた。



「ほんとよ……なんでアンタがここにいるのよ」


「ですですぅ~さっさと神界に帰れですぅ~」



 君達……一応彼は上位神、貴女達は下位神でしょう? ボンボンが可哀そうになってきたな……。



「い、いや! 神力を使い切ってしまったんで……しばらく神界に戻れないんっスよ」



 神力を使い切った? え……神力って有限だったの?



〈最上位神は無限と言ってもいい……限りはあるが、使い切る事はほぼ不可能であろう〉



 でたよご都合主義、チート存在! …………素晴らしいじゃないかっ!!



「だとしても私達と行動する事ないでしょ? 消えなさいよ!」


「ですですぅ、離れろですモヒカン野郎ぉ!」



 辛辣っ!! こんな可愛い子達に、こんな事言われたら……。


 あぁ……僕にも経験がある。安心してボンボン、僕は君の味方だよ!



「くっそ……下位神が……」



 小さく呟いた言葉は他の神の耳には入らない。しかし仕方がない、何故かこの下位神は最上位神に気に入られている……。


 女神を敵に回すという事は、破壊神も敵に回すという事……それは出来ない。



「そ、そんな事言わないで下さいよぉ~この状態で魔者に襲われたら、俺様ひとたまりもありませんぜ……」



 女神達のゴミを見るような目が突き刺さる……。


 このような目を向けられた事はない、自分は上位神……敗北はただの一度もなかった。


 目の前の、異常な力を持つ神以外には……。



「ま、まぁいいじゃないか! 街までもう少しなんだ、そんな怖い顔しないでさ!」



 そう言いながら女神達の様子を窺うが、彼女達の汚物を見るような目が変わる事はなかった。


 まったく、なんで僕が気を使わなきゃいけないのさ!



『まあオルがそう言うならいい……だがモヒカン神! 分かっておるな?』


「は、はいっ!! 今後一切、貴方様には逆らいません!!」


『馬鹿が!! そんな事はどうでもいい……金だ、カット料緑貨二十枚……耳をそろえて払ってもらおうか?』



 ぶっ飛んでやがる!! 髪切っただけで緑貨二十枚とは! そんなに儲かるなら美容師になりたい。



「に、二十枚!? そんな……お袋からの仕送りは緑貨十二枚なのに……」



 い、田舎の母ちゃんの仕送り……なんてこった、僕はそんな心の籠った金を奪ってしまったのか……。



『馬鹿たれ! それはそれ、これはこれだ。それとも貴様の負債を我が取り立てに行ってやろうか? 貴様の母の元に』



 まさに悪魔の所業。


 都会で頑張っている息子を応援している母に、お宅の愚息さんの借金の件で参りましたぁ!? 無理だ、僕には出来ない……。



「や、やめてくれ!! お袋だけは……お袋だけは勘弁してくれ!! 女手一つで俺様を育ててくれたんだ! お袋だけには迷惑を掛けられねぇ!」



 そんな立派なお袋がいるならヒャハハハ!! なんて言ってんなよ……いい女だ~寄こせ~とかも言っていたと思うぞ。



『かぁちゃんがぁよぉなべぇをしてぇ~てぶぅくぅ~ろ編んでいる場合ではない!! 迷惑料も足りないのだぞ? どうしてくれんだよぉぉ!?』


「ぴィィィィィ!?!? は、払います払います!! 大丈夫っス! 何匹か人間の討伐対象になっている魔者を爆発させたんで、その報酬で払いますぅぅぅ!!」



 相変わらずビクビクしているマザコンのボンボン。


 と言うか……討伐対象の魔者? もしかして、こいつが狩っていたから全然いなかったのか?



『……やってくれたなマザコン、我らの獲物を横取りしていたとは……』


「よ、横取り……? なんの事っスか?」



 とぼけた表情でいるボンボン、そう言えば出会った時そんな感じだったような……。


 そう言えばこいつ、魔者シャワー浴びせてくれたんだった……クリーニング代も請求しないと。



『とぼけるな!! その魔者は本来我らのもの、その報酬は全てっ! 我らのものである!』


「そ、そんなぁ……そりゃないっスよ……」



 項垂れるボンボンだが、こればっかりは擁護出来ん! 僕達も金が必要なのだ! ……まぁ、可哀そうだから魔者の報酬をもらう事だけにしておこう。



「あとクリーニング代、美容院代も出しなさいよね!」


「そうですぅ! 服も髪も汚れました! 責任とってもらいますぅ!」



 お前達……ここぞとばかりに……。


 お前達の体や服はピッカピカだぞ? 汚物破壊したのだから、クリーニングや洗髪なんてしたら汚れちまうよ?



 女神達を軽く睨みつけるボンボン、その行動を僕達にチクる女神達。


 ほんと君達って……人間っぽいよね……。


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