第十七話 幸運の力
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見事に吹き飛んだ…………消え去ったアフロ。
アフロヘアーを認識破壊しただけの為、ツルピカになった訳ではない。
『ほほほ、似合っているではないか? モヒカンヘアー』
そう、爆発神の爆髪頭は見事に狩られ、所為モヒカンとなっていた。
まったく、僕が思い付いた事なのに……。
『ふはは、ボンボンではなくモヒモヒだな』
モヒモヒってなんだよ……ボンボンって髪型からきていたのか?
「あぅぅぅううううううう…………ぐ……ぐぞっだれがァァァ」
あはっ! 泣いてる? まだそんな事を言えるなんて……すごいな。
『クソだと……? 図に乗るなよ弱神が? 慈悲をくれてやったのだぞ? それとも消えるか? 存在ごと』
おぉぉぉぉ!! 珍しくヴァルが威圧的だ! 怒ってんの? ねぇ、怒ってんの?
〈うるさい!! たまには威厳を見せんと! 我にも立場と言うのがあるのだ! 我、破壊神ぞ?〉
「ひひひひィィィィィィィ!! すみませんすみません!!」
泣きべそをかきながら頭を地面に擦り始めるボンボン。
……なんか、もういいよ……弱い者虐めみたいで、あまり気分が……。
〈オル? お前は以前まであの立場であったのではないか? オルは弱者から強者になったのだ、このような状況は気分がいいであろう?〉
(…………そりゃ、最初はそう思ったけど…………正直に言うと、実感がないんだ。破壊の力はヴァルの力、僕はなんの努力もしていない……)
そうだよ、僕は僕のままだ……ヴァルが僕に愛想をつかして出て行ったら、僕はまた弱者に戻る……。
いいや……その瞬間に死んで、また不幸な人生を送る者に転生させられるのか……。
〈努力をしていない…………そんな事はなかろう? オルの悲惨な人生……蔑み、侮辱、軽蔑、そして孤独……そんな人生で、オルは生きてきたではないか!!〉
生きる事なんて、誰にでも出来るよ。努力でもなんでもない……僕はただ、生きていただけ。
〈逃げようが、目を逸らそうが、這いつくばろうが、なんだろうが!! オルは生きているではないか!! ……あ、死んでたね。それは努力だ! 生きる為に努力し、そして我と出会ったのだ!! ……まぁ、最後は諦めてたけどね〉
いちいち余計な事を言うせいでいまいち心に響かない。
励まそうとしてんのかな? ごめん、それっぽい雰囲気出したけど、別にそこまで深く考えていなかったんだけど……。
〈我と出会えたのはオルの努力の結果だ!! ……まぁ、悲惨過ぎて可哀そうだったからだけど。つまりこの力はオルが努力して手にした力、オルの力だ!!〉
なんだか……ヒートしてきちゃったな……。
ボンボンが泣きながらこっちの様子を窺ってんだけど、放置でいいの?
〈胸を張れ!! 努力は結果を出した、その結果はオルの功績! たまたまそれが破壊の力だったと言うだけだ! 君はラッキーボーイなのだ!!〉
……僕には運もないけど……ニブイチなら、必ず自分にとって悪い方の結果となってしまうし……。
自分が受けた嫌な思いを他人にも受けさせるのは、そりゃ気分いいだろうさ。
でも……その思いを経験している分、終わった後に残るのは後悔や虚しさだけ……。
僕と同じ思いをしているんだ……そう思うと……。
〈さぁラッキーボーイ? 君はこの幸運な力で何をするのかな!? シンキングターイムスタートォォォォ!!〉
何をシンキングさせられるんだ? ……やりたい事? そりゃたくさんあるさ、今まで出来なかったんだから。
〈ドゥルルルルルルルルルルルルルル〉
ドラムロール? ゆっくり考えさせてくれなさそうな音だな……。
なんか重くなっちゃったけど……結局、僕は僕なんだよなぁ。
力を得たって、深層心理は変わらない……変えない……変えたいと思わない。
〈ドゥルルルルルルルルルルッッオオッホッゲホッゲッホ!!〉
心の会話で咽るなよ……でも、ありがと……僕は僕の思うがまま、自由にやるんだ! 嫌なものは嫌いだし、気分が悪い事は気分良くない!
うん、相手によって変えよう。ムカつく奴は破壊する、これでいいや。
〈……これでいいやって……我、結構力説したんだけど……〉
(分かってるよ! 僕は人間なんだ、考えがコロコロ変わるのは仕方ない! 自由にやりゃいいんだよ!!)
決して、言っている事が前と違くないか? という指摘を受けた時の保険じゃないぞ? 自分に都合のいいように生きる、みんなもそうだろ?
〈そんで……? 今のオルはどう思い、どう行動するのだ?〉
(今回は壊さない……こんな雑魚神、壊す価値もない!!)
〈粋っておるが、結局は酷な事が出来ないのであろう? ……まぁ、オルらしいかもしれんな〉
さぁ、長々お待たせ致しました!!
脳会話終了! 結果は…………今までと特に何も変化はございません!!
「おまんたせ致しましたぁ……ボンボンさん、貴方の処遇を発表致しますぅ」
ボンボンの表情が恐怖に染まる……涙はとっくに枯れ果てたようだ。
「しょ、処遇!? い、嫌だ!! お願いです、壊さないでぇぇぇぇぇぇ!!」
馬鹿が、今さら何を……破壊神に喧嘩を売ったんだぞ? そんな泣き叫んでも…………そんな喚き叫んでも遅いのだ!!
「……出せ」
「はひィィィ!? い、命ですか!? い、嫌だぁぁぁぁぁぁ!!」
「うるさい、騒ぐな……さっさと出せ……」
後ろで女神達も唾を飲む……圧倒的威圧、上位神に逆らえるレベルの圧ではない。
このモヒカンは……破壊神の逆鱗に触れたのだ!!
「さっさと出せぇぇぇぇ!! 金をォォォォォォォ!!」
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