第十六話 絶対的強者
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「最上位神ってのも怪しいぜ!? そんな神が下位神なんかと一緒にいるかよ!!」
僕達が最上位神の破壊の神である事を知らない、脳が爆発してしまっているボンボンは僕達を全く恐れていないようだ。
(……ヴァルが人気ないせいだぞ? ちゃんと地方営業しておけよ!?)
〈我はアイドルか!? 破壊の神だぞ!? 唯一無二の神であるのだぞ!?〉
っくそ! 正体を隠して……実は最強最悪の最上位神、破壊神でしたぁぁぁぁ!! がやりたかったのにっ!!
相変わらず女神達は機嫌悪いし、爆発さんは田舎者だし、なんか気分悪いなぁ!!
〈まぁ落ち着け、こいつは例外だ。我の事を知らないなんて今後はない〉
(絶対だな? こんな展開はもう嫌だぞ?)
多分……と力なく言うヴァル。
はぁ……仕方ない、切り替えよう! こうなったらどうやってボンボンを華麗に破壊するかだ!
「ほんでぇ? どこの田舎神か知らないが、死にたくねぇんならそこを退けよ?」
「お前こそ、破壊されたくなければ消えろ……田舎者が」
ボンボンに青筋が走る、田舎者と言われて怒るのは田舎者だけ。……正確には中途半端な田舎者だけ。本当の田舎に住んでる人は、自分が住んでいる土地を誇りに思っているからな。
ちなみに僕も田舎者だ! 中途半端な! だから言われるとイラっとする!
「田舎者は死なねぇと治らないみたいだな? なら死ねよ!? 大爆発!!」
病気みたく言うな! 治したくても治らないよ! 生まれた時から田舎者だ!
迫りくる爆発の神力。
どうしよう、何もしなくても僕は大丈夫だけど、女神達は爆発に巻き込まれて死ぬかも……仕方ない。
「おりゃっ破壊だぁ~」
対象を選ばない、ただの破壊の力。その神力を乱暴に投げ付ける。
ただの暴力、触れれば壊れる、掠れば抉れる。空気を破壊しながら進む暴力、それが爆発の神力と接触する。
破壊の力に触れた爆発の神力は一切の抵抗を見せる事なく霧散し、消え失せた。
「な、なにィィィィィィィィィィィィィィ!!??」
ふはは……そうそう、それだよ!!
自信満々で放った力が、田舎者と侮った神が放った力に掻き消され驚愕する爆発神。
そのまま進む破壊の力に、腰を抜かしてしまう。
「おっと、まだ壊れないでくれよ? これからだ」
僕はあと少しで爆発神に触れるという所で破壊の力を止めた。
こんな呆気なく終わってもつまらない、もう少し、遊んでくれよ?
〈ほほほ、オル、代わってくれ! 我にもやらせて!〉
(ッチ……仕方ないな、少しだけだぞ?)
〈舌打ちしないでよ……〉
ヴァルに支配権を渡す、今までたくさん破壊してきたくせに、まだ遊び足りないのか?
「あ、な、なん、なんだよ…………不発? そうか、不発か!!」
都合のいいように解釈したボンボン。
爆発が何故か不発したのだと決めつけ、抜けていた腰に芯を入れ立ち上がる。
「そうだよ……こんな田舎者に俺様の爆発が…………くらえっ!! 極大爆発!!」
『しゃらくせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
再度自信満々に放たれた爆発の力。さっきのより更に強大な力のようだ…………が、そんなものは関係ない。
ぽしゅぅぅぅぅ……情けない音でまたも不発となった汚ねぇ花火、ヴァルの放った力によって、呆気なく掻き消された小さき灯火。
「ギャアアアアアアア!?!? く、くるなァァァァァァ!! 大爆発!! 極大爆発!! 究極大爆発!!!」
『ハァァァハハハハ!! 無駄無駄無駄っ!! 無駄である!!』
慈悲もない、まさに破壊神。
爆発神の放った神力は全て消滅する。もちろん、体にぶつかる寸前で破壊の力は消す。
「ひィィィィィ!? た、助け……助けてぇぇぇぇぇ!!」
そして命乞い、典型的……もう少し頑張ってほしいな……。
『ダメである! フハハ……では、仕上げといこう…………ギギギギギギギ!! や、やめろ!? 我が、我がやるのだ!!』
「ふざけんなっ!! それは僕がやるんだ!! か、代われぇぇぇぇぇ!!」
突然頭を押さえて苦しそうにする破壊神、何か一人でブツブツと、それはただただ不気味……。
今の内に逃げようと画策する爆発神だが、目の前の狂神がそれを見逃すとは思えない……。
『グギギギギギギ…………こ、こうしようオル! 女神達に、女神達に決めてもらおうではないか!?』
「グググググググ…………い、いいだろう、恨みっこなしだぞ!?」
突如狂神が振り向き血走った眼を女神達に向ける、それに慄く女神達。
目の前で繰り広げられた、自分達とは次元の違う戦闘に…………片方が一方的ではあるが……恐怖を覚えていた。
「『おい!! どっちがいいと思う!?!?』」
突然訳の分からない事を言われ困惑する二人。
しかし訳が分からなくても選ばなくては……今この狂神を刺激するのはマズい……。
「え……えっと……では、ヴァルハザ――――」
「――――タンちゃん!! ヴァルはさっき君達をこの戦場に送り出した張本人! 僕は慈悲を見せたよね!?」
「じゃ、じゃあオルに――――」
『――――タンス神!! 我が誰なのか……忘れた訳ではあるまいな!?』
なんて奴!! 上下関係を持ち込むなんて! 汚職だ! 談合だ! 職権乱用だ!!
『ウィード!! 我の名を言ってみろ……分かっておるな?』
「は、はィィィ!! ヴァルハザード様ですぅ! 破壊神ヴァルハザード様ですぅ!!」
酷く怯えた様子で答えるウィード、その横で目を伏せているタンちゃん。
もういいよ……可哀そうだ、上司には逆らえない……どこの世界でも一緒か……。
『悪いなオル、我をご指名だ!』
「……はいはい、お好きにどうぞ」
ボンボンに向き直るヴァル、 その目は狂気に染まっている。
なにやら話し合いをしていたようだが、恐らく強神に逆らった自分の処遇を話し合っていたのだとボンボンは悟った。
「い、嫌だ!! お、お願いです! 助けて下さい!!」
出来るのは命乞い……プライドなど捨てて命を守る。
当初の勢いは全くなく、今は目の前の神の一挙手一投足に体が震える。
『ダメである!! 貴様も上位神を名乗るなら覚悟を決めよ! 愚かにも最上位神に逆らった事を後悔するがいい!』
告げられる絶望、ゆっくりと動く腕、そして指先に込められる強大な神力。
最早神としての威厳も威信も威光もクソもない。
ただただ助かりたい、それだけ………人間と同じである。
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
『フハハハハハ!! もう遅い!! くらえっ! 爆髪破壊!!』
その瞬間、アフロは吹き飛んだ。
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